『クロスDE』発売前にまとめておく
巨神界、アルストとは恐らく違う世界のミラが舞台の『クロス』。
これらの世界に明確な繋がりがあるか分からないが、シリーズ超重要ポイントで占められているうえ割と複雑な『2』について幾らか個人的な補足。
『1(DE)』『2』『つながる未来』『3』『新たなる未来』のプレイ済み前提。
アルストの仕組み
クラウスが20XX年の旧世界にて、人の業に満ちた姿や世界に絶望し、新たなる世界を好奇心によって求め、マルチバース・ジョイント「ゲート」を用いた相転移実験を行った結果、世界の多くのものや人、そしてクラウスの半身とトリニティ・プロセッサー1基「ウーシア」が遥か彼方の別次元「巨神界」へ飛ばされてしまう「時空転移現象」が発生し実験は失敗。





巨神界へ飛ばされたクラウスの半身は「ザンザ」として生まれ、それは巨神の魂として君臨。
さらに、ウーシアはクラウスの後悔の念を受けて「アルヴィース」としてこの世に誕生し、巨神界・機神界を管理する。


旧世界に残されたクラウス、僅かな人間、崩壊した文明。
クラウスは自身の相転移実験を後悔し自身の消滅を願ったが、ゲートの罰なのかその維持力によって叶わなかったため、罪を償うという目的で、3本の軌道塔「ビーン・ストーク」の内1本だけ残った「第1タワー・ラダマンティス」の上にある第一低軌道ステーション・ラダマンティスにて、世界の再生を試みた。

過程としては下記の通り。
- 旧世界の崩壊した物質を再構成する分子体「雲海」を作り出す
- 人の脳細胞の代わりとして作り出され旧世界の生命情報を全て持つ「コアクリスタル」を、雲海の分子構造と結びつかせることで、「巨神獣」といった新たな生命を生み出す
- 巨神獣の進化により、様々なモンスターや生物が生まれていき、最終的に人間へと進化
クラウスが再生させた生命はコアクリスタルを原点として誕生している。
ただクラウスは、これだけではクラウスの旧世界の人間と同じ、業にまみれた過ちを繰り返すのではないかという疑念を抱いた。

そのため、ブレイド、巨神獣、トリニティ・プロセッサー(プネウマ、ロゴス)によって成り立つ「命の記憶の循環」機能という新たな仕組みを下記の通りに導入することにした。
- ロゴスとプネウマに全ブレイドの管理を任せる(=マスターブレイド。本機能の管理)
- コアクリスタルが同調によって亜種生命体「ブレイド」が誕生する
- 同調で生まれたブレイドは、外界からの淘汰圧、ドライバーとの記憶、ドライバーとの間で培った感情などあらゆる情報をマスターブレイドに送信(コアクリスタルに戻った際に記憶を失う仕組み)
- 情報を受け取ったマスターブレイドは、それらの情報を基に新たな進化コードをコアクリスタルへ送信し、新たなブレイドが同調によって生まれる
- 「3」「4」を繰り返していくと、ブレイドの時点では未分化な遺伝子構造が発達していき、最終的にブレイドは命の火が尽きた際にブレイドであった頃の記憶を失って生まれた巨神獣へと還り、自身は巨神獣へと変態する
- 巨神獣となった後は新たな生命体を創出したり、自身の胎内で新たなコアクリスタルを形成する
- 新たなコアクリスタルは「2」~「7」の循環を繰り返す
こうした機能を非常に長い時間をかけて構築していった。
実現する頃には、第1タワー・ラダマンティスは自然植物に覆われていき、人々からは「世界樹」と呼ばれる容姿になる。
巨神獣が世界樹(第1タワー・ラダマンティス)周辺の雲海を回遊し、巨神獣の上に生物が住む世界が「アルスト」となった。
しかし、アルストの人間達は旧世界の人間達と変わらず業に包まれ、争いを続けるばかりであり、人間の過ちを食い止めるために作り上げたブレイドすらも争いの道具として進化していく。
こうした「人も世界も変わることのない運命」にさらに絶望したクラウスは、この世界を放置することにしてしまう。
なお、アルストはクラウス達旧世界の人間達が生活していた世界の成れの果て「モルスの地」の上に位置している。
第1タワー・ラダマンティスの周囲にあるこの地は、かつては「ラダマンティス自治州」と呼ばれていた。


レックス達がメツとアイオーンを倒した後、クラウスは最後の手向けとして、このアルストの「命の記憶の循環」機能を改変しているような描写がある。
世界樹(第1タワー・ラダマンティス)周辺を回遊していた巨神獣は1つの大地となっていった他、ブレイド達は『3』で子を成しているような描写も確認できる。循環機能に大きな変更が加わったようだが、全容は未だ不明。


ラダマンティスの他に、ビーン・ストーク第2タワー・アイアコスとその周辺のアイアコス州、ビーン・ストーク第3タワー・ミーノースと周辺ミーノース州と呼ばれる地域も存在していたが、アルスト完成後の世界には存在しておらず、クラウスの相転移実験失敗によりそれらは遥か彼方の別次元へ飛ばされていったと思われる。

もしかしたら、『クロス』でエルマが訪れた地球の場所はアイアコス州、ミーノース州のどちらかで、異星集団グロウスや異星生物ゴーストが現れたのはラダマンティス自治州ではなくこの2つのどちらかの州付近だったのかもしれない。


因みに、モルスの地のイーラの胎で戦った「デビルキング・グルドゥ」はガラテアではないと『3』の設定資料集「アイオニオン・モーメント」で公言されている。
巷ではデビルキングがガラテアなのではと言われていたようだが、グルドゥ系モンスターは人が永遠の命を求めた成れの果てであるのに、クラウスの業を静止しようとしていたガラテアだと何故思われていたのか、自分には全く分からない。
マルベーニ、クラウス、半身ザンザ、メビウス
幼少期に野盗によって母を殺され、その野盗の寝込みを襲って殺したマルベーニ。幼い時期に、彼は人の業を強く感じた。
そんな彼はそれでも人間を信じ、アーケディア法王庁で難民の支援を積極的に行っていた。




しかし、自分が助けた兵士が野盗に成り下がり、赤子の命さえ奪おうとしていた光景を目撃してしまい、この世界に絶望すると共に「これがあなた(この世界を作った神)の望んだ世界なのか」「この酷い世界を作った神さえもが世界が救済されることを望んでいるのではないか」と考え始める。




人の業渦巻く世界に対する答えを求めて世界樹(第1タワー・ラダマンティス)を単身で登ったマルベーニは、神の間に辿り着くがクラウスに会うことはできなかった。
アルストにも絶望し世界を放置していたクラウスは、マルベーニに会うことさえも拒んだ。
神には会えなかったものの、トリニティ・プロセッサーの2基「プネウマ」「ロゴス」のコアクリスタルを発見したマルベーニは、これこそが「神の言葉」であると考え、アーケディア法王庁にてロゴスと同調し、メツをこの世に誕生させた。
マルベーニは幼少期から見てきた人の業、世界の酷さから「この世界の全てが無駄で、人間達も生きるに値しない」という考えを抱いており、その絶望と考えの影響を受けて生まれたメツは、彼の願いを叶えようと行動を始め、あらゆるものを消滅させ始めた。


このメツの行動を見たマルベーニは確信した。
神の言葉として持ち帰って生まれたメツが世界の消滅を望んでいるならば、この世界の消滅こそが神が望む世界への救済なのだ、と。
そして、神の言葉を持ち帰りその力を持つ自分は「神の言葉を代行する者」であるとも。

さらに、アーケディア法王庁の科学者スタニフは、コアクリスタルとブレイド、そして巨神獣の循環関係を500年前の時点で発見した。(トリニティ・プロセッサーとの関係までは解明できなかった)
特に、ブレイドがやがて巨神獣になるという事実を知ったマルベーニは、世界を構成する巨神獣に進化するブレイドという存在は、人を進化させ世界を形作る「神の意志」を持つ、神が遣わせた存在であると捉える。


