第6章販売開始
コミックマーケットC106で発刊されたGuiltism様の『PROJECT RCL ZET REQUIEM』第6章に参加させていただきました。
毎夏・毎冬の恒例となっております。

メイキング紹介ページも第6章分の更新を行っております。
後の作業過程を読み進める際などは、よろしければ併せてご覧ください。
また、トップページのメインイメージエリアや背景画像、「あらすじ」「担当箇所一覧」ページの一部デザイン変更を行っております。
メインイメージエリアに関しては枚数が増えたことでようやく本来意図していた仕様に移行できました。(メインイメージの下部に窪みがあったのはそういうことです)

作業内容
テキストチェック
前回同様、早期から念入りにテキストチェックを行いました。
入稿までの期間内で最終的に9回のチェックを施しており、前回とほぼ同じチェック回数となっています。
編集後記(Hi-GO!さん筆)にもあるのですが、企画者のHi-GO!さんがテキストの生成にあたって「ChatGPT」を活用していらっしゃいます。
しかし、まだまだ完全なチェックが成立するわけではなく、読み手寄りでの文章生成には難が見られるほか、主に漢字での誤字も目立ち、全体のチェック総数は前回と同じくらいです。
したがって、この辺りに関しては我々テキスト班の人力で事細かにチェックしていくしかありません。
ですが、大まかな原案の生成における効率は格段に向上しているとのことで、今後の作業効率の向上に期待しているところです。
とはいえ、最終第10章を迎えるまで残り2年となっている中で、「ChatGPT」が我々の負担を大いに減らしてくれる段階に到達してくれるかどうかとなると、怪しいところではあります。
挿絵
ベラーガ・ザ・ナックラー
今回のボス「ベラーガ・ザ・ナックラー」が肉弾戦主体のキャラクターということもあり、かなり気合の入った作画をさせていただきました。
というよりも、本章におけるベラーガの作画の殆どは自分が担当することになりました。
担当していない部分となると「表紙」「トドメ」の2ページ分のみで、その他のベラーガには携わっているという具合です。
(表紙にも頭部作画の修正案を出していたりはします)
ベラーガを描くにあたって特に意識したのは下記2点です。
- ベラーガの頭部デザインの作画
- ベラーガの炎エフェクトの作画
まず頭部に関してですが、他の騎士やグレイシア、ロゼよりも格段に複雑な構造をしています。
そのため、ブラッシュアップ段階からさらにフォルムとディテールを整えて線画を組んでいます。
4章のラセニア(オーバードライブ)よりも複雑だと思っています。


線画を組んだ時点でディテールの意図がしっかり伝わるよう、ディテールの陰影補助ガイドも着けることが多かったです。(塗りはHi-GO!さんが行うことが多いので)
フカン、アオリ、正面など、とにかく今回は様々な角度のベラーガの作画を行いました。
次に炎エフェクトに関してですが、こちらは作中の炎エフェクトは全て担当することに。
本作では、オーバードライブ時のベラーガが噴出する炎、攻撃の際に発生する炎の2種類を作画しています。


基本的に「揺らめき」を意識して作画しています。上記2枚目の炎は特にそれが顕著だと思います。
下記2枚においても、方向と揺らめきを意識。


炎の作画については何が基になっているのかとなると、自分の場合は真っ先に挙がるのが彼。


お馴染み、絶対王者・白き暴君の「白鷺城ルイ」。
このキャラ、炎・筋肉・ファー・強めの表情の4つを練習できるという点でも好みです。
炎の形状の描き方そのものはルイを二次創作している際に染みついていった部分が多いのですが、今回のベラーガのものは明らかにボリュームや密度から、その先の別の何か。
作画量はやや多かったですが、完成した際にカッコよくなったので良かったなと感じている次第です。
ルイ路線の炎ではない攻撃エフェクトもブラッシュアップの時点で描いています。
が、こちらは線画を組む段階にあたってHi-GO!さんから「オーバードライブ時の炎と同じ作画に」という指示があったのでボツ行きとなりました。

その他、闘気エフェクト。
炎ではなく「オーラ」、という路線のもの。

表情作画
ベラーガだけではなく、キャラの表情の作画も今回は多かったように感じます。
まずは「ドクター・バイル」。

ページの隅にうっすら少し出てくる程度なのですが、彼はバイル。
『ゼロ』シリーズでは狂気の下で多くの犠牲を生み、『ゼクス』シリーズではラグナロクに憑依した尽きることない彼の怨念がアルバートの作る原初のライブメタル「モデルV」に宿っています。
この狂気の怨念が後の時代にも及ぶよう、バイルの顔面に関してはかなり気合を入れて作画をしました。
影着け、線画のメリハリも要素の一つです。
「アルエット」。

彼女は『ゼクス』でガーディアン司令官の「プレリー」となっています。
今回のシーンがアルエットからプレリーへの(心理的な)大きな転換期となるよう流れが汲まれているので、顔の作画はこれまでのプレリーとは違う感情が出るようにしています。背景エフェクトも同じ意味合いのものとなるよう組みました。
差し込んだエフェクトも相まって、「もう子供ではいられない」「自分の意思で前に進まなければならない」という仕上がりになっています。
先ほどのバイルもそうですが、この2人は『ゼクス』で明確に重要なポジションを担うので。
そして「シエル」。

ベラーガの強力な一撃をまともに食らってしまうシーンのもの。
前章にてグリオサに非道な一撃を与えてしまった狂暴なハザードの力を使わざるを得ない展開に持ち込むため、追い込まれたことが伝わるようなダメージ状態の作画に。
表情、線のメリハリ、傷、ディテールでそれを表現しています。
表紙の背景キャラクター達。

ロゼとウェクトは表情の作画に力を入れています。
先述の闘気イラストもそうですが、初の描写である「飛行艇ヴァルハラブロック」の作画も一応担当しました。
ぶっつけ本番でしたが割と描けましたね。