DLCの隅々まで一応読み解いたなりの個人的な考え。
DLCのアビスの隠蔽書籍の存在で、それを知らなかった時と比べると考えがかなり変わる。
世界観
ソティスが出現する前のアガルタ文明
幾千年前という遥か昔から、ソティスとアガルタの民の因縁は続いている。
フォドラの歴史がたかだか1000年程度なので、アガルタの民の歴史はさらにその何倍もの時間がある。

地球外生命体ソティスが現れる前は、アガルタの民(闇に蠢く者)が地上で生活をしていた。
その文明はほぼ我々の世界と同等と思われ、『風花雪月』内での地球人といった具合。
暦の謎
そのアガルタ文明の当時、暦は「節」ではなく「月」という、我々のグレゴリオ暦に相当するものを採用していたことが、アビスに存在するレアが検閲封印した書物の一つ「暦の謎」に記されている。

全文は下記の通り。
暦の謎 第二篇
帝国暦が制定されて久しいが、それ以前の暦では、1年は守護の節から始まり、星辰の節で終わっていたことがわかっている。
十二節は存在せず、「節」の代わりに「月」という呼称を用いていたという。
守護の節が1月、天馬の節が2月……というように数字が1ずつ増えていき、星辰の節である12月で1年が終わる。
風情はないが、合理的な呼称であることは間違いない。
古き暦の起源はわかっていない。もし辿れるなら、おそらくは神代に答えを求める羽目になるだろう。
途方に暮れるほど昔から暦は存在した。
わかるのはその事実のみである。
暦の改変は世に混乱を招く。にもかかわらず、なぜアドラステアの初代皇帝ヴィルヘルムは、
有用な古き暦を廃して帝国暦を制定したのか。
それには幾つかの理由が考えられる。
一、セイロス教の影響
節の名称やその背景となる文脈は、セイロス教の教義に基づいていたり、聖人に縁のあるものであったりする。
暦をセイロスの教えに即したものにすることで、教義や行事の浸透を図ったり、セイロス教の正統性を強めたりする狙いがあったことは、想像に難くない。
これは、アドラステア帝国が建国時からセイロス教会と密接な関係にあったことを示す証拠でもある。
あるいは主が暦を変えることを求め、それを預言者セイロスから伝えられたヴィルヘルムが、制定するに至ったのかもしれない。
一、権威付け
暦とは時であり、暦の制定とは時の流れの支配である。
建国後、瞬く間に勢力を伸長させたアドラステアは帝国暦を制定、遡って建国を元年とした。フォドラ統一を前に、自国の権威を高める意味合いがあったろうし、新たな時代を創る誓いであったのかもしれない。
色々と考察めいた文章となっているが、恐らくはセイロス(レア)がアガルタ文明を隠蔽する目的でアドラステア帝国、暦を「節」に切り替えるよう命じたのだろう。
こうしたアガルタ文明を後世で解明されることにより、自分達女神の眷属の正体やソティスの正体(地球外生命体)が暴かれ、自分達が排除・殲滅されることを恐れての隠蔽工作だと考えられる。
エーデルガルトルートでは、エーデルガルトは初代皇帝ヴィルヘルム1世(ヴィルヘルム=パウル=フレスベルグ)はセイロスに操られネメシスと対峙したとある。
厳密にいうのであれば、セイロスに弱みを握られている、若しくは逆らえない状況で協力せざるを得ない状態になっていたのではないだろうか。

また、エーデルガルトルートでのタルティーン平原での戦いでレア(セイロス)は「初代アドラステア帝国皇帝だったフレスベルグの祖(ヴィルヘルム)はネメシス討伐に協力し尽くしてくれた」とあるが、白きものの力で脅迫して強引に言い聞かせていたという見方もできる。

ヴィルヘルムの時点で既にセイロスの紋章を宿していたことから、彼はジェラルトと同じくレア(セイロス)の血を受けていることはほぼ確定。
紋章を持つ盗賊集団のネメシスやフォドラ十傑に対抗するための策としてその力を利用することとしてのことだろうが、後にレアがセイロス教の教団(中央教会)を足掛かりにフォドラ全土に紋章至上主義を教義として定着させていることを考慮すると、この2つの意味を以てヴィルヘルムにその血を与えたと考えられる。
仮にだが、ヴィルヘルムが現代の中央教会の枢機卿のように聖なる紋章石の欠片も与えられていれば、ヴィルヘルムはレアの力で白き獣の姿となってしまう身になり、「人成らなざるものであることを暴露する」という脅迫によってレアはヴィルヘルムを従えていたのではないだろうか。(ネメシス率いる解放軍戦での戦力としても見込める)
つまり、ヴィルヘルムは恐らくレアの血(と欠片?)を受けてしまったことを後悔したうえで後世に「レアに操られてしまった」と語り継いでいるのだろう。
となれば、元々ヴィルヘルムは暦は理にかなったアガルタ文明の「月」のままでよいとしている一方で、アガルタ文明を消したいセイロスによって血(と欠片?)の一件を引き合いに脅迫され「節」へ強引に変更させられたとも考えることができる。
こういったことから、アドラステア帝国では初代アドラステア帝国皇帝ヴィルヘルムの代から、表向きはセイロス(レア)に従っているようで裏では反セイロスの体制(というよりはレア率いる中央教会に対する反体制)を敷き続けていたのかもしれない。

その他アガルタ文明には、我々の世界でも文明発展に欠かせない科学技術・医療技術も存在していたようだが、レアは自分の都合の悪いものがこれらの技術によって暴かれることを防ぐべく、闇に葬り去っている。
一言で言えば明らかに「焚書」だろう。
これに関しても、アビスに検閲封印されている書籍「フォドラの虫大全」に記載されている。