「神の言葉は、神の言葉を持ち帰りそれを代行し世界を救済へ導ける自身だけのもの」
そう考えているマルベーニは、ブレイドという神の遣いを自身のものとすると同時に、ブレイドの巨神獣への進化に伴う人や世界の進化によって神の如き自身が消え去っていってしまうことを恐れ、世界の進化の停止を目論む、すなわち新たな巨神獣が現れることを抑制し始めようとした。
ラダリア聖下を暗殺し自身がアーケディアの新法王となったマルベーニは、全ブレイドの情報を持つ天の聖杯の力を恐れ、その力を知り巨神獣を信仰するイーラの抵抗軍を抹殺し後世への伝播を防ぐと共に、自身の目的のために世界中のコアクリスタルをアーケディアで管理し始めた。




管理下におかれたコアクリスタルは、全ブレイドの管理者のドライバーである「マスタードライバー」のマルベーニによって「洗礼」と呼ばれる儀式が行われる。これによりそのコアに記録された生命情報を解析され、類稀な情報を宿すコアはマルベーニに取り込まれ続けていく。スタニフによって確立されたブレイドイーター技術の真価と言ってよく、500年も姿を維持して生き続けている理由にあたる。






これにより、コアクリスタルの同調現象は激減していき、ブレイドが誕生することも少なくなり、結果として巨神獣となるブレイドも大幅に減少。
つまりアルストはマルベーニの手により、「命の記憶の循環」機能の内のブレイド・巨神獣の循環機能が阻害されている状態に陥っている。
巨神獣が減少したことで生物が住める場所が減っていき、住む場所や資源を巡った戦争が起こるようになる。


これこそがアルストで発生していた問題の全容であり、マルベーニが「神の言葉の代行者」という自身の存在を永遠のものとすべく神の如きブレイドと巨神獣を全て消し去り、神の望む世界の救済(この世界の消滅=生きるに値しない人間の消去)を行うために行った行動となる。


あまりにも心が弱く純粋であるが故に、このような道を選択してしまったマルベーニであるが、そんな彼も心の中に良心を僅かに残していた。
世界の消滅を望んだメツの力を見て恐れたマルベーニは、残る1基のトリニティ・プロセッサー「プネウマ」と同調できる人間を探し出そうとしていた。




また、ジークが行き倒れになっていた際、自身の母を失った過去と照らし合わせ、自分が永遠の存在たる神の言葉の代行者となるために作り出したブレイドイーター技術を、彼の命を救うために用いている。
さらに、ジークが回復した後は彼に自分の心の弱さを明かしている。






そんな心の揺れる彼をクラウスは見ていた。

かつて、世界が変わることにより救われると信じて、自分達が神に近づけると信じて、絶望と好奇心の中でゲートを用いた相転移実験を行い、世界を崩壊させ後悔と絶望に未だ囚われ続ける自分を、マルベーニと照らし合わせて見続けていた。
だが、クラウスはマルベーニに何もすることはできなかった。同じ過ちを繰り返し、同じ絶望に囚われている彼に、全く同じ苦しみを抱えている自身が一体何ができようか。


大切なものを失った際、人はその理由を他人や己の中に求めると共に、”自分は何者なのか“という定義を求める。
世界を失ったクラウス、母を失ったマルベーニ。
何故世界を、母を失ってしまった?自分の心の弱さのせいか?世界に満ちた人の業によるものか?
そんな世界の中で自分は何なのか?世界の救済者か?神か?救済を求める神の言葉の代行者か?






その答えを出してくれる者など、居はしない。考えるほどに、一人で孤独に苦しみ続ける。
しかし、それは「神」ではなく「人」の姿でしかない。
そして、己の存在意義を存命中に見出せる人間など極僅か。

人であるが故に求め続け、苦しみ続ける。
そんな者達に手を差し伸べてくれる人が現れる日は来るのだろうか。


その苦しみの中で、救済を求める神の言葉の代行者となったマルベーニ。
洗礼によって寿命を遥かに伸ばし、巨神獣の誕生を抑えることで人々の進化を止めることで、神の代行者である存在を永遠にこの世界に示そうとした。
人々にその存在を忘れられたくない、自分という存在の消滅を恐れる、世界が前へ進むことを恐れる。
その姿は、クラウスの業とも呼べる半身が巨神界に君臨したザンザと瓜二つであり、全人類の恐怖の姿であるメビウスそのもの。


マルベーニとは、クラウスの絶望、ザンザやメビウスの永遠への固執や未来への恐怖を併せ持つ、「人間そのもの」といえる。




トリニティ・プロセッサーについて
トリニティ・プロセッサーとは、旧世界のアフリカで発見されたマルチバース・ジョイント「ゲート」を管理するために、学術機関「アオイドス」によって作られた、生体素子を採用した3基の合議制人工知性群を指す。

3基はそれぞれ「プネウマ」「ロゴス」「ウーシア」と呼ばれ、異なる仮想空間で独自の育成が行われ、プネウマは女性人格、ロゴスは男性人格、ウーシアは間を取り持つ裁定者として、それぞれ形成されていった。



アオイドスは3本の軌道塔「ビーン・ストーク」を低軌道上で接続されたオービタルリング上に配置され、ここにゲートを保管・研究しトリニティ・プロセッサーに管理させている。
また、この3本の軌道塔「ビーン・ストーク」はそれぞれ「第1タワー・ラダマンティス」「第2タワー・アイアコス」「第3タワー・ミーノース」と呼ばれ、赤道上に配置された。


低軌道上でゲートを研究する意味は、多次元を繋ぎ人類の知覚し得ないエネルギー法則を無視した力をゲートが保有しており、地上で事故が起こった場合は非常に危険であると判断されたため。
そんなゲートを防衛すべく、トリニティ・プロセッサーは「デバイス」と呼ばれる兵器群を開発。
セイレーン・デバイス、タイタン・デバイス、ガーゴイル・デバイス、サーペント・デバイス、アイオーン・デバイスが該当する。




デバイスには、ゲートのエネルギーをコアクリスタル部分で受信することで活動する動力機関「スレイブ・ジェネレーター」を採用している。
これは、『クロス』に登場する白鯨の「DM機関」やゴーストと酷似しており、且つ地球人類の英知を凌駕した機関だといわれる。
但し、それ故にデバイスはゲートが存在しなければ活動不能。アイオーンとメツを撃破した後、全てのデバイスが停止したのは、スレイブ・ジェネレーターがエネルギー源としていたゲートがクラウスと共に消滅していったからである。

攻撃に用いるエネルギーはエーテルではなく荷電粒子砲となっているため、エーテル操作でデバイスの攻撃を遮断することは不可能。
セイレーンのレーザーだけでなく、サーペント・デバイスのファラクバスターやウロボロスドライブ、タイタン・デバイスのエンチャントソード、ガーゴイル・デバイスのブラスター系なども全て荷電粒子砲による攻撃。


トリニティ・プロセッサーは3基の合議によって正常に機能する。
特に「裁定者」であるウーシアは他2基の意見があって初めて機能できる。但し、代用に値する存在があれば、欠けているプロセッサーの代わりとして用いることができる。


なお、トリニティ・プロセッサーは通常のブレイドとは異なる特徴が下記の通りにいくつか見られる。
- 管理対象であるゲートの力を行使可能(現段階で使ったのはプネウマのみ)
- 自身が設計したデバイスを使役可能
- プロセッサー独自の演算能力により、管理下にある世界での事象予測が可能(未来視、因果律予測)
- 根源元素エーテルに関与できる剣「モナド」を武器とする
- 命の共有が可能(特異例)
- ドライバーが死んでも存在し続けられる(例としてはアデル)
- ブレイドとして存在している際、別のドライバーと再同調が可能(特異例)
- 人格分離が可能(ホムラとヒカリ、アルファとエイ)
- コアクリスタルが多少損傷しても消滅せず、他のプロセッサーのコア情報を読み取るか、強い感情を持つ者を依り代とすることでコアを再生可能
- マスターブレイドの役割を与えられたプネウマ、ロゴスの2基は全コアクリスタルの情報、即ちアルストのコアクリスタルによって生まれた全生物の情報を持つ
- 自身のコア情報を他者へ譲渡することが可能
- コアクリスタルが消滅してもしばらくは活動可能






