WiiU版『ゼノブレイドクロス』はある程度プレイ済みであることを前提としている。
Switchに『ゼノブレイドクロス』登場
10月29日の夜、突如として任天堂が『ゼノブレイドクロスDE』の発売を発表。
発売日は2025年3月20日。
WiiU版で登場している『ゼノブレイドクロス』が、ディフィニティブエディションとなってNintendo Switchに登場。
『ゼノブレイド2』『ゼノブレイドDE』『ゼノブレイド3』と合わせれば、現存する『ゼノブレイドシリーズ』全作がNintendo Switchに集結することになる。
最も気になるのは『1』『2』『3』との繋がり
WiiU版『ゼノブレイドクロス』の開発時には、『ゼノブレイド2』の構想を決める段階となっていたという。
また、『ゼノブレイドクロス』には監督から様々な設定が提示されたが、その多くはオミットされ、謎を多く残す形のWiiU版となっている。
つまり、監督の頭の中で当時ある程度固まっていた『2』以降の設定を反映した要素があったが、殆どが外されたうえで作り上げられたのがWiiU版『ゼノブレイドクロス』だと窺える。
『ゼノブレイド2』は『1』のアルヴィースをトリニティ・プロセッサーとして肉付けしたり、ザンザとクラウスの関係をより深く描写するなど、単なる新作ではなく数多くの新たな設定、即ち「クラウス編3部作の土台」を作り出していた。
そんな『ゼノブレイド2』の構想を決める段階と開発期間が被っていたのが『ゼノブレイドクロス』であったため、WiiU版で残された多くの謎を回収されると共に、クラウス編3部作である『1(DE)』『2』『3』の世界との繋がりも補完されるのではないだろうか。
『ゼノブレイド(DE)』との繋がり
WiiU版の『ゼノブレイドクロス』の時点で、巨神界に登場したノポンの村「サイハテ村」の名が登場する、『クロス』のレギュラーノポン「タツ」が人のことを「ホムホム」と呼ぶ、ユニークモンスターに「終焉のテレシア」が登場するなど、巨神界と関連する何かがある模様。
テレシアは、巨神界の破壊と再生の際に邪魔な生命を刈り取るためにザンザが用意したものであり、ハイエンターにその時が来たらテレシア化する因子が含まれている。
しかし、ホムスと混血が進んだハイエンターはテレシア化せず、混血率が高いメリア・エンシェントはハイエンター希望であり、『DE つながる未来』では巨神界の女王となった。
『クロス』の世界でテレシアが何故登場するのかは不明。
しかし『クロス』では、「遥か昔にテレシアや他生命体がここ(惑星ミラ)とは異なる生態系を作っていた」と語られ、『クロス』でも特に異質なデザインのキャラにして惑星ミラの先住民である「ルー」が反応している。
遥か昔に築いていた生態系とは「ザンザが神として君臨していた頃の巨神界」のことを指すのだろうが、『アート・オブ・ミラ』で明かされたルーの真の姿が悪魔のような容姿であり、巨神界とルーの関連性がいまいち分からない。ザンザの新たな使徒であったりするのだろうか。
『DE つながる未来』ではアルストのモルスの地にいた「デビルキング・グルドゥ」が、衝突しゆく2つの世界に生じる次元の亀裂を通過し「霧乃王」となって巨神界に現れたが、『クロス』の終焉のテレシアは霧乃獣ではない。つまり巨神界とアルストの衝突前は関係がないことになる。
『ゼノブレイド2』との繋がり
世界樹(ビーンストーク第1タワー・ラダマンティス)
『2』の本編とはリンクしないDLCクエストストーリーではあるが、『クロス』のエルマを世界樹へ連れていくと発生するキズナトークがある。
『1』の巨神や機神、『クロス』の白鯨よりも遥かに巨大だと語られた、世界樹(ビーンストーク第1タワー・ラダマンティス)。
また、世界樹のランドマークである「第七外郭エアポート」にもエルマが触れられている。
後述の『新たなる未来』で語られた「地球種汎移民計画」では、移民船は「ラダマンティス第一宇宙港」から出発したと語られている。
宇宙へ飛び立って行ける位置があるラダマンティスの巨大な建造物は、『2』のモルスの地や『3』のオリジンの記憶、即ち「ラダマンティス自治州」を見る限り、配備されている第1タワー・ラダマンティス、つまり世界樹以外には存在しないはずである。
オービタルリングで接続されている第一低軌道ステーション・ラダマンティスは楽園(居住区)、デバイスの格納庫、ゲート研究用のアオイドスの配備であったりする。
そのため、港という位置づけであれば低軌道ステーションより下層の世界樹部分が最も適するだろう。
そもそも、この高さにおけるエアポートは宇宙へ飛び立っていく移民船以外に用途が考えられない。
クラウスの相転移実験
『1(DE)』のクラウス戦終了直後、トリニティ・プロセッサー「ウーシア」である「アルヴィース」により、ザンザの過去が語られる中、ザンザの前身であるクラウスの実験が語られた。
これを基に『2』のストーリーが構築され、『2』ではシンとマルベーニを撃破して第一低軌道ステーション・ラダマンティスへ向かう際にクラウスが相転移実験を行うまでの経緯が描写された。
文明の進化により繁栄の極みをもたらしても、人類はただ「欲」を満たすため「業」の下で争いを続けるばかり。
反政府軍(サルワートル)は、統合政府によりオービタルリング上で管理されているマルチバースジョイント「ゲート」の明け渡しを求め、トリニティ・プロセッサーがゲート防衛のため設計したデバイス「タイタン・デバイス」(恐らく奪取したもの)を用いて、統合政府のセイレーン・デバイス部隊を攻撃し続けていた。
クラウスがゲートを用いた相転移実験を開始するその時まで、地球は統合政府と反政府軍のデバイスを用いた争いに包まれていた。
そんな中で、クラウスは人々への絶望、新たな進化への好奇心から相転移実験を決行した。
一方で、『クロス』での地球消滅の原因は「謎の異星文明の戦闘に巻き込まれた」と述べられている。
具体的には、ゴーストと呼ばれる宇宙生物とサマール率いる異星人集団グロウスの異星文明戦争に巻き込まれている。
そのため、WiiU版では現在の『1』~『3』と整合性がとれない。最大の問題はここにある。
