ホビーではBUシステムで終了し、アニメは海外で放送されていたらしい『QUADSTRIKE』で完結したとのことなので、アニメのベイブレードバーストの何が好きだったのかを書いていく。
きっかけはリバイバル版「ドラグーンストーム」
元々、爆転シュートベイブレードやメタルファイトベイブレードは知っていて、ベイブレードバーストは触れる予定が無かったのだが、SNSやホームページなどで、爆転シュートベイブレードの主人公機だった「ドラグーンS(ストーム)」が、バーストシリーズのシステムで復刻するという情報を得た。
この当然ながらドラグーンは当時唯一の左回転搭載機で、シュートするには左回転専用のシューター(爆転でベイを発射する道具)が必要だった。その情報を入手した当時はベイブレードバーストでは左回転ベイが登場しておらず、リバイバル版のためだけにわざわざ左回転用のランチャー(バーストでベイを発射する道具)を用意するのだろうか、と疑問に思った。
しかし、リバイバル版のドラグーンストームのリリースとほぼ同時期に、バーストシリーズの最初の左回転ベイ「ロストロンギヌス」が発売されるとのことで、そのフォルムを見た結果一目惚れした。
白いクリアパーツと青色のディスクの色合いが見事で、龍を模した重量メタルパーツ「メタルドラゴン」の装飾、左回転も相まって、バースト版のドラグーンのようなイメージを抱いた。
自分のベイブレードバーストは、ここから始まった。
「白鷺城ルイ」の登場
ロストロンギヌスのパッケージにもあるように、使い手は「白鷺城ルイ」というブレーダー。
勝つためにストイックな特訓を続け、自他に非常に厳しく猛々しいながらもどこか神秘的な彼のスタイルと、全国大会4連覇中の「絶対王者」というところが非常に気に入ってしまい、キャラデザイン的にも髪の毛が本物の蒼炎で、尖ったキャラの割にフワフワのファーを着用しておりガッチリと掴まれた。
アニメ第5シリーズ『超王(スパーキング)』辺りから彼を描き始めた。
アニメを通して観れた「白鷺城ルイ」という人物
毎シリーズ、ほぼ誰かしらに強い影響を与えている人物と思える。
第1期では蒼井バルトや紅シュウ、第2期(神)ではレッドアイやフリー・デラホーヤ。第3期(超ゼツ)では赤刃アイガがシュートフォームや必殺技を模倣するほどで、必殺技に関しては後のシリーズでも使い続けていた。第5期(超王)ではレーン・ヴァルハラにレジェンドフェスティバル出場を促したことで、彼が様々なブレーダーと出会うきっかけとなり、第6期でも、大黒天ベルとのバトルで他のレジェンドにDBベイを作る意欲を沸かせていた。
勝つためには誰よりも厳しい訓練を積んだり、バトルは基本的に「強いやつとしか戦わない」「相手に悪夢を見せる」、日常生活では「夜は眠らず昼も夜も特訓する」、努力の量は人の10倍など、とにかくストイック。誰かに嫌われても「自分が楽しむためやりたいようにやる」「大事なのはどう勝つか」ととにかく孤高を貫く。
何気に、初代主人公にして最強の称号を持ち続ける蒼井バルトに対し、負けなしを貫いている貴重なキャラの一人。特に、第1期最終話で主人公のバルトが敗北というまさかの展開には驚いた。
「白き暴君」の二つ名に恥じない嵐のような存在感を終始見せてくれた。
「赤刃アイガ」という主人公
白鷺城ルイが敵キャラとして好きであれば、主人公は「赤刃アイガ」が最も好き。
アイガは第3期『超ゼツ』から登場した新主人公で、第2期まで主人公を務めていたバルトからシリーズで初めて主人公交代という役割を与えられた。
バルトのイメージカラーが青であればアイガは赤、攻めに全振りしているバルトに対しアイガは攻守完璧、と対照的な面も多い。しかし、ベイブレードに対する熱さは同じ。
アイガはバルトと違い、物語最初の時点でベイブレードに触れておらず興味もなく、バルトとの出会いを経てブレーダーになることを決意して彼のベイブレードが始まるという異例のスタートを切っている。しかし、ブレーダーとして天才的な才能と、誰よりも強いベイとの「共鳴力」を先天的に持っていたがために、何も知らないアイガは自身の力で自身を苦しめていってしまうという、主人公としては特異なストーリーを展開していく。
自分はこういった主人公の成長描写は好きで、自分の未熟さ故に失ってしまうもの、滅ぼしてしまうものと向き合い、そこからどう立ち直って一人前に成長していくのかという、自分の中では「王道」と思える。似たようなストーリーを展開したものとして、同じく自分が好みの作品では「遊戯王デュエルモンスターズGX」が挙がる。
アニメを通して観れた「赤刃アイガ」という人物
前述の通り、バルトが攻め1本であるのに対し、アイガは攻守両方を極めたバランスタイプ。バトルでも、アタック・ディフェンス・スタミナの3モードをレイヤー、ドライバーなどで切り替えることで使い分け、必殺技も攻め(超ゼットソードなど)、守り(超ゼットシールドなど)と充実している。ここまで必殺技や戦法が多岐にわたるバーストシリーズの主人公はアイガだけだろう。
ベイブレードバーストのアニメ自体、ベイの動きやカメラワークにかなり力を入れているため、こういった巧みな戦術をとるこの主人公のバトルは非常に映える。
様々な戦術をとれるからといって終始地味な削り合いをするわけではなく、「ピンチに追い込まれたらアタックモードに直感で切り替える」というアイガの習性のようなものがあるため、序盤は守りで様子見、そこから攻めに転じるなどのテクニカルな戦法を披露し、「最後は真っ向勝負」という展開をしてくれる。また、スタジアムの地上だけでなく、空中戦にも対応できるという点も大きい。(ゼットダイブなどの必殺技や、『超ゼツ』第50話「アイガ、超ゼツ共鳴!」でのファイ戦など)
交友関係も早い段階で築くことができており、例えば『超ゼツ』でアイガがベイブレードのために転校した先で出会った「黄山乱次郎」「墨江フブキ」「御朱印スオウ」「蒼井常夏」「蒼井日夏」「紺田ホウジ」らといった生徒達とは、転校当初はいがみ合ったり、特にフブキからは非常に毛嫌いされていたのだが、アイガとのバトルの中で彼ら自身が見失っていたものを取り戻し、交友を深めるという展開となっている。
その一方、アイガが「悪魔の共鳴」により焦りが生じた際には、特に当初彼を毛嫌いしていた乱次郎やフブキがアイガを救い出す、或いは守るという役目に自ら徹していた。アイガがかつて持っていた純粋な優しさが今度は自身を守ってくれている、という描写だろう。
悪魔の共鳴を経て、愛機アキレスとの絆を取り戻し、ファイやバルトといった強敵を倒したことで、アイガは世界チャンピオンとして君臨するようになる。天才であるが故の苦難など、様々な道を辿ってアキレスとの固い関係を結んだアイガ以上にチャンピオンに相応しいキャラクターは他にいないと、自分は思う。
日本では放送されていないがバーストシリーズ最終作の『QUADSTRIKE』で、アイガがチャンピオンとして作品最後を迎えることができたのは、自分も嬉しい。