隠蔽の仕方が上手くなっているのか、表紙が別のものにすり替えられたうえで封印されている。
全文は下記の通り。
(書名と本の内容が一致しない。
どうやら、偽物の表紙が継ぎ接いで作られている。
何かの目録のようにも見えるが……)
・眼鏡を元に作られた、遠くを見るための道具
眼鏡の鏡部分を二枚重ね合わせることで、遥か遠くをはっきりと見られるようになる。
大司教は以下の三つの危険性を挙げ、作成を禁じた。
「敵陣の把握による戦争の激化」「遠方からの狙撃が容易に」「天の観察による主の神秘性の減退」
・燃える黒水
ファーガス北部で発見された、粘ついた黒色の液体
激しく燃え、悪臭と有毒な空気を発する。
大司教は以下の危険性を挙げ、邪なるものとして利用を禁じた。
「誤って使用しての事故死」「魔法を使えない者の戦術的利用」「争奪による対立の発生」
・金属製の字型を使用した書物の制作機
当初、木版に代わる有用な発明として歓迎されたが、熟考を重ねた結果、多くの理由により禁忌となった。
大司教は以下の理由を特に挙げた。
「誤った情報や悪意のある噂が流布される危険」「字の読めない平民にとって無益」「教会同士の対立が激化する恐れ」
・人体の解剖、妄りな頭や胸への切開
医学的に役立つとの主張が根強くあったが、遺体を辱める行為が死者への冒涜であり、白魔法の発展により解決
できるとして禁忌となった。
枢機卿の一人が、信仰を必要とする白魔法に医学が勝ることがあれば、教団の地盤が揺らぐと強固に主張した。
一つずつ触れていく。
眼鏡を元に作られた、遠くを見るための道具
究極的には「天体望遠鏡」だろう。
女神の眷属の生みの親であるソティスは地球外生命体である説が非常に濃厚であるため、ソティスが辿ってきた宇宙空間やソティスの母星が突き止められることを阻止する目的があるのが、禁忌となった理由として最も考えられる。
これは、後述の「石油」と共に禁忌となっていることにより、フォドラ人の文明レベル・科学技術の進化を抑制するシナジーが発生している。
なお、エーデルガルトルートではエンディングの一部にて「天文学」が進展することが語られている。
また、ユーリスとハピの支援会話では、レアの文明進化停止措置によって現フォドラは天動説が主流となっているようだが、アガルタの民やそれらと同じ水準の文明技術を持っていると考えられるフォドラの外では恐らく「地動説」を答えとしているのだろう。


燃える黒水
精製する前の石油が「黒褐色」であり、化石燃料として使用されており有害物質を排出することから、この燃える黒水も明らかに「石油」を指しているのだろう。
つまりファーガス北部(ゴーティエ領辺り)は、アガルタ文明においては石油産出地だったことが窺える。寒冷地の石油産出国となると我々の世界基準なら、ロシアやカナダ辺りか。
実際、我々の世界で化石燃料によって誕生したエンジンや化学繊維、プラスチックといった工業製品は、『風花雪月』のフォドラの世界には存在していない。
一方、アガルタの民に関してはシャンバラ内の設備や兵器・タイタニスの容姿を見ると、それらに近しい技術が用いられているように見える。

先述の天体望遠鏡然り、これらの技術を融合させることで、人類は宇宙へと飛び立つことができるのだが、この2つをレアによって隠蔽され禁忌とされていることで、フォドラ人の文明は宇宙へ行くレベルにまで到達しておらず、中世か少し前の地球人レベルで進化を止められている。
言わずもがな、ソティスの母星が突き止められることを意図的に阻止している狙いが垣間見える。
また、アガルタの民(地球人)のミサイルのような軍事兵器を大量に作られ女神の眷属が戦力的に不利な位置にならない(女神の眷属という獣がフォドラ人よりも力関係が上になる)ようコントロールしているとも見える。
金属製の字型を使用した書物の制作機
「活版印刷」に関する技術を指すのだろう。
我々の世界ではデジタル技術に置き換わっていてほぼ絶滅状態といっていい技術であるが、ソティスの起こした大洪水の後に残っていた制作機が発掘されたのだろうか。
書物の文面を見る限り、どうやらフォドラ人の文明レベルは木版印刷の水準までは到達していることが窺える。
そのレベル域において、金属を用いる活版印刷技術は画期的ということだったが、レアは恐らく「仮に自分が隠蔽したアガルタの民等に関する真実の歴史が暴かれた際、木版印刷よりも遥かに速く書物を制作できてしまうために、情報が瞬く間に伝播されてしまう」ということを恐れたのだろう。
即ち、文明レベルを敢えて抑制することで情報統制を行っている。
悪質なカルト宗教や詐欺集団がカモに対してよく使う手段ではある。
また、禁忌理由としてレア自身が「誤った情報や悪意のある噂が流布される危険」があるためとしているが、それをやっているのは他ならぬレアという獣自身である。


人体の解剖、妄りな頭や胸への切開
「手術」をはじめとした医療技術全般だろう。
レアにとって人体が解剖されて困ることといえば、女神の眷属(獣)の体構造が解明されることと、自分が実験台として作り上げた女神の器の心臓に炎の紋章を埋め込んでいることの2点だろう。


というよりも、アガルタの民は解剖をはじめとした医療技術を用いることで、ザナド虐殺で得た眷属やソティスの亡骸を研究し、英雄の遺産や紋章石を作り上げる、或いは眷属や女神の血に記録されている生物情報を研究し紋章移植実験を行うなど、自分達とは違う人の姿をした未知の化け物の生命情報を入手・応用することができている。
ある意味では我々の世界でも行われている動物実験を経た人類の医療技術の進歩ともいえ、レアはこれを意図的に抑制している。