トリニティ・プロセッサーはアオイドスで育成されている経緯から、旧世界の記憶を幾らか保持している。
プネウマ及びロゴスの場合、相転移実験失敗前後の記憶が残っている。但し、第1タワー・ラダマンティスのシステムにアクセスできる理由が何故かは理解できておらず、自身がトリニティ・プロセッサーであることも自覚していない、且つモルスの地(ラダマンティス自治州)を「クラウスの生まれた国」「人の業の結晶」といった漠然としたイメージしか持ちえないため、旧世界の全てを覚えているわけではない模様。



恐らく、プネウマとロゴスはアルストの「命の記憶の循環」機能の管理者として設定された際、旧世界にまつわる情報を幾らか封印されていると思われる。(クラウスの最後の手向けで「命の記憶の循環」機能が改変された後は、恐らく封印が解除されアオイドスで育成されていた際の記憶を全て取り戻したのではないかとも思われる)

ウーシアの場合、相転移実験失敗までの殆どの記憶を、旧世界の記憶と共に持っており、且つがトリニティ・プロセッサーであることを自覚できている。こちらはマスターブレイドに設定されることはなく、相転移実験失敗による時空転移現象で巨神界へ飛ばされたため、アオイドスで育成されていた際の記憶を殆ど所持しているものと推察できる。




また、モナドに関しては定義が2つある。
1つは先述の通り、トリニティ・プロセッサーが武器として用いるエーテルに干渉できる剣。
2つ目は機神界のヴァネアによれば「人々が内に持つ光=どんな状況でも生き抜こうとする人の意思の力・命の光」を指す。


レックスがエルピス霊洞にて天の聖杯・第3の剣を手にした際に掴んだものもある種の2つ目の定義の「モナド」。
レックスがアデルの言葉から掴んだのは「ホムラ・ヒカリの恐怖を全て受け入れ、彼女達のためにどんな困難な道や未来でも共に歩む」ことである。


アルストの国家関係
インヴィディア烈王国とスペルビア帝国
ラゲルトを女王とするインヴィディア烈王国は自然主義であり、ネフェルを皇帝とするスペルビア帝国は機械主義。
それ故に、巨神獣兵器や戦艦の設計思想も真逆であり、太古より犬猿の仲で戦争を度々起こしていた。




その中で、スペルビア帝国がスペルビアの巨神獣の寿命が近づきつつあるという領土問題を抱えるようになり、インヴィディア烈王国もさらなる資源を求め始め、これらの問題を解決できる別の巨神獣・グーラを巡って、本編より10年前に「グーラ争奪戦」が勃発。
この戦いに勝利したのはスペルビア帝国であり、グーラを植民地とすることに成功した。

但し、この戦いが終わってもなお、太古よりの思想の違いによる対立は続いており、アーケディア法王庁の仲裁によりテンペランティアを停戦境界とし、両国は緊張状態が続いている。
この問題に関しては『2』本編内で解決することはなく、明確な対立状態のままエンディングを迎えている。

太古からの犬猿の仲はそう簡単には変化することはない。
インヴィディア烈王国はセーヴィント宮殿広場、スペルビア帝国は皇宮ハーダシャルの警備が厳重。
インヴィディア烈王国にのみ存在するサフロージュの樹について、『2』DLCでファーレン水域に現れた『クロス』のエルマは「あの人(英雄)が愛した国の花、桜(さくら)」と述べていた。


また、インヴィディア烈王国のカラム劇場は、トリニティ・プロセッサーのプネウマがアデルと同調し「ヒカリ」としてこの世に誕生し、アデルが対メツのため抵抗軍を決起した場所。
レックスの場合もまた、ヴァンダムを失った際にこの場所でヒカリが500年の眠りから目覚めている。
『2』『3』のメインビジュアルにインヴィディアの巨神獣が映っているのはこういった意味があるからだろう。


『3』のアイオニオンにおいて、インヴィディアの巨神獣はペンテラス地方の「インヴィディア坑道」「インヴィディア山道」に。サフロージュの樹はアイオニオンの様々な地域で目撃される。






スペルビアの巨神獣はケヴェスキャッスル地方の「シウェラ浮遊岩礁地帯」そのものとなっており、『新たなる未来』の時点では五体満足だったが、『3』本編の時期には消滅現象の進行によるものか体の大部分が消滅したり浮遊岩礁になっている。
因みに「シウェラ」とは巨神界のエルト海の「シウェラート灯台」の名から来ており、浮遊岩礁もその場所を意識している。


グーラ領
500年前の時点では未開の地であったが、現在では人が住む地に。
先述の通り、スペルビア帝国がグーラ争奪戦に勝利し、且つスペルビア軍がグーラ軍を退けたためにスペルビア帝国の植民地となる。
現在はトリゴの街にスペルビア駐留地が設けられており、グーラ領となっている。発掘された資源などの殆どはスペルビア帝国へ送られる。
『2』エンディング時点では、グーラがスペルビア帝国から解放されたのかどうかは不明のまま。
グーラ領の現領主はモーフだったが、レックス・トラ・ニアの件で更迭された。


また、ニアの出身地であり、ニアのドライバーだった病弱な女性の父が別の時期のグーラの領主であった。
病弱な娘を救うため父は財産を大量に使ったが救うことはできず、その女性の細胞をニアに移植しマンイーターとすることで、ニアを娘としたが、ついには父も精神的面から死亡。
なお、その領主のブレイドがビャッコであり、父の死亡時にコアに戻った後、マンイーターのニアが同調した。






『3』では「メルナス高地」「ミリク平原」「カプトコルヌ山嶺」などのアエティア地方を担っている。
メルナス高地では紅葉化が進み、カプトコルヌ山嶺は高所に位置するため積雪した。


テンペランティア
インヴィディア烈王国とスペルビア帝国の停戦境界となっている。

また、マンイーター技術が確立し自然技術を極めていた「ユーディキウム」という国が存在していたが、聖杯大戦によって亡国となり、テンペランティアの巨神獣も大戦の余波で凄まじく荒廃している。

ユーディキウムが開発した巨神獣兵器などが遺されており、スペルビア帝国やインヴィディア烈王国はこれらを発掘し、自国の戦力にしようとしている。
スペルビア帝国の開戦派・ローデリッヒ議員はグーラ争奪戦で疲弊したスペルビアの軍力を確保すべく、これを新たな戦力としようとしていたが、シンによって利用されてしまった。


『3』本編ではゲーム開始時からいきなり、テンペランティアで構成された「不治ヶ原」が舞台となる。戦場は不治。


アーケディア法王庁
強い政治力や、巨神獣兵器などの高い軍事力を持つ宗教国家。
それ故、犬猿の仲で戦争を度々起こしているインヴィディア烈王国とスペルビア帝国の仲裁を担っている。
350年前(聖杯大戦後)に交わされた「オーシリス条約」では戦時にあたっては不介入とされていたが、本編でのテンペランティアでの2国の交戦に関しては天の聖杯の目覚め、及び自身が目覚めさせたメツのいる秘密結社イーラが関与していることから、特例で介入していた。


ユーディキウムをルーツとして生まれた国であるためマンイーター技術には長けていると共に、マンイーター技術を独占すべく、自国以外でマンイーターが確認された場合は「人喰いブレイド」と称して確保・殺害しようとしている。
またユーディキウムは、旧世界の統合政府軍と反政府軍の戦争で用いられたデバイスのうちタイタン・デバイスをサルベージしており、これを基に巨神獣兵器をはじめとした様々な兵器技術を確立している。




500年前(『黄金の国イーラ』)の時点で科学者スタニフがアルストの「命の記憶の循環」機能のうち、ブレイドと巨神獣の循環関係を発見している他、マンイーター技術をより発展させた「ブレイドイーター」技術をも確立させた。この技術はアーケディア法王庁以外には存在しない。