地球人は異星集団グロウスと異星生物ゴーストの戦いにいずれ地球が巻き込まれることを、地球人を救うため地球にやってきたエルマによって教えられたことで予期して、「地球種汎移民計画」を実行した。
『クロス』での敵組織はこのグロウスとなっている。
『クロス』での地球消滅シーン(異星人グロウスによって滅ぼされたと語っているシーン)では、地球上に光が出てくるような描写となっている。
見方によってはクラウスの相転移実験のようにも見えるが、地球の上から光が発生するという、『1』『2』の相転移実験とは違った表現となっている。
ただ、『1』~『3』との整合性をとるのであれば、この光はクラウスのゲートを用いた相転移実験によるものとなるしかない。
となると、地球付近にいたグロウスやゴーストらは、ゲートの力で別の次元に飛ばされたことになる。
何故なら実験失敗後は、地球周囲にはオービタルリングと第1タワー・ラダマンティス及び第一低軌道ステーション・ラダマンティスしか残っていないからである。
『クロス』の話では、グロウスは移民船「白鯨」よりも先に惑星ミラに到着していたようなので、これはゲートの転移能力でグロウスが飛ばされたと推測可能。
仮に『クロス』との整合性を『1』~『3』ととる場合、統合政府と反政府軍のデバイスを用いた戦争、及びクラウスの相転移実験により地球が一度滅んだことを明示し、惑星ミラに辿り着いた移民船「白鯨」の地球人の内々で「反政府軍(サルワートル)」に関する話も出す必要があると思われる。
『2』の後に発売された『DE』では、アルヴィースのペンダントがトリニティ・プロセッサーのコアクリスタルに変更されるなどで『2』との整合性がとられていたので、仮に『クロス』が『1』~『3』とリンクする世界なのであれば、『クロスDE』でも整合性をとるための変更が幾つか加えられるだろう。
実際『クロスDE』の紹介映像では、WiiU版のリンの「モナド型ヘアピン」が無くなっているなどの違いが既に見られている。
警察組織「ブレイド」
『クロス』の警察組織「ブレイド」の体制や呼称はかなりこちらの世界寄り。
『ゼノブレイド』シリーズの世界でいえば、クラウスが暮らしていた旧世界寄りのもの。
「政府」「警察」といった内容の組織は、巨神界であれば皇都アカモート、アルストであればインヴィディア烈王国やスペルビア帝国など各巨神獣の上に作られた国家に存在しているが、「政府」「警察」そのものの言葉は用いられることはない。
アイオニオンの中でも第3勢力として存在していたシティーでは「政府」「警察」といった言葉は使われていないため、『クロス』の世界はクラウスが暮らしていた旧世界で用いられていた基準がそのまま使われていると思われる。
ちなみに警察組織「ブレイド」とは、「神の言葉を超えた人工的な運命の解放者(Beyond the Logos Artificial Destiny Emancipator)」の略。
「神の言葉」「Logos(ロゴス)」というワードは『2』にも登場している。
『2』では、マルベーニは世界に絶望し、「この世界は神の望んだものなのか」という疑問に対する答えを求めるため世界樹(第1タワー・ラダマンティス)に一人で登った。しかし、神(クラウス)に会えなかったため、代わりにトリニティ・プロセッサーのロゴスとプネウマのコアクリスタルを「神の言葉」として持ち帰り、ロゴスと同調してメツを誕生させた。
もしかしたら、移民船「白鯨」の警察組織「ブレイド」の一部の人間は、地球のオービタルリング上に配備されていたアオイドスや、アオイドスがゲート管理用のために仮想空間で育成していたトリニティ・プロセッサーのうちの「ロゴス」について知っていたり、何かしらの関係があるのかもしれない。
仮に白鯨で移住した人間達がクラウス達旧世界の人間で、その彼らが「神の言葉を超えた解放者」であるのならば、後にクラウスが罪滅ぼしで作り上げたアルストで生まれたメツやマルベーニとの関係は感慨深いものである。
エルマは「桜(サフロージュ)」を知っている
『2』のチャレンジバトル「異界の戦士」に挑んだ際の専用ムービーで、エルマはノポンダイセンニンの力で挑戦の間へと飛ばされ、そこでアルストのインヴィディア烈王国とサフロージュを見せられている。
サフロージュを見たエルマはこれを「桜(さくら)」を述べている。
巨神界にはサフロージュすら存在しないので、アルストのサフロージュが「桜」として呼ばれ存在している世界として考えられるのは現状、クラウスの旧世界しかないだろう。
なお、エルマが知っている「あの人」とは、地球を出発した白鯨を襲撃するゴーストを相手に共に戦った英雄を指す。
海外では桜は「cherry blossom」と言われることが多い。「sakura」とも呼ばれることはあるにはあるが、それほど多く使われない。
また、クラウスの旧世界では我々の英語が使われていたことが、『2』の第一低軌道ステーション・ラダマンティスにて確認できる。(「SECURITY GATE」と表記されているなど)
これらより、「あの人が愛した国」とはほぼ「日本」だろう。(『クロス』のサブクエストで「フランス語」「日本語」が出ているので存在していることは確か)
『クロス』の中でその英雄の名前も素性も明かされていないが、「桜」と称することから英雄は「地球人かつ日本人」らしいことが窺える。
日本を愛した外国人かもしれないが、普通であれば「祖国を愛する」ことであるので、愛した国=祖国=日本という認識でよさそう。
『ゼノブレイド3』との繋がり
「地球種汎移民計画」と「サルワートル(反政府軍)」
『新たなる未来』で、マシュー達がオリジンへ突入した際にアルファが見せた、旧世界・ラダマンティス自治州(モルスの地)の記憶の中で流れていたラジオにて、「地球種汎移民計画」が語られていた。
内容は下記の通り。
ラダマンティス第一宇宙港より第八次地球種汎移民計画の母船イカロスが48万人の移民団を乗せ、いて・りゅうこつ腕イータ・カリーナに向けて旅立ちました。
イカロスは地球種汎移民計画8隻目となる恒星間移民船で、イカロスを含めこれまでの移民団の合計は300万人。