因みに枢機卿が~という文面があるが、枢機卿とは大司教のレアによって聖なる紋章石と血を与えられ、獣の眷属に成り下がった「白き獣」であるので、この文も所詮はレアの隠蔽工作に加担しているに過ぎないことは自明。


地球外生命体ソティス出現~アガルタ文明滅亡
地上でアガルタの民(地球人)が生活していたところで、地球外生命体と思われるソティスが突如現れる。
レアの言葉でも幾らか語られているが、隠蔽と検閲を重ねに重ねるこの獣の発言に信用できる点が一切ないため、DLC適用でアビスの書庫内で読める、レアやセイロス教団(中央教会)が都合が悪いと判断して検閲封印した書物群の方が何百倍も信憑性があると踏まえ、これをアテにすることにする。
そのうちの「世界破滅伝奇」には、ソティスがアガルタの民を滅ぼそうとするまでの過程が記されている。
恐らく、アガルタの民が遺した書物であると考えられる。

全文は下記の通り。
古の神が住まいしはずの地ティニスにて、ついに神ならざるものが目覚める。
異形の巨躯が、世界を水の底に沈めるために蘇る。
すべての人の子らに滅びを、すべての獣、すべての鳥、すべての魚に救いを。
命の血を流しすぎた人の子らに、報復を。
世界が水の底に沈む前に、神ならざるものを討つ。
そのために人の子らは光の柱を地に立てた。
ティニスも、マールスも、セプテンも、リウムも、すべてが破壊し尽くされ、大地が消えた。
それでも神ならざるものは立っていた。
絶望という名の洪水が、世界を覆った。
人の子らは地の底へと逃げた。
神ならざるものの目の届かぬところへ。
太陽の光の届かぬところへ。
絶望の水が入り込まぬところへ。
やがて獣の支配する地上への、
神ならざるものへの復讐を誓って。
字面から推測できる点としては、
- アガルタの民(地球人)は元々、自分達が崇める神がおり、その神を信仰するか存在する地が「ティニス」。恐らく、「マールス」「セプテン」「リウム」といった地にもそれぞれ別の神がおり、それらの神々を巡る宗教対立が起こっていた
- 地球外生命体(?)のソティスが地球に出現。
眷属を作って地球人にダークマター技術(?)を与えることでソティス自身の力を示し、アガルタの民の4神ではなく、ソティス自身のみを崇めるようにすることで争いを封じようとし、眠りにつく - しかし、得体のしれない地球外生命体を崇めてこれまでの4神を棄てることなど地球人類(アガルタの民)にできるわけもなく、ダークマター技術を用いて闇の魔導(アガルタの術)や闇魔法、ザラスの禁呪などを生み出し?宗教対立が激化
- これを検知したソティスは目覚め、4神の地のうちティニスに現れ、異形の体躯という存在(魔物の原点か何か?)を使役し、世界を洪水で押し流し沈めようとする
- アガルタの民(地球人類)は洪水で滅ぼされることを拒み、ダークマター技術を用いたミサイル(新型核弾頭ミサイル?)を大量に発射し、ティニスなどの地諸共ソティスの抹殺を狙うが、地球外生命体のソティスにはまるでダメージを与えらず、地が焦土と化したのみ(聖墓のバリアと同じ仕組み?)
- そしてソティスは洪水を起こし、アガルタの民の文明ともいえる地上のもの全てを押し流して一掃
- その中で、アガルタの民は太陽光の届かぬ地の底、即ち地下都市シャンバラへと逃げ、地球外生命体とその眷属という人ならざる獣・化け物が支配するようになった地上の者への復讐を誓うようになる
(女神の眷属やフォドラ人が人の姿をしていても、生物学的には異なる生き物。人とチンパンジーのような感じ)
ということが考えられる。
この推測から考えることとしては、やはり宗教は戦争の火種になりやすいということ。
我々の世界でもそうで、同じ神を信仰する宗教でも、神の在り方を巡って簡単に戦争を起こしている。
『風花雪月』の場合、それに加えて地球外生命体を崇めろとなれば流石にそれは無理だろうとしか言いようがない。
というより、平和のために崇めろと強制する点はソティス自身が最後に作った眷属個体のレアがセイロス教団を作ったことと似ており、やはり親子なのか…という感じも強まる。
逆に、ソティスや女神の眷属という共通の敵が現れたことで、宗教対立をしていたアガルタの民が今は一つとなって敵を討とうと結束をしているのだろうか。
この辺りはアドラステア帝国とアガルタの民の関係に似ているかもしれない。
この辺りは『万紫千紅』で触れてほしい次第。
また、アガルタの民は宗教という存在を痛感しているからこそ、フォドラ人や女神の眷属を滅ぼすにあたって、レアが作ったセイロス教団を利用し思想対立をさせて(ロナート卿や西方教会を使役するなどで)戦争の火種を作っていたという考え方もできる。
闇に蠢く者(アガルタの民)

ソティスによってやむなく太陽光の届かぬ地下都市「シャンバラ」に身を潜めることになったアガルタの民(地球人)達。
クロニエ、ソロン、タレスを見れば分かる通り彼らの肌は水色であり、恐らく幾千年もの間太陽光を殆ど受けずに生活しているようなので、ヒトが進化を経て現在の人類の容姿になっていったように、アガルタの民もまた遠大な地下都市生活で世代を経る毎にそれに見合った体に変化しているものと推察できる。