加えて、教会には「増幅塔」と呼ばれる、マルベーニの取り込んだカスミの力やマスターブレイドの力の範囲を拡大する4本の塔のような設備が備わっている。


500年前のアーケディア法王は第107代ラダリアだったが聖杯大戦後に毒殺され、以降の法王は第108代マルベーニとなる。


また、500年前にマルベーニが助祭枢機卿に命ぜられた時点から、難民の受け入れを積極的に行うようになった。特に近年は、スペルビア帝国のグーラ植民地化があったためにグーラ人の難民が非常に多い。
これは、マルベーニが「人が如何に「業」に包まれた存在か」を忘れないようにするための戒めとしている他、500年前の時点ではブレイドイーター技術確立のための実験台として用いられた。




「天の聖杯」という呼び方は、メツがアーケディアに代々伝わる神の啓示を示す杯「天の聖杯」を破壊し、神の使いたる自身達(トリニティ・プロセッサー)をそう呼べとしたことによる。


アルストで良くも悪くも多大な影響を及ぼしていたアーケディア法王庁だが、世界樹(第1タワー・ラダマンティス)での秘密結社イーラの兵器・マルサネスとの戦いで壊滅した。
難民達がどうなったのか、その後のアルストにどのような影響を及ぼしたのかは不明。
ルクスリア王国
世間から隔離された鎖国国家。
500年前の聖杯大戦の後、イーラ国王の弟であった反アデル派のゼッタはヒカリによって沈められたイーラの巨神獣を離れ、アーケディア法王庁に身を寄せマルベーニと結託。

そして、イーラの民がルクスリアの巨神獣(ゲンブ)を発見した。
イーラ王国の信仰通りにいずれ世界そのものとなるブレイドや巨神獣を尊敬し共存を目指すアデル派と、あくまでブレイドや巨神獣は人間の道具であるという反アデル派が対立。
対立の中で、大戦中にヒカリが使役していたサーペント・デバイスの制御コア「サンクトス・チェイン」を偶然入手したゼッタ率いる反アデル派が、「自分達が英雄アデルの子孫である」という偽りによって信用を得ることでルクスリア王国を興した。


聖杯大戦を二度と起こさぬようサーペント・デバイスをサンクトス・チェインで制御し「世界樹に何人たりとも近づけるな」という命を与えて世界樹周辺の雲海に大空洞を作らせると共に、偽りが世間に知られることを恐れ、雲海深くに身を隠す、即ち「鎖国」を実施した。


しかし、反アデル派が実権を握ったルクスリア王国は、結託していた法王マルベーニに「お前たちがアデルの子孫であるという偽りを公表する」と脅迫され、国を守るためマルベーニの理不尽な要求に応じることになる。
それは、「ルクスリアの巨神獣から得られるコアチップ(ブレイドの武器強化チップ及び国のエネルギー政策に用いられる)を毎年一定量献納すること」であり、アーケディア法王庁の武力拡大を目的としたものであった。
要求された量は巨神獣がコアチップを自然に生成し採取できる量を遥かに超えていたため、ルクスリアの巨神獣から必要以上のコアチップを採取することになる。




そうした結果、ルクスリアの巨神獣のエーテル流が弱まり、体温が低下したことでルクスリアは年中極寒に包まれることになった上、ルクスリア自体がコアチップ不足に陥り国力が低下。
それによって打撃を受けたのがルクスリア国民達であり、極寒地帯であるが故に作物も満足に育たず、民の暮らしは貧困の一途を辿るどころか、闇市まで開かれる始末となった。


さらに、神の意志である天の聖杯ホムラが目覚めたことで、不全状態のメツとは違い世界樹から神へ導く力が再び現れたため、マルベーニは世界樹へ登り神に会うべく、サーペント・デバイスに与えられた命令を解除するためルクスリアにサンクトス・チェインを差し出すよう脅迫する。これはレックスと出会ったゼーリッヒにより拒否されることとなった。


ゼッタの子孫であり現国王ゼーリッヒの息子であるジークは、ルクスリアが今のままではいけないと察知し、他の国々の旅を続けていた。

レックス達が天の聖杯・第3の剣を探しに向かうと決めたと同時に、ゼーリッヒもまた民の生活を守る決意を固め、この国の鎖国を解除した。
しかし、鎖国を解除し英雄アデル伝説が偽りとなったルクスリア王国が他国からどのような扱いを受ける事になったのかは不明。
『3』本編のアイオニオンでルクスリアの姿は全くない。
それもそのはず、ルクスリアの大部分は『新たなる未来』のセントムニア地方にあり、そこはオリジンの落下と共に中央大海の藻屑となっている。




リベラリタス島嶼群
他国のように1つの巨神獣だけでなく、多くの巨神獣と雲海道が接続されることで成り立っている。
500年前の聖杯大戦の後、英雄アデル・オルドーが制御し切れなかった天の聖杯の力を2つに分けて封印する目的のうち、「天の聖杯・第・第3の剣」(トリニティ・プロセッサーの真の武器)を封印するに至った場所で、封印場所となった王家の墓の場所に「イヤサキ村」を作り、墓所内部はブレイドの能力を低下させる特殊な力を帯びた「エルピス霊洞」となった。
もう1つの封印は、ホムラをイーラ製の古代船への封印となっている。
この辺りは、クラウスの半身にして巨神の魂であるザンザが、肉体と魂をそれぞれ監獄塔(エルト海)、オセの塔(ヴァラク雪山)に分けて封印された経緯と似ており、ザンザの場合は魂はトリニティ・プロセッサーの武器であるモナドに封印されていた。




エルピス霊洞内部には「アデルの封印」という特殊な封印が設けられている。
この紋章についてシン達は「リベラリタス島嶼群出身の者のみ解除できる」と認識していたようであるが、リベラリタス出身でないレックスが解除できているため、恐らく正確には「イヤサキ村を作ったアデル一族とリベラリタスの住人」が解除できるものと思われる。これはホムラを封印した古代船のアデルの封印も同様。






天の聖杯・第3の剣を守るためイヤサキ村を作った英雄アデルは、知り合いであった巨神獣・セイリュウに村の守護を任せる。イヤサキ村は後に「英雄の村」とも呼ばれるようになる。
アデルはホムラに「封印は永劫のものではなく、封印が解かれる時こそ人とブレイドの本当の絆が証明される」と告げて古代船に封印した後、身重の妻と共に世界のどこかで隠居生活を送った模様。但し、アデルは自分が世から身を隠した後の世界の情勢をある程度予測していたという。
つまり聖杯大戦にて、イーラの王子という立場であるが故にヒカリ抱く恐怖をはじめとした全てを受け入れることができず、天の聖杯・第3の剣を制御できなかった、即ち人とブレイドの真の絆を証明できなかった自身は表舞台に立つことは許されず、後に現れる”誰か“に自身の想いを託し、イヤサキ村を作ったりホムラを封印したということになる。
ザンザという存在を恐れ永劫の封印をしようとしていた巨神界と、人とブレイドの絆の証明がいつの日か必ず証明されるための試練(希望)であり封印は永劫ではないとしていたアルスト。この2つはまさに対照的。








レックスの育った故郷であるが、レックスの生まれた場所ではない。
レックスと両親は別の国からリベラリタスへ流れ着いている。


レックスの容姿(『3』『新たなる未来』含む)や瞳の色等から恐らくアデルの子孫であり、アデルが隠居していた国から流れ着いたと見るべきだが、公式がレックスとアデルの血縁関係について全く明らかにしていないので現状不明。
仮にレックスがアデルの子孫である場合、アデルの父であるイーラ国王はゼッタを弟に持つため、ゼッタの子孫であるジークはレックスと遠い親戚関係にあることになる。


レックスがホムラ・ヒカリの全てを受け入れることができたのは、イーラの王子という立場だったアデルと異なり、「自由」の身であったからだろう。自由に生きるというその姿は”誰か“に影響を及ぼしていたり、未来で語られている。