総合政府は本年度中に第十三次まで移民を計画しており、第九次以降は7月に就航する新型の超長距離恒星間移民船フィラデルフィア級が母船として配備されるとのことです。
フィラデルフィア級の搭乗人員数は最大で150万人。計画が予定通りに推移すれば総計1000万人の人々が宇宙に旅立っていくこととなります。
昨夏より議会に提出されていたサルワートル人権擁護法案についてです。
この度13の自治州から法案反対の請願が出されたことを受け、司法省第七特別人権委員会は、再度法案の妥当性を審議すると共に、場合によっては廃案も視野に入れた議論を進めていくとのことです。
これまで色々と物議を醸してきた法案なだけに今後の政府及び委員会の動向が気になります。
法案が法案だけにすんなり可決といかないのでは?と危惧していましたが、それが現実のものとなりつつありますね。
ではここで本件に関してミーノース自治州議員ディミトリ・ユーリエフ氏から声明が出されておりますのでそちらをお聞きください」
地球種汎移民計画の経緯
時系列
エルマは『クロス』で名前付きで語られたどの種族の異星人でもない「謎の異星人」であり、
- 彼女は異星人集団グロウスと異星生物ゴーストをはじめとした異星文明戦争が地球にまで及ぶことを事前に察知し、地球を救うために2020年後半に地球へ訪れていた
- 当時の地球でナギ軍務長官ら支持者の協力の下、地球人類を救うために、異星人の兵器に対抗するためのドール、B.B、恒星間移民船(光の速度を超えて航行できる移民船)など、あらゆる異星文明技術を地球人に託した
ということが『クロス』EDで語られている。
さらに『クロス』公式サイトのショートストーリーでは、
- 統合政府は、地球が消滅することを(『クロス』作中=2056年より)30年以上前から予見していた
- 統合政府そのものが地球消滅という予見を受けて設立した可能性がある
と述べられている。
また、『クロス』作中の年代は西暦2056年であり、その30年前(2020年後半)にエルマが地球を訪れたとなっているため、地球で「地球種汎移民計画」の検討が始まったのは2026年だろう。
加えて、主人公らの移民船「白鯨」は地球を出発してから惑星ミラに辿り着くまで2年の時間を要している。
したがって、2056年の2年前、即ち2054年7月に、サマール率いるグロウスら異星集団とゴーストの文明戦争が始まり、地球も巻き込まれ消滅したということになる。
しかし実際には、クラウスやアルファの記憶から、地球は統合政府と反政府軍のゲートを賭けたデバイス戦争が発生しており、クラウスの相転移実験の失敗により地球は消滅している。
そのため、クラウスの相転移実験及び統合政府vs反政府軍の戦いは『2』では20XX年と表記されていたが、『クロス』とリンクするならば2054年7月ということになる。
統合政府vs反政府軍のデバイスを用いた戦いがクラウスの相転移実験失敗の直前(『クロス』と繋げるなら西暦2054年7月)まで続いていたことは既に『2』『新たなる未来』で判明しているが、ここにサマール率いるグロウスやゴーストの戦争に巻き込まれる余地があるのかどうかといわれると微妙。
そもそも、トリニティ・プロセッサーが設計しゲートと連動するスレイブ・ジェネレーター搭載のデバイスが異星文明に対抗できず、ドールに劣るという点が非常に考えにくい。
が、もしゴーストやグロウスらの兵器もゲートの力を参考に作られた侵略用兵器であると仮定した場合、単純なゲート防衛用機体でしかないデバイスよりも、侵略用兵器である異星人兵器(ドール等)の方が殲滅力では高いのかもしれない。
というのも、ドールの機構もデバイスと酷似している点があるためだ。
また、統合政府はクラウスの相転移実験直前まで「アイオーン・デバイス」を温存していた。
アイオーンは「全てを破壊するためだけに作られたデバイス」とされており、他デバイスと同じくスレイブ・ジェネレーター搭載のためゲートの起動が必要だったが、ゲートに関する権限が当時クラウスに委譲されていたためアイオーンは出撃できなかった。(本格的に動いたのは『2』でメツが手に入れた後)
ゲートの防衛を主とするガーゴイル、セイレーン、タイタン、サーペントらと異なり、「全破壊」に特化しているアイオーンならば、異星人の兵器や技術を凌駕していた、ということも考えられる。
エルマの来訪と統合政府の設立
『クロス』公式サイトのショートストーリーでは、「統合政府そのものが地球消滅という予見を受けて設立した可能性がある」とされている。
この設定が『1』~『3』にも適用される正しい設定であると仮定した場合、21世紀初頭にアフリカで発見されたマルチバースジョイント「ゲート」の危険性、或いはエルマら異星人の来訪による異星人からの危機のどちらかが統合政府設立の理由になるはず。
『2』のセイレーン・デバイスのプラモデルに同封されていた設定によれば、
- 21世紀初頭、アフリカでマルチバースジョイント「ゲート」をある大学が発見
- 調査の結果、ゲートはエネルギー法則を無視していることが判明
- ゲートの研究を進めるため統合政府の協力により、ゲートを発見した大学は巨大学術機関「アオイドス」となる
- アオイドス設立から10年後、ゲートが「マルチバースジョイント」であることが判明し、星1つなど簡単に消し飛ばすことができると危険視される
- 同時期にアオイドスは、3本のビーンストーク(第1タワー・ラダマンティス=世界樹、第2タワー・アイアコス、第3タワー・ミーノース)を赤道上に建造するプロジェクトを推進。さらにこれらを低軌道上で接続し「オービタルリング」を結成しここにアオイドスの拠点を置く
- アオイドスはゲートを人の手によらず管理するため、生体素子を採用した合議制人工知性群「トリニティ・プロセッサー」を開発。異なる仮想空間で育成し独自の個性を獲得(プネウマは女性人格、ロゴスは男性人格、ウーシアは間を取り持つ「裁定者」として形成)させ、合議によってゲートの管理をさせた
- トリニティ・プロセッサーはゲートの管理のため、スレイブ・ジェネレーターを搭載した「デバイス」群を設計した