また、「世界破滅伝奇」の通り、アガルタの民は元々地球人(この星における先住民)であり、現在のフォドラに生きる人間(フォドラ人)はソティスが地上を一掃した後に新たに作りだした新人類といえる。
アガルタの民からすれば、新人類たるフォドラ人や女神の眷属は自分達と同じ人の姿はしているものの、生物学上では全く別の生き物(例えるならば、人とチンパンジー、人と動物、人とエイリアン)という認識なのだろう。
であるからこそ、自分達とは異なる別の生物であるフォドラ人や女神の眷属を「獣」「獣の裔」と呼んでいると考えられる。
シャンバラでは「女神に尻尾を振る家畜の如き姿が獣」と述べているが、これとのダブルネーミングなのではないか。



フレスベルグ家(エーデルガルト)やコーデリア家(リシテア)を用いた血・紋章の実験、或いは人を魔獣に変える人工魔獣の技術実験も、恐らくは「動物実験」程度にしか認識はしていないと思われる。
我々の世界でも、マウスやモルモットを使って製薬における実験をして人類に発展を齎そうとするように、アガルタの民も自分達とは異なる生物である獣・動物を用いて実験をすることで、アガルタの宿願を成すための力を得ようとしていたという考え方が最も合理的だろう。
これは、アガルタの民の視点で見るか、フォドラ人の視点で見るかで評価が変わる。それは我々の世界でも、地球人類の視点か、動物の視点かで変わることと同様。
恐らくではあるが、アガルタの民の血液構造や遺伝子構造と、女神の眷属やフォドラ人のそれはかなり差異があるのではないか。
アガルタの民には血液情報の中に紋章情報は存在せず、女神の眷属やフォドラ人にはそれがある。
ただ、パルミラやブリギットといったフォドラの外にある周辺諸国の国々には紋章という概念は存在しないのだが、パルミラ人(純地球生物)とフォドラ人(地球外生命体由来)が交配することで生まれるハーフは紋章情報を持つ血液を宿して生まれてくる。
クロードはそういった繋がりを求めることを「夢」としているが、地球外生命体の遺伝子情報も混ざり合っていくのはやや怖い。


ソティスから与えられた力はダークマター?
地球人類の常識を超越した力をソティスがアガルタの民(地球人)に伝授したとなると、その最有力候補として考えられるのが、正体不明とされる暗黒物質「ダークマター」。
その根拠はというと、アガルタの民がストーリー中で使用した闇の魔導を始めとした「ザラスの禁呪」、アガルタの民に関連する者達が使う「闇魔法」、及び固有スキル「アガルタの術」等が挙がる。「ドーラ2倍」のスキルもマークはアガルタの術と同じ。
特徴としてはいずれも「闇の渦」「凝縮」という形であるということ。
また、闇魔法の名には全てギリシャ文字が用いられており、これもアガルタ文明の名残であると考えられる。


ダークマターとは光を出さずに質量のみを持つ未知の物質とされ、暗黒物質が存在する場所はその質量により光が曲げられ、重力レンズ効果(背後のものが歪んで見える現象)が発生するとのこと。
ソロンがクロニエを媒介として発動したザラスの禁呪に関しても、時を巻き戻す力をザラス内部から発動できないようなので空間だけでなく時間をも歪めていると考えられ、正体不明のダークマター、或いはブラックホールのようなものではないだろうか。



闇魔法の「ルナΛ(ラムダ)」辺りは、ダークマターやブラックホールの効果がより顕著に出ていると思われる。

その他、アガルタの民はソティスによって洪水で地上のアガルタ文明を押し流されたうえで地下のシャンバラに逃げているため、エネルギー資源となる化石燃料、つまり石油を失っているように感じられる。
となると、地下都市を拠点としながら代替するエネルギーを何にするかとなれば、正体不明のダークマターなのではないだろうか。
油層を発見し石油を採掘している可能性もあるが、フォドラは地球の一国に過ぎず、その一国のうちのファーガス北部で石油が発見されたとあるので、レスターのゴネリル領付近のシャンバラのエリアにも石油が眠っているかどうか……際どい。
もしかすると、金鹿の学級編最終戦でフォドラ十傑やネメシス達が所持していた「フライクーゲルΛ(ラムダ)」「アイギスの闇盾」「天帝の闇剣」などの英雄の遺産の模造武具も、ギリシャ文字や「闇」という文字が名に含まれていること、天帝の闇剣が黒色となるなどから、ダークマターにより構成されている武器なのかもしれない。


また、闇魔法試験に合格することでも闇魔法を使えることになる(「ドーラΔ(デルタ)」を使用可能になる兵種スキル。マークは「アガルタの術」)が、この闇魔法試験を受験するパスを所持しているのは死神騎士(イエリッツァ)のみ。
死神騎士が愛用する「サリエルの大鎌」にはアガルタの刻印があり「古(アガルタ)の技術で作られている」とあるため、闇魔法試験パスもアガルタの民から受け取っているものだと考えられる。
教団がこの試験の受験を許しているのは、アガルタの民が英雄の遺産を作ったように、闇魔法に関しても元を辿ればソティスの力なのかもしれないので同じく「毒を以て毒を制す」なのだろうか。
獣殲滅にあたっては内乱・同士討ちで戦力を削ぐ戦法をとる
アガルタの民は数多の戦争を歴史上起こしてきた我々地球人であるためか、戦争のやり方をよく分かっている。
その人類の知識を活かして、自分達とは異なる得体の知れない力を持つ女神の眷属やフォドラ人を巧みに操って内乱が起こるよう仕向けたり、同士討ちを狙って殲滅しようとしていることが窺える。


盗賊王ネメシスとその盗賊一派のフォドラ十傑がセイロス(レア)に敗れた後、次なる傀儡を作り上げるために、レアが作ったアドラステア帝国に潜み始める。
英雄戦争後、レアはフォドラ十傑本人を抹殺するよう自分が立ち上げたセイロス教団に命令を下している一方、十傑の子孫(紋章の血液情報を宿す)をセイロス教団(中央教会)の紋章身上主義確立のためアドラステア帝国に呼び込み、英雄の遺産を回収していた。(紋章至上主義をレアが作る意図がないのであれば十傑の子孫をわざわざ帝国で保護したりはしない)
これもレアが検閲封印したアビスの書籍に記録されている。