『3』ではカデンシア地方の「大剣の麓」「エルティア海」にリベラリタス島嶼群の巨神獣が幾らか見られる。
エルピス霊洞の洞窟や遺跡も「邪念の空洞」「各石柱遺跡(最下層大列柱室)」「英霊の遺跡(英霊の間)」としてエルティア海各地に散らばっている。










イーラ王国
500年前まで存在した、古王国。
シンが至宝とされた国であり、ユーディキウムとは双璧を成し高い技術を有する。ユーディキウムが自然技術を極めた一方、イーラ王国は科学技術を極めていた。
人とブレイド、ブレイドと巨神獣の関係を尊重していた。




聖杯大戦時にヒカリによってユーディキウムらと共にイーラをはじめとした3つ巨神獣が沈められ、イーラの巨神獣の亡骸はモルスの地で確認できる。
モルスの地に落ちた後、巨神獣になる過程で死亡したブレイドの姿がある他、クラウスのアルスト創成前に生き残っていた人間達が、コアクリスタルを用いて永遠の命を求めた果て(人の業の結晶)となった「グルドゥ」系モンスター達の棲み処となっている。


イーラ国王の弟が反アデル派の筆頭・ゼッタ。
王子アデルはイーラ国王の妾腹。


『3』ではフォーニス地方に「ダナ砂漠」が存在していた。
イーラの巨神獣が落ちた先のモルスの地は、巨神界のマクナ原生林に侵食された「モルクナ大森林」となっており、インヴィディア山道やコンティ大瀑布にも建物の数々が入り込んでいる。




人工ブレイド
トラ一家が造り上げた、「エーテル炉」と呼ばれる「無からエーテルを生成する」という規格外のエネルギー機関によって活動できる、人工のブレイド。

コアクリスタルから誕生したブレイドでもないため、ブレイドや巨神獣の能力を抑制させる効果も全く受けず、「命の記憶の循環」機能の外に存在する。
作中で登場した人工ブレイドはハナ(各種形態)、キク、サクラ(各種)、ブレイド・ボットの4種類。




ブレイド・ボットは秘密結社イーラが、カスミのブレイド抑制能力をブレイドイーター技術で取り込んだマルベーニに対抗するため、アヴァリティア商会のバーン会長と契約してスペルビア帝国の廃工場で量産製造していた。
エーテル炉技術がなければ、レックス一行も秘密結社イーラも、間違いなくマルベーニに敗北していた。(前者はルクスリアでホムラ・ヒカリを救出できなかった。さらに両者共にアーケディアの増幅塔を攻略不可能であった)



『3』DLCでは、マスターゴゼンゾーなるノポンに開発された「イノ」が新たに登場した。
最後にして最強の人工ブレイドであり、ノポンの守護者とされる。


『2』DLCに登場したシュルク、フィオルン、エルマがブレイドの能力を弱体化させるエルピス霊洞の制限を受けないのは、人工ブレイドと同じくコアクリスタル由来の生命体ではないことによる。(シュルクとフィオルンは人間、エルマは異星人)


マンイーター
人とブレイドのさらなる可能性を模索し自然技術を極めていたテンペランティアのユーディキウム国は、人の細胞をブレイドに移植することで「マンイーター」技術を確立した。
そのため、ユーディキウムはマンイーター発祥の地と呼ばれている。


ドライバーがいなくても力を完全に発揮可能となり、人の細胞を持つためにブレイドとの同調も可能になる。


さらに、マンイーターとなったブレイドはコアクリスタルに桃色が混じり、特異な能力を開花させる。



が、マンイーターが完成する確率は極端に低く、失敗作となった場合はブレイドとしての寿命を失う。
ただ、ブレイドの命が尽きて巨神獣へと変化するという本来の循環機能があるため、ブレイド(として)の寿命は無限のように見えるがそうではない。




マンイーター技術はユーディキウムの他の国でも一部だが流通しているが、ユーディキウム亡き後はその国をルーツとしたアーケディア法王庁がマンイーター技術を独占すべく、マンイーターのブレイドを「人喰いブレイド」と称して捕縛しようとしていた。ヨシツネやベンケイ、ニアがその例である。


シンの場合、ラウラの心臓そのものを自分の心臓としているが、ラウラ自身が望んでいないため拒絶反応を起こす。コアクリスタルは血のように真っ赤に染まっている。
ミノチはブレイドの寿命を失ったため、自身を失敗作と自覚している。500年後では凄まじく老化していた。


クラウスの最後の手向けによってアルストの「命の記憶の循環」機能に変更が加えられた後でも、『3』でニアは容姿を保って存命していた。
やや成長しているようであり、アイオニオンの長い年月の中でブレイドとしての寿命の幾らかを経た模様。


ブレイドイーター
500年前の『黄金の国イーラ』の時代に、科学者スタニフが完成させた、マンイーター技術を発展させた新技術。
マンイーターとは逆に、人間にブレイドのコアクリスタルを取り込ませる。
元は人間の脳細胞の代わりであり全生物の情報を宿すコアクリスタルの一部を人間に移植することで、マンイーターよりも遥かに強い力を持つといわれる。
そのコアクリスタルの強い生命情報から、瀕死の重傷に陥った人間に移植することで治療という目的で使用することも可能。

ブレイドイーターの改造を施されたブレイドが死亡した場合、その肉体はコアに戻らず維持される。
ドライバーにコアクリスタルの一部が移植された時点で、ブレイドの生命情報はドライバーとブレイドの双方に分割されている模様。

完成当初は化け物のような様相のブレイドイーターが量産されていた。
また、聖杯大戦の後にアデルの抵抗軍がいるスペランザを襲撃した際に、ラウラが命を落としたことでカスミはコアクリスタルに戻る。
カスミのブレイド・巨神獣抑制能力を求めた彼は、彼女のコアクリスタルを確実に取り込んでブレイドイーターとなるべく、サタヒコをはじめとした多くの難民を実験台とした。


マルベーニと違いコア1つを移植されているだけのブレイドイーターであるサタヒコを見ると、500年前の時点から青年に成長するだけとなっている。(サタヒコが難民として拾われて実験を受けたのは聖杯大戦後まもなく)
普通のブレイドイーターそのものの寿命も延びているようであるが、ジークはどうなのだろうか。
「神の言葉」に等しい類稀な情報を持つコアクリスタルを取り込み続けたマルベーニは「神鎧マルベーニ」となる。
ブレイドイーターの完成形といってもよく、神の言葉全てを鎧という形で我が物とした姿ともいえる。

神の言葉を己が手中に収めるために多くの犠牲を経て生まれた技術といえるが、ただ1回だけ、人の良心によってマルベーニが人命を救う目的で用いたケースがある。
それが、行き倒れたジークを過去に母を失った自分と照らし合わせて善意で救った時だった。
そのジークは『2』エンディング後も生存している。人の姿によって施術されたブレイドイーターが1人だけ、次代に生きることになった。


カスミとファン・レ・ノルン
カスミはラウラと同調したブレイドであり、その容姿はドライバーであるラウラと瓜二つ。
ドライバーの因子が色濃く出るのは珍しいケースであるとのこと。コアクリスタルとなったブレイドは以前と同じ姿で再び同調によって誕生するため、カスミは巨神獣から生成されたコアクリスタルが初めて同調し、その際の同調相手がラウラであったと思われる。
500年前の聖杯大戦の後、アーケディアの第108法王となったマルベーニの手により、ラウラ達がアデルの助言で辿り着いたスペランザが襲撃され、ラウラは絶命。
その際、カスミはコアクリスタルへと戻り、アーケディア法王庁に回収される。
聖杯大戦の直前にラウラやシン達に「マルベーニのブレイドにはなりたくない」と意志を示していたカスミは、マルベーニが同調したことで彼のブレイドとして再誕生。