とある。
ゲートが発見されたのは21世紀初頭、つまり2001年付近であり、これはエルマが地球へ訪れた2026年より遥か前であることは確実だろう。
しかし、ゲート発見からエネルギー法則関連のことが明らかになる短期間で統合政府がアオイドスを設立することを決定しているため、エルマが地球へ訪れるより前に統合政府が存在していたことになる。
したがって統合政府は少なくとも、異星人の襲撃での地球消滅ではなく、ゲートの力で地球が消滅する可能性を危険視して設立されたものと、現段階ではみることができる。
『クロス』公式サイトのショートストーリーで、統合政府の具体的な設立理由が記載されていなかったのは、後に発売する『2』の設定を伏せるためのものであったと窺える。
また同ストーリーには「統合政府は地球消滅を30年以上前から予見していた」とある。
『クロス』が2056年でありエルマが地球を訪れたのが2026年であり、これは丁度30年。
しかし、統合政府の予見はわざわざ「30年以上前」と述べられているため、ここからも統合政府設立の要因はエルマ来訪ではなくゲート発見及び危険視によるものである可能性は非常に高い。
(実際に、ゲートを巡って世界は焦土と化し、クラウスのゲートを用いた実験で世界は崩壊した。統合政府の予見は正しかったことになる)
そうであった場合、統合政府がゲートの危険性を認識しアオイドスを設立した後にエルマが地球へ訪れ、グロウスをはじめとした異星人の危機を伝えると共にドール等の技術提供を行ったと思われる。
因みに、地球に訪れた後はエルマは「統合政府軍特殊作戦車両教導隊(「ドール隊」)」の大佐を務めていたとされる。
また、地球に来訪したエルマが、ゲートという存在に関与しているのかどうかは不明。
世界樹となる第1タワー・ラダマンティスをはじめとした3本のビーンストーク、オービタルリング、トリニティ・プロセッサーの開発・育成を知っていたかどうかも不明。
しかし、エルマは『2』の追加DLCキズナトークで世界樹(第1タワー・ラダマンティス)に訪れた際、その存在を知らなかった。
クラウスの世界再生~アルスト創成にいたる遠大な年月を経て外周が植物に覆われている部分に着目するならともかく、ゲートの力で維持され劣化していない内部を観察したうえでほぼ初見のような反応を示していた。
この描写に限って見れば、エルマは2026年に地球に訪れて総合政府軍の大佐に所属していながら、3本の軌道塔ビーンストークのプロジェクト及び存在は認知していないどころか存在すら知らないことになる。
なんならトリニティ・プロセッサーのコアクリスタルを胸に持つホムラ・ヒカリを見ても反応すらしない。(同じDLCブレイドのシュルクは、ヒカリとのバトル終了後会話で天の聖杯の剣(=モナド=トリニティ・プロセッサーの武器)に触れている)
つまり、エルマが宇宙人であるが故なのか、ゲートを含む重要事項の知識は全く与えられていなかったものと考えられる。
この辺は「サルワートル人権擁護法案」にも通じるものがありそう。
仮に白鯨をはじめとした移民船が出発した「ラダマンティス第一宇宙港」が世界樹(第1タワー・ラダマンティス)の港部分であるのであれば、エルマは白鯨と共に2054年に地球を旅立った際に第1タワー・ラダマンティス、或いはそれに類似する第2タワー、第3タワーを目撃しているはずだろうし、大佐として訓練している間は普通目に入るはず。
ビーンストーク建造開始直前に地球から既に去っていたとは考えにくいし、この辺りは『クロスDE』で何かしら改変されるのだろうか。
また、エルマが地球に伝えた要素の1つに異星人も使用する兵器「ドール」があるが、このドールのシステムはデバイスが独自に設計した「デバイス」のスレイブ・ジェネレーターと酷似している。
セイレーン・デバイスのプラモデル同封の資料には「人類が産み出した兵器とは異なるいくつもの特徴」「人類とは異なる知性の営為」とあるので、アオイドスでトリニティ・プロセッサーを仮想空間で育成するにあたり、異星文明技術であるドールのデータを与えていたために、トリニティ・プロセッサーはドールの動力システムと似たスレイブ・ジェネレーターを搭載させた可能性がある。こう考えると、間接的にではあるがゴーストとウロボロスの関連性も見えてくる。
地球種汎移民計画、ゴーストとウロボロスの関係に関しては後述。
サルワートルとは何なのか
旧世界では「サルワートル人権擁護法案」というものが提示されており、サルワートルとは同じく『2』に登場した反政府軍(サルワートル)だろう。
まず、前提として「サルワートル」と呼ばれる者達はこの時代で「人権が認められていない」ということである。
我々の世界では、日本国憲法であれば「基本的人権の尊重」、世界であれば国連で採択された「世界人権宣言」等により、全ての人間に人権が認められている。例えそれが凶悪犯罪者、政府に反する者、テロリストであったとしてもだ。
しかし、『ゼノブレイド』シリーズのクラウスの旧世界では、サルワートルと呼ばれる者達に人権が存在していないのだ。
我々の世界から見れば、ゲーム内の類似世界で人権が認められないことには違和感を覚える。
「何故、サルワートルには人権が存在しないのか」という疑問が出てくる。
1つ考えられることとしては、「サルワートルが地球生物ではないのかもしれない」ということだ。
地球外生命体には人権を認めるべきではない、という考えがクラウスの旧世界には存在していたのかもしれない。
そう仮定した場合、クラウスの旧世界に2026年に訪れていた「エルマ」の人権に関する問題ということなのだろうか。
しかし、エルマが人権を認められなかったからといって統合政府にゲートの明け渡しを要求するとは考えられるわけもなく、そもそもエルマは地球人類をグロウスら異星人から救うために地球へやって来たのだから、地球人類と争う必要性は生じるはずがない。
それに、エルマは地球に訪れた後は「統合政府軍特殊作戦車両教導隊(「ドール隊」)」の大佐として活動していた。反政府軍にはなれない。
となると、エルマ以外の異星人が既に地球へやって来ていたということも考えられる。