全文は下記の通り。
……月15日 アリルの森
ネメシス王が討たれて早数カ月、戦況は悪化の一途を辿っている。我が友ダフネルも命を落としたと聞いた。
狂信者の軍団が、我ら氏長の首を狙ってやってくる。
セイロスの作り出した濁流に、我らは呑まれるのみだ。
長きにわたる生も、ついに終わるか……
……月2日 イーハ平原
どうにか逃げ延びてきたが、ここまでのようだ。
我が一族の大半はすでに帝国に降り、驚くべきことに命を保証されていると聞いた。
だが、私は別だ。この命と神器とを奪われる。
息子よ、娘よ、すまない……
……月5日 ……
セイロスは、なぜ我々をこうも憎んでいるのだ。
ネメシス王はいったい、セイロスに何をしたのか。
奴の話に乗ったのが、間違いであったか?
だが、それも遥か昔のこと……
この体が朽ちる前に、邪悪な……
(手記はぼろぼろで、これ以上読めそうな部分はない)
十傑のダフネル(イングリットやジュディットの先祖の盗賊)の友であり自身も殺されるとあるので、これを書いているのは十傑の誰かということになる。
文面からすると、盗賊集団のフォドラ十傑は英雄の遺産が女神の眷属の骨や心臓、自身に宿った紋章がそれらの血であることを知らない様子で、盗賊王ネメシスと共に行動し目的を成そうとしているだけの模様。
そこからアガルタの民は、自分達が傀儡としていたネメシスに仕えていた盗賊にしてフォドラ十傑「ブレーダッド」の子孫である帝国貴族ルーグ(後の獅子王ルーグ)を利用し、彼にアドラステア帝国からの独立を入れ知恵し挙兵させ、タルティーン平原で鷲獅子戦争を起こし、帝国のファーガス地方を「ファーガス神聖王国」として独立(分裂)させることに成功している。
恐らく、無欲の軍師パーンがアガルタの民だったと思われ、ルーグは正体には気づいていない。レアがネメシスを討ったタルティーンで独立戦争をさせているのは明らかにアガルタの意趣返しだろう。
ルーグが明らかに無能であることは自明だが、このアガルタが仕掛けた戦争の果てで独立したファーガスを国として承認したセイロス教団もまた無能さが際立つ。
また、この鷲獅子戦争においてファーガス軍には英雄の遺産に酷似した武具(「アラドヴァルΓ」のような模造武具?)を与えられており、これがアドラステア帝国に大勝した要因の一つか、という記録もある。
これらもまた、レアが検閲封印したアビスの書籍に記録されている内容である。

全文は下記の通り。
(火にくべられた何かの報告書の束のようだ。
一部分だけ燃え残ったようで読むことができる)
第十八項の五
……ファーガスの乱。ルーグの挙兵には幾つかの疑問点がある。帝国に気取られず兵を集められた理由。彼らが
使用した、英雄の遺産に類似する謎の武具の入手方法。
ルーグを助け、その軍略のすべてを差配したという軍師パーンの正体。彼もまたフォドラの闇に蠢き、主に……
第二十二項の二
……ファーガス国王クラウス1世は暗殺された、というのが騎士団暗部の見方である。後継者を定めず、3人の王子に領土を三分割するという狂気に満ちた遺書が偽物であるというのは、誰でも考えることだ。その目的はレスター地方を加え帝国を上回る勢いを見せるファー……
第四十九項の十八
……件の問題である“ダスカーの悲劇”後、西方教会内で中央教会を強く非難する者が増加しているという。中
にはダスカーの一件そのものを騎士団暗部の仕業と主張する者たちまでおり、教義の正統性を巡った対立では済まなくなっている。そのうちガスパール城主の子で……
第五十一項の六
……レスターの盟主、リーガン公オズワルドの嫡男一家が事故死。先代の公爵に続いての事件であり、騎士団で
もグロスタール伯の指示ではとの疑いが持たれた。だが伯の仕業とすると、余りに露骨だ。一時開戦も危ぶまれたものの、オズワルド公が病床に倒れたことで事態……
ファーガス神聖王国として独立した後、ファーガス国王クラウス1世の暗殺と、クラウス1世の遺した奇妙な遺書により、当時帝国でのレスターの乱を経てファーガスの一部地方となっていたレスター地方を最終的に三日月戦争を経て「レスター諸侯同盟」へ更に独立させる形になったと見られる。
恐らくだが、この暗殺と遺書に関してもアガルタの民が関与している可能性は極めて高い。
つまり、現在のフォドラがアドラステア帝国・ファーガス神聖王国・レスター諸侯同盟の3勢力に分割されているのは、内乱・同士討ちによるフォドラ人・女神の眷属の戦力削減を前提としたアガルタの民の策であるということになる。
勢力が分散していけばその分個々の戦力が落ちるので壊滅させやすく、或いは勢力同士の衝突で戦争を起こし共倒れを狙うことも可能。


現在のフォドラにおいても、アドラステア帝国には「七貴族の変」、ファーガス神聖王国には「ダスカーの悲劇」「西方教会とロナート卿の唆し」、レスター諸侯同盟には「コーデリア家の帝国への内乱加担」といった具合で、影から各勢力に手を伸ばしつつ同士討ちを仕向けると共に、アガルタの民自身はそれらを利用してより戦力や技術を拡大している。
特に西方教会に関しては、本物の女神ソティスが成そうとしていたことをアガルタの民から入れ知恵を受けているのか、セイロス教団が教義によって掲げる女神が偽りであることを理解したうえでレアに反旗を翻している。