しかし、マルベーニが求めていたのはカスミのブレイド・巨神獣抑制能力であり、様々な難民を実験台にして完成させたブレイドイーター技術をカスミに対して行い、彼女のコアクリスタルの半分を奪い取り、自らに移植。
奪われたコアの情報の中にはカスミの名が含まれていたため、彼女は自身の名を失い、アーケディアの女神「ファン・レ・ノルン」と名乗るようになった。

レックス達がリベラリタス島嶼群を経由しアーケディア法王庁を目指す中、シンはテンペランティアのユーディキウムが遺した巨神獣兵器を利用し、インヴィディア烈王国・スペルビア帝国・アーケディア法王庁を巻き込ませることで、対アーケディア用の古王国イーラ最後の兵器・マルサネスの完成や、バーン会長から受け取った量産型人工ブレイド「ブレイド・ボット」の調整の時間を稼ごうとする。

スペルビアでカスミが現れたとの報告をベンケイとサタヒコから受けたシンは確信していたのだろう。
インヴィディア烈王国とスペルビア帝国を戦争に導けば、仲裁役を担っているアーケディア法王庁が現れ、両国や自身の操る巨神獣兵器を抑制するため、カスミことファン・レ・ノルンが現れざるを得ないことを。
そしてシンは、レックス達と共に自身の前に現れたカスミを刺殺。
「絶対にマルベーニのブレイドになりたくない」、そう告げていたカスミのかつての願いを叶えるため、彼女をマルベーニの軛から解き放った。
しかしその直後、彼女の姿をラウラと重ねる。ラウラのブレイドであり自分の仲間であった彼女を殺すことが辛くないわけがない。




雨の中でシンと出会ったメツの言葉
500年前の聖杯大戦の後、マンイーターとなったシンは廃人同然のような存在となった。


ラウラの心臓を取り込んでラウラと共に在り続けることは叶ったが、シンはラウラの「絆が消えるのが寂しい」という呪いともいえる言葉の呪縛により、自らの命を自身で経つことができなくなったうえ、ラウラのために生きているのか、自分のために生きているのか、その存在意義を見出せなくなり、廃人と化した。


その状態の中で、聖杯大戦でコアを損傷しながらも長い時間をかけて復活を果たしたメツに発見される。
絶望に囚われたシンの目を見たメツは、「同じ(存在意義を見出せない)絶望を持つ者」として自分の名を語ると共に、「お前と同じさ」と彼に手を差し伸べた。
彼らは「秘密結社イーラ」を作り上げると共に、人と世界と神を滅ぼす目的を実現しようとするが、ラウラ(の心臓)はそののシンの考えを拒絶している。


シンは自分を絶望の底から拾い上げ道を示してくれたメツに、彼の願い(=本当の自分を探す目的)を叶えるため、自らの命をメツに繋げていった。
それはレックスの答えである、別の”誰か”に想いを託すということそのもの。




メツについても、最終決戦でレックス達との戦いにより、メレフの言葉通り、最後に己が存在意義を感じ取ることができた。
自分は「ドライバーであるマルベーニのために存在していた」「それも悪くない」と。
『黄金の国イーラ』での王都でのアデル達との初戦で、アデルに人とブレイドの絆の力を捨てたと告げられたが、メツはマルベーニのために存在し続けていたのである。




シンが探し続けていた人とドライバーの関係、自身とラウラ、そしてレックスとホムラ・ヒカリ。彼らだけでなくメツにも確かに同じものはあった。
そうして己の存在意義を見つけられたメツは、いずれ現れるマルベーニやシンのような絶望を持つ次代の”誰か”に手を差し伸べ共に歩むべく、アルストをホムラ・ヒカリと共に救う。


クラウスとメツの会話
最終話、第一低軌道ステーション・ラダマンティスでのクラウスとメツの会話。
メツがデバイスを全部貰ってアルストを攻撃し世界を消滅させると示した際、クラウスの「それがお前の役目と思うなら好きにしろ」という言葉に対し、メツは「それは俺の意志か?」と尋ねている。

メツは、マルベーニの絶望を受けてこの世に誕生したトリニティ・プロセッサーであるが、自分をこの世に誕生させてくれたマルベーニの願いを叶えるために生きているのか、或いは同じく存在意義を見出せないシンのために生きているのか、「自分は誰のために生きているのか」と、シンと同じく自身の存在意義を見出せないまま苦しみ続けていた。


そんな彼に、クラウスはこう答えた。
世界の消滅を望むのは「お前達の意志だ」と。

世界再生のためアルストを作り上げ、世界の今までの全ての情報を知るクラウス。
人の業を見続け、かつての自分と瓜二つのマルベーニという存在までも生んでしまうこの世界を、「かつての自分達から何ひとつとして変わっていない」という結論を出す。それはメツもマルベーニも同じだった。



メツをこの世に生誕させたドライバーはマルベーニ。
メツは、マルベーニが幼少の頃から抱き続けてきた世界への絶望、業を受けて誕生している。
しかし、マルベーニの絶望はこの世界の人の業によって生まれたものであり、その業の連鎖は過去から今まで延々と続いている。


したがって、メツが世界を消滅させようとしている行動は、マルベーニの意志(絶望)だけでなく、彼が絶望するに至ったこの世界に生きる全ての人間達の意志といえる。
つまり、クラウスの言った「お前達」とは「この世界の業を抱く全ての人間達」を指す。
この世界の人間達は内面で理解している。生きている自分達は様々な戦いの中で人の犠牲の上に立っていて残酷で醜いと。そして心の弱さから恐怖を抱いて「こんな酷い世界は、消えてしまえばいい」と望んでいるとも。








この世に生まれたメツもアルストの人間を観察し続け、心のどこかで「人類は消滅したがっている」と思い続けていた。
だからこそ、「人間は死にたがり」「こいつら(人間達)を消し去るために、神の意志によりこの世界に降誕した」と述べていた。
マルベーニの絶望、人間達の絶望によって。








そんなメツに答えを出した者がいる。
「それでも、前へ進め!」と。


クラウスがレックス達に見せた幻影
第一低軌道ステーション・ラダマンティス内の旧世界の人間の居住区(荒廃した楽園)を突破した直後、レックス達はクラウスに、自分が抱いている恐怖を具現化した幻影を見せつけられている。
クラウスは、人間達が抱いている恐怖(人の内面)を「もう1人の自分」とし、この世界に立っている人間(人の外面)を「今のお前達」と称した。


このクラウスが見せた人の内面、即ち恐怖は誰にでもあるもの。
クラウスさえにも存在し、それは相転移実験を行うに至らせた。
これは『3』へ繋がる重要な要素となっており、人が内に抱く恐怖とは、『3』でオリジンを静止させたメビウスそのものを指す。
クラウスが見せた幻影の中でレックスが、仲間達に「レックスや仲間達の存在意義」を指摘・失望されることの恐怖を自分自身で抱いており、俗世から隔離されたリベラリタス島嶼群でホムラ・ヒカリとの平穏な生活に逃げる姿を心の中で求めているように、世界の人間は巨神界とアルストの交わりの日が近づくにつれ2つの世界の人間達が「世界は本当にオリジンで再生されるのか。失敗して消滅してしまうのではないか」という恐怖を抱いた結果、それは世界の時間をも停止させ「消滅など訪れる事のない永遠の今」を求め、全人類の恐怖はメビウスという形となって実現した。
幻影の中でレックスがホムラ・ヒカリとのやり取りで逃げたことである種の救いを感じたように、メビウス(全人類の恐怖)にとって「永遠の今(アイオニオン)」への逃避は救いなのである。






実際には衝突は少しずつ進行しており、それはアイオニオンで消滅現象となって表れていた。つまり、メビウスが静止しても世界は緩やかに消滅への道を辿っている。
それでもメビウスにとっては消滅していない今こそが永遠であり、今消滅していなければそれで良く、それが救いである。つまり、前へ進む、未来を歩む事に目を背けている。