エルマと同じく、既にグロウスらから逃げ地球へやってきた現時点で語られていない異星人ということだ。
統合政府は『クロス』時代の2056年から30年以上前(2026年より前)の時点で地球が滅びることを予見していたらしいので、エルマが訪れるよりも前にそれを予期しており、エルマの来訪、技術提供によりそれが現実味を帯びたという形だ。
そもそも、宇宙創成期あたりでサマール人の一部が地球に移ってきているという前例があるので、不思議ではない。
勿論、人権が認められない「サルワートル」が異星人ではなく地球人類という可能性もあるだろうが…。
オリジンと地球種汎移民計画
『3』『新たなる未来』では、ニアやレックス、シュルク、エイの口から、巨神界とアルストの存在と末路、そして消滅を回避する方舟のシステム「オリジン」について語られている。
オリジンとは、予め世界の全情報を「光」として記録しておき、巨神界とアルストが衝突して消滅すると同時に、巨神界とアルストのオリジンが連動して起動し、オリジンに記録されている情報通りに世界を再生させるシステム。
一方、『クロス』の「地球種汎移民計画」とは、移民となる地球生物の遺伝子情報をデータとして保管し、別の惑星に到達した後に新たな肉体にそのデータを与え再生するというもの。
中には「コールドスリープ」手段がとられた移民船もあるようだが、数千人程度しか乗せられなかったため、殆どはデータ保管手段がとられていたとされる。
地球種汎移民計画の移民船は、『新たなる未来』のラジオによれば「ラダマンティス第一港」から出発している。
これは前述の『ゼノブレイド2』で述べた通り、恐らくビーンストーク第1タワー・ラダマンティス(世界樹)の第七外郭エアポートなどが該当するだろう。
移民船の殆どに乗っているのは生物のデータであり、エルマは移民船を「人類最後の希望」「ノアの箱舟」と称した。
「生物或いは世界の情報を持った人類最後の希望の方舟」という点では、『3』の「オリジン」と『クロス』の「地球種汎移民計画」はほぼ同等のものだろう。
『3』ではオリジンが作られた経緯が語られておらず、アグヌス(アルスト)の女王・ニアから「アルストではあるノポン技師が設計に関わった」とだけ述べられている。
もし仮に『クロス』の「地球種汎移民計画」が旧世界(モルスの地)で実行されていたものだとすれば、旧世界文明であるモルスの地(=ラダマンティス自治州)や世界樹(第1タワー・ラダマンティス)に「地球種汎移民計画」のための「世界の情報をデータとして記録し後に再生するシステム」が残っているはずであり、そこから「オリジン」の根本を作れるはずである。
世界樹(第1タワー・ラダマンティス)はアルストへ崩れ去っているが、『3』のアイオニオンでは「モルクナ大森林」の存在から衝突前のアルストにモルスの地(ラダマンティス自治州)が残っていたことが確認できるため、世界樹の残骸やモルスの地などから旧世界の「地球種汎移民計画」及び「ゲートの研究資料」に関する情報を集め、「オリジン」の建造に至ったと考えられる。
『クロス』のアーツ等がアイオニオンにも存在する
シティー出身ヒーロー「グレイ」のクラス名が、『クロス』に登場する「フルメタルジャガー」であり、またアーツにも『クロス』の人物が使っていた「エクスキューション」「バイオレンスガンズ」が存在している。
シティーはオリジンの力で世界を再生した後にいずれ生まれてくる存在であるが、グレイとは別に、巨神界・アルストの住人のデータの1人である「ナギリ」が、『クロス』に登場する「セヴンスエッジ」「ハンドレッドモータル」を使用している。
ナギリはケヴェス兵であるので、巨神界・アルストが衝突する前にオリジンに記録されている存在。
ただ、ナギリのアーツに関してはコロニー0のメビウスが作り出した新たなレウニスを用いて発生しているものなので、世界衝突前にこの2つのアーツが存在していたかどうかは怪しい。
一応、同じくケヴェス兵のユーニも「スプラッシュブラスト」という『クロス』のアーツを最初から使用している。
ちなみに、グレイはケヴェス(巨神界)側の瞳を持ち、ナギリやユーニもまたケヴェス兵である。
エルマが来訪した地球がアルスト側である一方、この3人は巨神界由来の存在であるので、謎は深まる。
尤も、ケヴェス兵のアシェラが「地獄車」「阿修羅閃刃」といったメレフ、ヤエギリのアルスト(アグヌス)側のアーツ・スキルを使用している場合もあるのだが…
ゴースト、アレス、ウロボロスの関係
地球を戦火に巻き込んだ異星勢力のうちの「ゴースト」に関して、彼らの用いる技術が『3』『新たなる未来』に登場した「ウロボロス」に酷似している。
また、恐らくゴーストの技術から作られたであろうドール「アレス」(オリジナル、プログ、生産の3タイプが存在)に関してもゴースト及びウロボロスと酷似している。
ウロボロスは、ホムラ・ヒカリ及びメツの2基のトリニティ・プロセッサーの力を原点としている。
『新たなる未来』でアルファとの決戦時のクライマックスで誕生した原初のウロボロスは、マシューの終の拳に宿るホムラ・ヒカリ、メビウス・エヌの終の剣に宿るメツの2基のトリニティ・プロセッサーの力が、ウロボロスパワーを持つ6人(マシュー、ナエル、ニコル、カギロイ、シュルク、レックス)に作用し融合させる(=インタリンクする)ことで誕生した。
その後、ニコルやリクをはじめとした者達の研究が進み、元々ウロボロスパワーを得ることしかできなかったウロボロス・ストーンは改良されていき、発動光子量の限界はあるものの一度に6名がウロボロスになれる形で完成。
オリジンの管理者権限を得られる「オリジンの鍵」を持つアルスト(アグヌス)の女王ニアのコアクリスタルとオリジンの金属が共鳴することで生まれる「ウロボロス・ストーン」によって、インタリンク現象を再現させることができるようになっている。
天空の砦で眠るニアが管理者権限により、完成したストーンを投下していく。
因みにゼットも、メリアから奪ったオリジンの鍵で得た管理者権限によりメビウス間でもストーン無しでインタリンクができるよう新たに定めている。