そして分割した3勢力に対し、いずれ起こる戦争の構図もきちんと視野に入れている様子と見える。
アドラステア帝国に対しては、元々受け継いでいるアドラステアの歴史に加えてアガルタの民の歴史の一端を与えることで、反セイロス教団体制を築き上げ戦争勃発のトリガーにしている。
ファーガス神聖王国に対しては、「何も情報を与えない」という姿勢を貫くことで、戦争において何よりも重要な情報を欠如させ、情弱を戦争に巻き込み確実に壊滅させるという形にしている。
そしてレスター諸侯同盟に対しては、親帝国・反帝国という体制に分裂させることで、等しく帝国・王国にダメージを入れ戦力削減を加速させられる形になっている。
神祖(女神ソティス)

地球外生命体である可能性が極めて高い。
金鹿の学級編のレアの話では、地上に現れたソティスは自分の体を人の姿に造り替えたという。


それを裏付けるように、レアが検閲封印しアビスに投棄した書籍の中には、文明の発展を止めるためにアガルタ文明の技術を幾らか禁じている。
その禁じられた技術の中には先述の通り、星を見る「天体望遠鏡」、エネルギー源となる「石油」が含まれている。
これらの技術の下で人類の文明が発展すれば、必ず宇宙進出へ行きつくはず。
レア自身が隠蔽した書物によって信憑性が高まっている。
先にも述べた通り、恐らく「ティニス」「マールス」「セプテン」「リウム」といった地毎に信仰されていると思われるアガルタの民(地球人)の信仰神を巡った宗教対立から生じる争いを見たソティスは、自らの地球外テクノロジー(恐らくダークマター由来のもの)をアガルタの民に授けることで信仰心を得ると共に、異なる複数の神ではなくソティス自身という新たな神のみを信仰させることで、争いを無くそうとしたと考えられる。
しかし地球人側からすれば、自分達が信仰する元々の神々を忘れ去ったうえで正体不明の地球外生命体とその眷属の獣を新たに崇拝することなどできるはずもなく、地球外生命体が齎したテクノロジーによって争いは激化しただけ。
仮にこの考察通りである場合、人の信仰心や存在性を理解できなかったソティスの善意は火に油を注いでしまったという形になる。
この争いを感じ取ったソティスは、地球外生命体でありながら地球人(アガルタの民)の殲滅を目論み、異形の体躯なる存在を使役し、アガルタの民のミサイルによる反撃も意に介さず、大洪水を起こしてアガルタの文明を一掃、女神の眷属と新人類(=フォドラ人)で地上を平和な世界に作り直そうとしたのだろうか。
ある意味では「エゴの下での侵略行為」にも等しく、善意100%で平和を齎そうとした結果が侵略行為に発展してしまったという形か。
しかし、そうして作り直されたフォドラがアガルタ文明の世界と比べて平和で理想的だったのかとなるとそうではなく、フォドラ人でもネメシスやフォドラ十傑のような盗賊が現れているし、自身が造り出した最後の眷属であるレアもまた、自らの強大な眷属としての力の下にセイロス教団という(本物の女神ソティスさえ望んでいないことを行う偽りの女神を掲げる)一神教でフォドラを平和に導くとしながら縛り付け、腐敗した貴族制度や紋章至上主義、歴史の隠蔽・改竄で多くの人々を苦しめ、争いが止まることはなかった。
そのうえ、ソティス自身が実質的な侵略の下で殲滅しようとしたアガルタの民に、それらを全て利用されるに至ってしまっている。


結果として、ソティスがフォドラ人や女神の眷属を用いて作り直したフォドラも、結局はアガルタ文明の世界と大して変わらず、アガルタの民から見れば「滅ぼされ損」でしかない。
或る種、『ゼノブレイド2』と似ている節はある。
旧世界に絶望したクラウスは、世界が変わることを信じて好奇心も混じり合い、ゲートの力で相転移実験を失敗し旧世界を滅ぼしてしまい、その罪滅ぼしとして新たな世界を作ろうとした。
クラウスとソティスで異なるのは、現状の描写の時点で「ソティス自身に罪の意識が全く見られない」というところ。
クラウスは絶望の果てに自らの行いを後悔することで、巨神界でウーシアがアルヴィースとして誕生したり、アルストではレックスが全ての想いを受け止め次の世代の誰か(アイオニオン、マシュー等)に託している。
一方、本作『風花雪月』においては、アガルタ文明と同等の社会構造と考えられるレア・教団が敷く社会構造を破壊して世界を前へ進めるエーデルガルトやクロードという存在がいる一方、彼らとソティスとの繋がりが希薄。
一応エーデルガルトに関しては、レアや教団の掲げる女神が偽りであるとし、本来の女神ソティスの意図をある程度汲み取ったうえで社会構造を変革させているのだが、クラウスからレックスのように明確に繋がり継がれているわけではないところが引っかかる。
『万紫千紅』ではソティスらしき人物が登場するようなので、可能性があるとすれば大昔のアドラステア帝国でソティスが皇帝か或いは神威法王に対し、偽りの女神を掲げるレアや教団の教義ではなく、本当のソティスの意志をソティス自身が伝え、アドラステア帝国を足掛かりに未来(『風花雪月』本編)のフォドラに継がれるような流れがあればいいな、と思う次第。
ただ『風花雪月』においては、現在のフォドラを作ってしまったレアという最後に作った眷属を、ソティス(を宿す主人公)自らが撃破することで、ダメな娘に対し母親がケジメをつける、或いは自分の過ちを自分で世界に対し償い、自身の娘(レア)の策によって人成らざる存在として産まれてしまった主人公を人に戻す手向けをしたという見方をすれば、そうして終わることができるエーデルガルトルートが、ソティスにとって最も相応しい終わり方なのではないかとは感じる。