クラウスがメツと会話し、レックス達に幻影を見せてその姿を読み取った時点では、「人はこれだけの時を経ても何一つ変わらない」「この先でも人は恐怖に撃ち負けてしまう」「世界を前へ進めることはできず、恐怖に囚われた今に居続け、旧世界の人間達、かつての自分やマルベーニと同じように、人の業によって絶望や孤独が蔓延る世界となりいずれその世界は消え去ってしまう」と感じ絶望したのだろう。




しかし、レックス達と対面し会話していった結果、彼は絶望から解放される。「自分に打ち勝ち、世界を未来へ前へ進めることのできる者」が現れたのだから。

恐らくクラウスはこの時点で予見していたのではないか。
世界の人間達が恐怖を抱き、前へ進んで変わろうとすることを諦め、自分達旧世界の人間やマルベーニのように絶望に囚われる日が再び来るのではないかと。
それを吹き飛ばしたのがレックス達であり、クラウスもレックスの答えのように「この世界やその先で生まれる”誰か“」にこの世界の未来を託し、ゲートと共に消えていった。

クラウスがそう確信した時点で既に決まっていた。
レックス達のような者達、そして彼らの意志を受け継ぐ次代の”誰か“がいる限り、世界は永遠の今を求める恐怖を乗り越えることができると。


レックスの答え、その経緯
ルクスリア王国でマンイーターの力を解放したシンに敗北したレックスは、ルクスリア王ゼーリッヒとセイリュウの導きで、アデルがエルピス霊洞に封印した「天の聖杯・第3の剣」を探し求めに行く。
エルピス霊洞の最深部「英霊の間」にてアデルの幻影と戦う中で、レックスは第3の剣と共に封印されていたアデルの魂を、ホムラ・ヒカリの楽園の記憶(トリニティ・プロセッサーがアオイドスで育成されていた際の第一低軌道ステーション・ラダマンティスの居住区の記憶)空間に誘う。
アデルは、ヒカリと真の絆を結ぶ資格を持っていなかったため、この記憶空間に訪れることはできなかった。
レックスとの共鳴により、死後になって初めてこの居住区(楽園)の記憶に触れることが叶った。
レックスこそがホムラ・ヒカリの真のドライバーになれることを確信したアデルの魂は、彼に2つの助言をする。
1つ目は、「ホムラ・ヒカリは、強すぎるために力を持つため誰かを不幸にすることに恐怖を抱いている」。ヒカリは聖杯大戦でアルストに多大に被害を及ぼし、特にミルトを失った際にそれを強く自覚してしまった。


アデルのこの助言により、レックスはモルスの地のゲトリクス神託跡地にてホムラ・ヒカリの全てを受け入れ、アデルのブレイドとして存在した彼女らと本来はあり得ない「再同調」を初めて発生させ、彼女達の真のドライバーとなると共に、プネウマの力を覚醒させた。






2つ目は、「自分ひとりにできることは限られている。自分のできることをすればいい」。
これは、この世界で絶望するシンやメツ、クラウス、そして遥か未来で生まれる次の世代に対する「答え」の基となっている。
そうしてレックスが導き出した答えは「想いや記憶を今後現れる”誰か”が必ず受け継いでくれる。そうして自分達は世界を前へと進めることができる」というもの。





これらの助言、答えは『2』だけでなく、『3』『新たなる未来』でもしっかり受け継がれている。

1つ目については『新たなる未来』でカギロイに対し、レックスが当時プネウマを覚醒させた際の決意を、同じ場所であるゲトリクス神託跡地で語っている。


2つ目に関しては、『3』ではオリジンとの最終決戦時、ニアが「未来に”あんた達“がいると信じて、若者はこれまで最初の一歩を踏み出す恐怖を乗り越えて世界を前へと進めてきた」と述べている。




また、『新たなる未来』においても、アルファ撃破後にシュルク・レックス・エイがオリジンの支えとなる際、これを「犠牲」と捉え且つケヴェス・アグヌスの兵士であった自分達の寿命の短さを嘆くカギロイとニコルに対し、「“誰か”に託せばいい。そうして自分達は進んできた」と述べており、その後メビウス・エヌの「お前たち命はメビウスに比べ遥かに短い。メビウスの手から世界を解放などできはしない」という言葉に対しマシューが「だったらそれをやるのは(俺達の意志を継ぐ次代の)”誰か“だ」と述べた。






そして、そのシュルクやレックス達に託された想いを受け継いだ未来の”誰か“が、メビウスを倒し世界を解放へと導き、前へ進めた。




誰のためでもない。
自分が戦うことで、誰かが、皆が笑ってくれるなら。
レックスはそれを自分の役目、存在意義だと確信した。そしてそれは遥かな未来でも。


余談
アイオニオンでのトリニティ・プロセッサー
アイオニオンで異なる者達の下にあったトリニティ・プロセッサーの3基。
彼らがどのような想いでその者達に力を貸していたのかを考えてみる。
トリニティ・プロセッサーの呼称については、資料集「アイオニオン・モーメント」のインタビューページの表記、及びこの世に生誕した姿・存在を尊重して「ホムラ・ヒカリ」「メツ」「アルファ」「エイ」と表記。
ホムラ・ヒカリ
世界に絶望したマルベーニが神の言葉として持ち帰った2基のトリニティ・プロセッサーの内の1基・プネウマが、インヴィディア烈王国のカラム劇場にてイーラ王国の英雄・アデルと同調したことで、この世に「ヒカリ」として誕生した。
聖杯大戦後、自身の力の大きさとミルトを失った恐怖で「ホムラ」の人格を生み出す。
レックスの正式なブレイドとなったのは、ゲトリクス神託跡地でのシン・メツとの真剣勝負の最中で、彼女達の恐怖を含めた全てを受け入れ真の絆を作り出した時。
クラウスの最後の手向けの後、ホムラとヒカリの2人が別々の肉体を持ってこの世に復活した。


アイオニオンでは、マシューのブレイド「ウロボロスナックル(終の拳)」に宿っていたホムラ・ヒカリ。
マシューのブレイドは、かつてウロボロスパワーを極めようとしていた祖父・ゴンドウから受け継いだもの。(ちなみのそのゴンドウはメビウスになる前のノア、ミオとの間に産まれた息子であり、彼らもまたウロボロス・ストーンとウロボロスパワーを研究していた)


ゴンドウや彼の両親であるノア(エヌ)、ミオ(エム)は、アイオニオンをメビウスの支配から解放し、世界をあるべき姿へ戻すことを目的としていた。
それは即ち、「自身の想いを次の世代の”誰か”に託し、世界を前へ進める」というレックスの答えそのものであるため、ホムラとヒカリは自分の全てを受け入れ伴侶となった彼の意志を受け継ぐ”誰か”に、自身の力、即ちウロボロスパワーを与えていたと考えるべき。


後述のメツはウロボロスパワー及びそれを持つウロボロス・ストーンを研究していたノア(エヌ)の傍に居続けていたため、ウロボロスパワーの原点はホムラ・ヒカリにあると推察される。
ウロボロスパワーのエネルギーが翠玉色であるという点や、ウロボロスはコアが破壊されない限り再生可能という点がアルストのブレイド、即ちマスターブレイドとして設定されたホムラ・ヒカリが管理していた対象と似ている点もそうだろう。


自分達のウロボロスパワーを未来の”誰か“に託すため、同じレックスの伴侶であるアグヌスの女王・ニアにウロボロスパワーを解放する装置、即ちウロボロス・ストーンの生成権限を与えたものと考えられる。


ウロボロスパワーには、旧世界でアオイドスの仮想空間にて育成されていた際に、地球にやってきた異星人・エルマが齎した情報のうち、アレス及びゴーストのデータを用いていると推察される。(ケヴェス主導時のウロボロスはゴースト寄り、アグヌス主導時のウロボロスはオリジナルアレス寄り。いずれもダークマターの意匠を含む)