しかし、ウロボロス、インタリンクメビウス共に「異なる瞳(=巨神界、アグヌス1人ずつのペア)の者の融合現象」であり、それは即ち「異なる2つの世界が1つになること」(=巨神界・アルストの衝突による消滅)であるため、時間経過(ヒートゲージの進行)と共に消滅現象が近づいていく。
このように『3』本編の時点でメビウスやニアなどにより様々な要素が付与され、アイオニオンの中での特徴を備えているが、原初は「トリニティ・プロセッサー」の力によって生まれている。
そもそもトリニティ・プロセッサーとは、ゲートを管理するために学術機関アオイドスによって作られた、生体素子を採用した合議制人工知性群である。
先で述べた通り、仮にグロウスやゴーストの戦火から地球を救うためやってきたエルマが持ち込んだ異星兵器「ドール」のデータを、アオイドスがトリニティ・プロセッサーの仮想空間に落とし込んでいた場合、トリニティ・プロセッサーはそのドールのデータをある程度参考にし、トリニティ・プロセッサー独自の思考も練りつつ、ゲート防衛用兵器「デバイス」を設計したと考えられる。
一方で、ドールの「アレス」には「オリジナル」の他に「プログ」「生産」の2タイプが存在する。
プログ、生産のコクピット部分が一般的なドールと同じであることから「オリジナルアレスを基に作られたドール」と考えられる。
そしてその2タイプのオリジナルである「オリジナルアレス」については、容姿がゴーストと酷似している。
そのため、オリジナルアレスというドールは、ゴーストの技術を基に作られた可能性が高い。
そんなゴースト由来と思われるアレスであるが、エルマはアレスに搭乗している。
かつてクラウスの旧世界へ訪れた際にエルマが搭乗していたのはアレスで、且つ地球人に伝えたドールのデータにはアレスのものも含まれていた可能性がある。
そうである場合、アオイドスの育成用仮想空間にはゴーストのアレスに関するデータも投入され、トリニティ・プロセッサーもそのデータを保有している可能性が出てくる。
ゲート防衛用として設計されたデバイスにはその意匠は見られなかったが、トリニティ・プロセッサーはそのデータを持ち続けていたため、ゼットが作り上げたアイオニオンの中では、インタリンク現象で起こるウロボロスのデザインにゴーストのアレスの意匠を使ったと考えることができる。
『クロス』は『1』~『3』とどのような繋がりなのか考える
移民計画自体は旧世界で行われていたはず
- 『新たなる未来』のラジオの「地球種汎移民計画」に関する報道
- 『2』の世界樹(第1タワー・ラダマンティス)やモルスの地の存在
- 『3』のオリジンの機能との相関性
などから、移民が地球から飛び立って行った時系列自体はクラウスのいた旧世界(ラダマンティス自治州、ミーノース自治州、アイアコス自治州などがあった時代)であることが窺える。
異星人集団グロウスと異星生物ゴーストの異星文明戦争が地球に及び白鯨が旅立つと共に地球が消滅した2054年7月と、クラウスのゲートによる相転移実験失敗により地球が崩壊した日は同じものだと考えられる。
移住先の「惑星ミラ」とは何なのか
移民船「白鯨」が地球出発から2年後に辿り着いた「惑星ミラ」には、巨神界の要素(サイハテ村、終焉のテレシアなど)がある。
大前提として、クラウスの相転移実験失敗により消滅しゆく地球を飛び立った移民船「白鯨」が惑星ミラに辿り着いたのはたった2年後であり、移民が惑星ミラに辿り着く2年の間に相転移実験の失敗から巨神界が生まれテレシアやサイハテ村が作り上げられるという不可解な流れになる。
旧世界(=アルスト)・巨神界、惑星ミラは時間の流れが違うのでは
巨神界とアルスト、惑星ミラでそれぞれ異なる時間の流れ方をしていると考えることで、惑星ミラと巨神界の関係を結びつける。
相転移実験失敗により巨神界とアルストの時間の流れが変わった可能性
クラウスがゲートを起動した瞬間から、旧世界(アルスト)と新たに生まれた巨神界は独自の時間の流れが発生していた可能性がある。
あくまでアルストや巨神界が存在している星にだけそれが適用され、その他の星々や空間には適用されていないという考え方だ。
そこから2つの世界が互いを引き合い、オリジンに記録された人々の恐怖からメビウスが生まれて時間が停止、最終的にノア達によってゼットが倒されオリジンが起動し、2つの世界が1つとなって再生された。
オリジンにより2つの世界が1つとなって再生された時点で、時間の流れは元通りになったと考えられる。
ゲートの力で2つの世界に独自の時間の流れが適用されていたものの、ゲートの能力の一部に酷似するオリジンで時間の流れがリセットされたというように考えている。
アルストのモルスの地(ラダマンティス自治州)や第1タワー・ラダマンティスの残骸にゲートの研究データがあれば、無から有を生み出す「エーテル炉」を作り上げたトラ或いはトラ一家なら「オリジンの設計」「オリジン起動による様々な事象の発生」を実現できるように思える。
巨神界とアルストだけ独自の時間が流れていると仮定すれば、巨神界にまつわるものがある惑星ミラの存在も通せる。
惑星ミラが他の星々と時間の流れが違う可能性
こちらも似たようなことがいえる。
巨神界・アルストとの時間の流れが異なると仮定すれば、惑星ミラと巨神界の要素の繋がりの問題はある程度筋が通せる。
惑星ミラそのものが、他の星の大陸や種族を引き寄せる特殊な何かを秘めている
『クロス』の設定資料集『アート・オブ・ミラ』に記されている内容そのまま。
惑星ミラには他の星の大陸や種族といったものを引き寄せる特殊な何かが備わっているとのこと。
この設定をなぞらえるなら、惑星ミラが巨神界のサイハテ村を知っているノポン族やテレシアを引き込んだということになる。
しかし、地球がクラウスの相転移実験失敗により崩壊した時と「白鯨」が旅立っていった時、及びゴーストとサマール率いるグロウスの戦火が地球に及んだ日時が同時あるであろうことを考えると、「白鯨」はその2年後に惑星ミラに不時着しているため、ここでも先述の「巨神界とアルスト、惑星ミラそのものの時間の流れが異なると考えられる」というものが活きてくる。