主人公を作り上げた親のような存在であるレアを主人公が討つことに関しては、特に何も思うところはない。
世間一般で言われる「毒親」から生まれた子供が死ぬまで親に感謝しろというのはおかしいと思うし、見分や経験を経て離反・対峙の道を辿ることは悪いことではないと思うし、それにあたって親が可哀想などとは全く思わない。
セイロス教団

ストーリー上では「神聖なもの」「主の加護」「レア様」などと崇められているが、レア率いる教団(中央教会)に関しては俯瞰して冷静に見れば、本物の女神ソティスが望んでいない(望んだことすらない)内容を女神の教えという教義として『偽りの女神』を宗教に掲げている、ただの質の悪い「カルト一神教」でしかない。
また、地上を地球外生命体とその末裔に奪われたアガルタの民視点からすれば、地球外生命体が作り出した人の姿をした化け物・獣の下で、地球外生命体を主として崇めよというものにもなる。
フォドラの殆どがこの宗教の教徒であり、盗賊ですらこの教義に概ね従っていることから、影響力は極めて強いことが窺える。
この宗教が敷いていることは主に下記の通り。
- ソティスの名を口にしてはならない(女神、主と呼ばせる)
- 教祖たるレアが改竄・隠蔽している英雄の遺産と紋章、フォドラ十傑の伝説によって貴族制度と紋章至上主義をセイロス教団の下で敷き、この伝説や体制を「(女神ソティス本人は望んでいない。偽りの)女神の教え」として確立している
- フォドラの中央にガルグ=マク大修道院を構え、周囲各勢力の王位継承にセイロス教団が関与し、英雄の遺産を教団が管理するなど、フォドラはセイロス教団=女神の眷属と貴族が統治
(一宗教が各国の政治へ干渉・支配という政教一致体制かつ神権的・封建的な身分秩序構造な階層社会体制) - 一神教なので異教徒は全て見下し排除・処断(ダグザの女神の信仰者を最終的にアビスから排除している)
そのうえでフォドラ全土の人間に先述のソティスの意に反した教義を説く(宗教への依存を強める。盗賊ですら信仰している) - フォドラの外の周辺国との繋がりも拒み閉鎖的(外の世界から技術が入ってきて改竄・隠蔽、女神の眷属の正体が暴かれる可能性があるためか)
- 統治にあたって都合の悪い記録などは全てアビスに検閲・封印




そして、獣と地球外生命体を信仰させる中で、とにかく都合の悪いものを隠蔽し過ぎている。
大司教レア(セイロス)の意向で検閲封印された歴史の真実が多すぎる。
アビスでは、その一端を調べることができる。

平和のために隠蔽したと先生ルートのレアとのペアエンドで述べられているが、実際に平和だったかというと先述のソティスの項の通りそうではなく、結果的にはレアのもたらした一神教を強引に信仰させ貴族制度や紋章至上主義を中央教会主導で根付かせた結果、現在のフォドラが出来上がってしまっており、かつてソティスが滅ぼそうとしたアガルタの民の世界(=我々の世界)と何ら変わりがない。
偽りの女神
作中で度々言及されるのが、セイロス教団が掲げる「偽りの女神」。
これは、レアが教団の大司教としてカルト一神教の信仰対象として教義の浸透のために掲げている女神(主、ソティス)の存在性が、本来のソティスの望んでいることとは全く違っていることを指す。
シナリオでこれについて触れているのがアドラステア皇帝、西方教会、アガルタの民の3つの勢力・団体である。
暦の謎の項でも触れた通り、考察通りならばレアとネメシスの戦争の前よりアドラステア初代皇帝ヴィルヘルムはレアに脅迫されており、セイロス教団やレア達女神の眷属の正体と危険性を皇帝に代々語り継がせていると考えられる。
アガルタの民はソティスが本来行おうとしていたことや自分達が地下へ追いやられた理由を受け継いでいると考えられるので、これを西方教会に突きつけたのだろう。


レアが信徒を欺き大司教の立場を利用して実験台を失敗作と称しながら作り続けるなどやりたい放題やってきた理由としては、母ソティスに会いたかっただけとあるが、当のソティス本人は現世へ蘇ることを全く望んでおらず、自身の正体を思い出した際には「死して再び舞い戻ってしもうた」とも述べている他、ソティスの要素(ナバテアの歌など)をレアが語る際はソティスは強い拒絶感さえ抱いている。



なんだったら、女神の眷属であり四聖人のうちのマクイルとインデッハですら、レアが欺いて統治する世から隔離されて生きることを望んでいる始末で、ジェラルトに関しては赤子時の主人公の一件でレアと教団を怪しんで教団から離れたところでセイロス教に触れさせず主人公を育児し過ごしていた他、物語序盤で「教団とレアに気を付けろ」と警告している。
ジェラルトは生徒を逃がす過程で死亡しているので、もしかしたらジェラルトがセイロス教団に戻らなければ主人公は父ジェラルトを失うことは無かったのでは…?とも考えられる。
そして、修道院で愛したシトリーや彼女が産んだ主人公らが、レアにとってはソティスを入れる器・実験体・失敗作としか認識されていない辺り、本当にアルファルドが可哀想。






先述のソティスの項での推測で「ソティスが平和のためにアガルタの民に対して、アガルタの神々への信仰を棄ててソティスを唯一神として信仰せよと差し向けていたかもしれない」としているが、仮にそうであった場合、母子共に唯一神への信仰を要求して平和を破壊していったという形になる。
第1部最終直前の聖墓での出来事に関しては、これまでのレアの行いが巡り巡ってきた「因果応報」といえる。
分かっているとは思うが一応念のため述べておくが、エーデルガルトは女神ソティスの概念を消し去りたいのではなく、女神ソティスの存在を使って各国への政治干渉や教義(紋章至上主義など)をやりたい放題やって「偽りの女神」を仕立てて人々を欺いている中央教会(教団)の破壊を望んでおり、本物の女神ソティスに救いを求めるという心の拠り所としての信仰は否定していない。