また、デバイスのスレイブ・ジェネレーターによりゲートのエネルギーを受信するコアクリスタル部分がどのモデルにおいてもホムラ・ヒカリ(プネウマ)と同じ翠玉色であるのは、ゴーストやオリジナルアレスの容姿と酷似するウロボロスの原点がホムラ・ヒカリにあるように、デバイス設計の過程でゴーストの機関を参考にスレイブ・ジェネレーターを採用したトリニティ・プロセッサーがプネウマ(ホムラ・ヒカリ)だからなのではないだろうか。
それにしても、ホムラ・ヒカリのいるブレイドを持つゴンドウの両親が、メツを持つノア(エヌ)、レックスの別の伴侶であるニアの娘(恐らく)なので、この3人の関係性の強さは凄まじい。
メツ
世界に絶望したマルベーニが神の言葉として持ち帰った2基のトリニティ・プロセッサーの内の1基・ロゴスが、アーケディア法王庁にてマルベーニと同調し「メツ」としてこの世に誕生した。
マルベーニの抱く「この世界の無駄なもの全ては消滅すればいい」という絶望を受け止め、彼の願いを叶えようとした。
聖杯大戦後は、存在意義を自分と同じように失ったシンと結託し「秘密結社イーラ」を立ち上げ、シンの願いを叶えようとする。
自分は誰のために存在しているのか、その存在意義に苦しみ続けたが、「自分はマルベーニのブレイド」という答えに辿り着き、満足しながら消えていった。


アイオニオンでは、ノア(エヌ)の持つブレイドに宿る。
メビウスとなる前のノアはミオと共にウロボロスパワーを研究し、メビウスを倒して世界を解放しようとしていた。
しかし、自身の愛していたミオをゼットに人質にされたノアは、ミオが消滅することを拒み、ミオと永遠に存在し続ける選択を余儀なくされ、ミオと共にメビウスとなる。(メビウスとなる前から既に、愛するミオを離したくないという片鱗は見せていた)


ホムラ・ヒカリと同じく世界をメビウスから解放するために、それを目的としたノア(エヌ)の願いを叶えるため、彼のブレイドとして宿っていたと思われる。
ノア(エヌ)がメビウスとなって強い絶望を抱き、以前とは真逆の「永遠の今を維持する」ことを目的としても、メツはマルベーニやシンと同じように、彼の願いをひたすら叶え続けようとしていた。


アグヌスキャッスルでのミオとエムの一件以降、ミオ(エム)を失ったノア(エヌ)は、ミオを奪い取ろうとする。
この行動は、マルベーニがジークに述べた「人は己が欲するものを手に入れられないと知った時、それを奪おうとする」という人の心の弱さそのものを象徴している。
こういった面からも、メツはエヌをマルベーニと重ね、「弱い心と強い願いを持つ者」に力を貸しているのだろう。
『3』で改めて、マルベーニという存在がレックスとは別の意味で如何に大きなものであったかが証明されている。







アルファ


ウーシアがクラウスの後悔の念を受けてこの世に誕生した「アルヴィース」が、裁定者として必要な意見を収集できなくなり良心さえも切り離された成れの果ての「冷徹な機械」となった姿。
旧世界では他2期のトリニティ・プロセッサー「プネウマ」「ロゴス」を意見としていたが、クラウスの相転移実験失敗による時空転移現象発生後は巨神界へ飛ばされ、クラウスの後悔の念を2基の代用にして「アルヴィース」としてこの世に誕生した。
また、オリジンはこのウーシアをコアとして構築しているため、ウーシアがオリジン、アイオニオンの頂点に位置する。
アルヴィースが巨神界を管理していたこと、ホムラ・ヒカリ・メツがアルスト(「命の記憶の循環」機能)を管理していたこととほぼ同様であり、アルファがビジョンモード、エイがビジョンを用いることができるのも過去の2つの世界と同様に、アイオニオンはザンザ消滅前の巨神界・クラウスの最期の手向けが行われる前のアルストと同様にトリニティ・プロセッサーを頂点とする世界であるために自身の機能で予測計算が可能であると考えられる。
冷徹な機械となったウーシアは、世界がこのような醜い姿になったのはオリジンに記録された2つの世界の人間(古き者)に問題があると考え、古き者を全て斬り捨て、オリジンには本来存在しない新たなる存在・シティーの人々だけを連れて、オリジンによって作られる新世界へ旅立とうとするが、想いは違えど2つの世界の存在を捨て去ることを拒むシュルク・レックス・ゼットが立ちはだかる。


彼らとの戦いの後、古き者達の恐怖・絶望によって作られたこの世界に絶望したナエルを依り代とすることで、彼女のコアクリスタル情報から自身の傷ついたコアクリスタルを修復すると共に、彼女の絶望からさらに強い力を得て、古き者が存在しない新世界へ誘おうとした。
ゴンドウのウロボロスパワーによってエイと切り離された瞬間から、残った冷徹な機械は「アルファ」となった。


ナエルの絶望から生まれる願いを叶えようとしているため、これは「メツ」の意志に似ているともいえる。
『新たなる未来』でのアルファの容姿は目覚めた頃のザンザと酷似しているが、これはクラウスの半身であるザンザが、クラウスの後悔の念により誕生したアルヴィースの力の一部を受けていたことによるものと考えられる。
プネウマ覚醒後のレックスの衣装がプネウマ寄りになったものと同じような感じで、これはプネウマとの同調が解除された時点で消えている。
エイ


中性的な容姿だが、資料集「アイオニオン・モーメント」では女性と記載されている。
ウーシアがプネウマ(女性人格)・ロゴス(男性人格)の間を取り持つ存在であるため、アルファが男性・エイが女性といった具合なのだろう。
旧シティーでのエヌvsウーシア(ナエル)の戦いの中でゴンドウの放つウロボロスパワーによって、アルファの枷から解放され、かつて巨神界でシュルク達と旅をしていた記憶が切り離されエイとして構築された。
その良心ともいえる記憶は、古き者を全て捨て去ろうとするアルファとは異なり、「旧世界の人々を消し去るべきではない、全ての命を救うべき」という意見を持っていた。


ゴンドウのウロボロスパワー、それ即ちホムラ・ヒカリの力、そしてゴンドウの「マシュー達に未来を託す」というレックスが次代に託して受け継がれてきた答え・意志によってアルファの枷から解放されたといえる。
マシューに力を貸していたのは、自分を解放したレックスやホムラ・ヒカリと同じ意志をマシューが持っていたからだと考えられる。
アルファが「メツ」に似た意志を持っているのであれば、エイは「ホムラ・ヒカリ」のような意志を持って生まれたのだろう。こういった面でも「2基の間を取り持つ存在」として表現されているように見える。
レックスの言う「2人」とは?


アルファ戦の中で、レックスは「せめて、”二人“がいてくれてりゃあ…」と言葉を発している。
この「二人」とは誰を指しているのか。
後のウロボロスを発現させた展開を考えれば、「プネウマ」「ロゴス」を指すと考えることもできなくはない。
しかしレックスは、プネウマは自分の伴侶となったホムラとヒカリとして、ロゴスはメツとして存在していることを知っている。


さらに、味方にトリニティ・プロセッサーの1基であるエイがいる状況の中で、「せめて」と述べている。
「せめて」とは「十分ではないながら、不満足」という意であり、プロセッサー3基(メツ、ホムラ・ヒカリ、エイ)全てをこの場に揃えて万全の状態にしようと願っているわけではないことが窺える。
となると、この時のレックスの言葉は「プロセッサーがあと1基でもあれば少しはマシに戦える」ということであり、それは自分の伴侶となったホムラとヒカリの2人(元はプロセッサー1基の「プネウマ」)であったと考えるのが正しいと思える。
そんなレックスの言葉に反応するかのように、直後エヌとマシューのブレイドに宿るメツ、ホムラ・ヒカリが反応を始める。
エイとレックスは、まさか残りのプロセッサー2基の両方がこの場に揃っているとは思いもしなかったのだろう。




ホムラ・ヒカリはともかくとして、メツさえもがレックスの言葉に反応する辺り、アルストでメツが復活した後にレックス達と何かがあったと考えられる。
しかしメツの復活の経緯含めて依然として謎のまま。