『クロス』のテレシアについても、惑星ミラと巨神界の時間の流れが違うとすれば、テレシアよりも早い段階で巨神界から惑星ミラへ引き寄せられた者から見ればテレシアが惑星ミラに訪れるまでの時間は遠大で、巨神界での出来事は「遥か昔」といえるだろう。
これについてはサイハテ村が「伝説」と言われることも説明がつく。
また、惑星ミラは少なくとも巨神界とは別次元であるはずなので、これは次元を超えるものであるためゲートに相当する何か、或いはゲートそのものが惑星ミラに存在するのではないかということが考えられる。
サマール人
グロウスと呼ばれる異星集団を束ねるサマール人であるが、人類はサマール人の末裔であるとされ、またサマール人は太古に別世界からやってきた存在らしいと語られている。
これもゲート関連なのだろうか。
とはいえ、クラウスが相転移実験をする前よりサマール民は存在しておりその当時にゴーストとの戦闘を繰り広げていたため、アルスト側のゲートから相転移実験により飛ばされた存在とは考えにくく、アルスト側の世界の遥かな昔に、別の次元のゲートによって飛ばされたことでやって来た別の次元の人類と考える方が妥当だろうか。
「惑星ミラ」はさらに別の次元の世界の可能性がある
ゲートが他の次元を繋ぐマルチバースジョイントであることを考えると、クラウスの相転移実験失敗によりグロウスや白鯨が遥か彼方の別次元に飛ばされた可能性が考えられる。
その、旧世界(アルスト)でも巨神界でもないさらに別の次元に惑星ミラが存在している、という考え方だ。
また、相転移実験失敗により巨神界が生まれたように、同じくこのタイミングで惑星ミラもまた別の次元に生まれたと考えることもできる。
『クロス』公式サイトのショートストーリーでは、「白鯨が地球から旅立つ前に手にしていた航宙図には、惑星ミラは存在していなかった」とあるので、クラウスの相転移実験によるゲート起動により、巨神界と同じように生まれた可能性がある。
ザンザとクラウスが常に繋がっていたりトリニティ・プロセッサーの存在が共通する巨神界・アルストとは異なるために、惑星ミラとそれら2つの世界では時間の流れが異なってくるのではないだろうか。
惑星ミラが他の次元の大陸や種族を引き込む特性は、相転移実験失敗の際のゲートによりその面の影響を強く受けて生成された可能性がある。
特に、脱出自体ができなかったりするなど、物理法則を無視した超常的な点が多くみられる。
バイアス人やルーなどはグロウスや白鯨が到着するよりも早い段階で引き込まれていたのではないだろうか。
クラウスの相転移実験失敗後~アルスト側でレックスがモルスの断崖・ゲトリクス神託跡地でプネウマを覚醒させ再同調する瞬間まではゲートが沈黙を通していたが、プネウマの覚醒をきっかけにゲートが再び動き出した瞬間に巨神界からテレシアやノポンなどを、時間の流れの異なる惑星ミラへ何度か送り飛ばしたということも考えられる。
仮にそうであった場合、アルスト側でメツを倒しクラウスと共にゲートが消滅していった瞬間、惑星ミラもまたゲートに似た数々の能力を失ったのではないかと考えられる。(その時の惑星ミラの時間軸はどうなっているのかは不明)
また、『クロス』EDでセントラルポイントにある移民船に乗せてきた人間のデータを保管しているシステムが、惑星ミラへ辿り着いた時点で大破してしまっているにも拘わらずB.Bなどが正常に稼働していたということが明らかになっている。
これは、アルスト側でメツ撃破までクラウスと世界樹(第1タワー・ラダマンティス)をゲートの力で維持していたことと同じ力が働いているのではないか、と考えられる。
当然その場合、メツ撃破後にゲートが消滅したことでその維持力も消え去るのだから、『クロス』の世界でも続編か何かで何かしらの対応は必要になってくるだろう。
まとめ
『1』~『3』、『クロス』をリンクさせる年表(予想)
これまでの考察やまとめから、年表を作るとすれば下記の通りになる。
年代 | 出来事 |
---|---|
宇宙創成期 | ・別の次元のゲートが別の次元の人類を飛ばしたためか、彼らはサマール人となる ・サマール人は異星人集団グロウスを作り上げる ・何らかの手段で一部のサマール民(サマールの言動をよく思っていなかった一部)が地球へ訪れ子孫を作っていった可能性がある(人類がサマール民の末裔であるとするならば) ・地球へ移住しなかったサマール民は宇宙を支配しようと企む |
21世紀初頭 | ・旧世界(アルスト側)のアフリカで、ある大学が「ゲート」を発見する ・研究の結果、ゲートはエネルギー法則を無視した永久機関であることが判明 ・統合政府はゲート専用の研究機関「アオイドス」の設立に協力 ・統合政府はいずれゲートの存在で地球が消滅するかもしれないと予期する |
2026年 | ・エルマが異星人間戦争の危機から地球を救うため、地球を訪れる(どこの星の人でどこからやってきたのか不明) ・統合政府が「地球種汎移民計画」を検討開始(ゲートによる消滅、異星人の襲撃のどちらにも対応できるので採用した可能性) ・エルマがドール(アレス含む)や恒星間移民船などの異星文明技術を提供 ・エルマが「統合政府軍特殊作戦車両教導隊(「ドール隊」)」の大佐として活動 |
アオイドス設立から10年後 | ・ゲートがマルチバースジョイントであることが判明 ・同時期、赤道上に3本のビーンストーク(第1タワー:ラダマンティス=世界樹、第2タワー:アイアコス、第3タワー:ミーノース)を設立と、それらを低軌道上で接続しオービタルリングを形成するプロジェクトを推進。 ・オービタルリング上にアオイドスの拠点を置く ・アオイドスの拠点で、合議制人工知性群「トリニティ・プロセッサー」を開発し育成 ・トリニティ・プロセッサーがゲート防衛のため、エルマが齎したアレスを含むドールのデータを取り入れつつ、デバイスを設計していく |
年代不明 | ・ラダマンティス自治州にて「第八次地球種汎移民計画」が開始。この時点で恒星間移民船を8回旅立たせている。基本的には人の遺伝子情報を運ぶ方法。コールドスリープは極僅か ・1年前の夏から議題に出されていた「サルワートル人権擁護法案」が否決される見通し ・サルワートル(正体不明)がデバイス(タイタン)を奪い、ゲートを奪うため統合政府に宣戦布告 |
2054年7月 | ・サマール民率いる異星集団グロウスと異星生物ゴーストの宇宙戦争勃発。戦火が地球にも及ぶ ・移民船「白鯨」が地球から出発 ・統合政府と反政府軍(サルワートル)がゲートをめぐってデバイスを用いた戦争が低軌道上にまで及ぶ ・クラウスがゲートを起動し相転移実験を行うが失敗。多くの人やもの、トリニティ・プロセッサー「ウーシア」が巨神界へ飛ばされ、残った世界はクラウスの世界再生でアルストとなる。また、巨神界の他に「惑星ミラ」も作ったと思われる ・グロウスはゲートの力で惑星ミラに飛ばされ白鯨よりも早く到着している |
2056年 | ・移民船「白鯨」が惑星ミラへ辿り着く。それまでの間は追っ手のゴーストに対しドールで戦っており、エルマと「英雄」はアレスに乗ってゴーストを撃退していた ・白鯨の脱出ポッドから『クロス』主人公がエルマに救出される ・敵組織「グロウス」との戦いに挑む『クロス』のストーリー開始 |
年代不明(巨神界) | ・巨神界はウーシアが管理者となる ・ウーシアはクラウスの後悔の念を受けてアルヴィースとして誕生する ・相転移実験で飛ばされたクラウスの半身とガラテアはそれぞれ記憶を失い、巨神の魂ザンザ、機神の魂ガラテアとなる ・アルヴィースは裁定者として、巨神界にモナドと未来視を概念として設定し、それらの能力によってザンザとガラテアに新たな世界の担い手を決めさせる ・シュルクがザンザの依り代となった際、シュルクもアルヴィースの導きで新たな世界の担い手の候補の1人となった |
年代不明(アルスト) | ・クラウスは相転移実験の失敗により崩壊した世界の再生を行う ・雲海とコアクリスタルを用いて物質と生命の再生を行う ・コアクリスタルは人の脳細胞の代用物であり旧世界の全生物の情報が記録されているが、一部の生き残った人間はそれで永遠の命を手にしようとした結果グルドゥモンスターになってしまう ・旧世界の人類と同じ過ちをしないよう、ブレイド・巨神獣・トリニティ・プロセッサーで構成される「命の記憶の循環」機能を構築し「アルスト」を作り上げる。ブレイドはグルドゥ化した旧人類に着眼して作られた ・ホムラ・ヒカリ、メツは「命の記憶の循環」機能の管理者でマスターブレイドとなる |
神暦3564年(アルスト) | 『黄金の国イーラ』のストーリー開始 |
年代不明(巨神界) | 『ゼノブレイド(DE)』のストーリー開始 |
神暦4058年(アルスト) | 『ゼノブレイド2』のストーリー開始 |
年代不明(巨神界・アルスト) | ・『つながる未来』などを経て2つの世界でそれぞれの女王(メリア、ニア)が誕生 ・2つの世界が近づき始め衝突の兆しが表れる ・2つの世界に「次元の亀裂」「霧乃獣」「霧乃王」が現れる ・衝突するとすべてが消えてしまうことが判明 ・衝突を回避すべく、「光」を用いて2つの世界の通信を可能にする ・アルスト側のモルスの地(ラダマンティス自治州)、世界樹(第1タワー・ラダマンティス)の残骸から、「地球種汎移民計画」で用いられたエルマの異星文明技術を獲得し、「オリジン」の設計・建造を開始 ・「交わりの日」に完成したオリジンが起動するが、メビウスによって時間が停止 |
年代不明(アイオニオン) | ・メビウスのゼットがメリアを捕獲し、管理者権限である「オリジンの鍵」を得てアイオニオンを生成 ・オリジンと同化しなかった者達がメビウス達に対抗し「シティー」を形成 ・ニアはメビウスに対抗するためウロボロスストーンを作る ・オリジンのコアになっていたウーシア(アルファ)が古き者を消し去りシティーの人のみを連れ新世界へ旅立とうとする ・マシュー、シュルク、レックスをはじめとした六氏族が、トリニティ・プロセッサーの持つアレスのデータから原初のウロボロスを誕生させ、アルファを撃破 ・ノア達が『3』本編で出会いゼットを倒し、オリジンを起動させる ・オリジンは2つの世界を1つにしたうえで再生した |
その他、予想まとめ
- 統合政府はエルマの来訪によって立ち上がったわけではなく、ゲートによる地球崩壊を危険視して立ち上がった可能性が高い
- 何故か人権が認められないサルワートルは、地球に訪れて暮らしているエルマ以外の異星生命体の可能性がある
- エルマはゴーストの技術から作られたアレスに搭乗して地球に来訪し、地球人を異星人集団の争いから救うためにエルマが提供した情報・技術の中にゴーストのアレスが含まれている可能性がある
- エルマは3本のビーンストークやゲート、トリニティ・プロセッサーについて知らない可能性がある
- トリニティ・プロセッサーはアオイドスで育成されている中、エルマが齎したドールやアレスのデータを取り込んだ可能性があり、ドールの技術をデバイスに取り入れた可能性がある
- クラウスのゲートを用いた相転移実験失敗で、巨神界の他に惑星ミラもさらに別の次元に作られた可能性がある
- 巨神界とアルスト、惑星ミラで異なる時間の流れ方をしていた可能性がある
- クラウスの相転移実験によりグロウスはゲートの力で惑星ミラが作られた次元へ飛ばされたことで、白鯨よりも先に惑星ミラへ到着していたと思われる
- アルストに存在しクラウスと世界樹(第1タワー・ラダマンティス)の維持をしているゲートの力が、惑星ミラのセントラルシステム等にも作用し続けていた可能性がある
- エルマと共にアレスに搭乗しゴーストと戦った「英雄」は地球人且つ日本人である可能性が高い
- アルストでレックスがプネウマを覚醒させてゲートが再び動き出した後に惑星ミラと連動する形で、巨神界側のノポンやテレシア等一部を惑星ミラが引き寄せた可能性がある
- 「オリジン」は、アルスト側に残っているモルスの地や世界樹(第1タワー・ラダマンティス)の残骸から発見された、旧世界の「地球種汎移民計画」に関するデータを基に作られた可能性がある
- 「ウロボロス」は、トリニティ・プロセッサーがアオイドスの仮想空間で手に入れた、エルマが齎したアレスのデータを基にデザインされた可能性がある