英雄の遺産(骨)、紋章石(心臓)、紋章(血)
金鹿の学級編最終決戦前に明かされた通り、英雄の遺産はネメシスや十傑がザナドにて虐殺した女神の眷属らの骨で構成されており、英雄の遺産に埋め込まれる紋章石はその眷属の心臓。
また、紋章石に適合する紋章は眷属の血によるもの。
これらを作り上げたのが、ネメシスに協力し彼を傀儡として女神の眷属を根絶やしにしようとしていたアガルタの民。
天帝の剣と炎の紋章に関しては、地球外生命体ソティスの骨・心臓・血を用いている。
作り方は先にも述べた通り、我々の世界での医療技術・科学技術によるものだろう。
それは自分達とは異なる生物を用いた動物実験という見方でしかなく、毒を以て毒を制すという形で、女神や女神の眷属という獣を同族の力で打ち倒すというものになっており、それを体現するかのように英雄の遺産専用戦技は殆どが「竜有効」を持つ。
その他、「人工紋章石」を大量に作り出せていることから、女神の眷属の遺伝子情報を人工的に作り出す、或いは複製(クローン)するために必要な技術と情報は、フレスベルグ家やコーデリア家での実験、フレン誘拐での血の採取で概ね得ることができたものと思われる。

英雄の遺産によって魔獣化する仕組み
フォドラ人はソティスによって作られた新人類なので、ソティス(元々人の姿ではない)や女神の眷属(レア等)と同じように人成らざる姿へと変化する遺伝子情報を持っている可能性が極めて高い。
アガルタの民がフォドラ人を、本来の人間とは別の生物・獣と認識しているであろう理由は恐らくここにもある。


女神の眷属であるレアやマクイル、インデッハ等は、白きもの等の魔獣の姿となった際、額に自身の紋章石が浮かび上がる。


したがって、本来は紋章石とソティス由来の生物は一体となっているのが自然と考えられるが、フォドラ人は人類として存在させるために作られているためか、紋章石を持たない生物として誕生していると思われる。
しかし、元は女神の眷属と同じく魔獣化する遺伝子情報を持つため、外部から紋章石を埋め込まれた場合、何かしらの外圧によって紋章石とフォドラ人の血が反応することで魔獣化、つまり本来の姿となる機能が発動するのではないだろうか。
これは、レアが教団の枢機卿を自身の僕・眷属とした「白き獣」に関しても同様と思われる。


ただ、紋章石が埋め込まれている英雄の遺産の例を見れば、所持している生物に何かしらの紋章が宿っている場合は魔獣化せず、何も紋章が無い場合は魔獣化するという仕組みになっている。
先述の人工紋章石や白き獣といった、後天的に紋章を得た者達の魔獣化ケースを見ても、恐らくその通りだろう。
また、魔獣化にあたっては紋章石から魔獣となるための体組織のようなものが溢れ出ているが、魔獣になった個体を見る限りでは紋章に対応した容姿となっているため、紋章に応じた魔獣の体組織に覆われその紋章の魔獣の姿をとると考えられる。
例えばレアから聖なる紋章石の欠片を埋め込まれて眷属に成り下がった枢機卿は、聖なる紋章石に記録されている白い獣の姿になり、マイクランであれば破裂の槍に埋め込まれた女神の眷属(ゴーティエの紋章を血液に宿していた女神の眷属、名付けるなら「裂竜」)に酷似した姿となるのではないだろうか。


つまり紋章石となっている女神の眷属の心臓は、死してもなお別の生物を依り代として肉体を得ることができる寄生生物という見方ができる。
これはアガルタの民に「獣」とみなされても仕方がない。
この寄生生物とも呼べる女神の眷属の心臓は、それと同じ女神の眷属の血(紋章持ち)の生物を同族と認識しているために依代とすることはなく、紋章を持たないフォドラ人には寄生生物の持つ紋章情報を宿すことで本来の姿へと変化させる現象と考えられる。
また、紋章無しのフォドラ人しか依り代にできないという点に関して、心臓が持つ紋章情報を最優先とするため、紋章情報のないフォドラ人に自身の紋章を植え付けて寄生が成り立つ、と考えている。
なぜそうなっているのかとなると、地球外生命体ソティスが女神の眷属とフォドラ人を作った際、女神の眷属という存在に重きを置かせるため、例え眷属が死んでも心臓さえあれば紋章情報のないフォドラ人を依り代として復活できる、という構造にしていたのではないだろうか。
この遺伝子情報に着目したのかアガルタの民は、ザナドにいた女神の眷属の亡骸や聖墓で奪った紋章石、或いはそれらの情報を解析し作り出した人工紋章石を使ってフォドラ人を人為的に魔獣の姿に変化させる術を手に入れていることが、第1部終盤以降から確認できる。
エーデルガルトルートでは、王都フェルディアの地下に保管されていた紋章石をドゥドゥーが王国兵と自身に与えたことで魔獣化している。(ヒューベルト曰く、アガルタの民の技術よりも単純なもの)


一方、覇骸エーデルガルトのように、紋章を持ちながらも魔獣化するパターンが存在する。
これに関してはアガルタの民が、紋章持ちか否かに関わらず魔獣化現象をコントロールできるまでにフォドラ人や女神の眷属の生物情報を解析した研究の成果、集大成といえる。

ソティスは元々人外の姿であったことから、アガルタの民は数々の女神の眷属やフォドラ人での動物実験を経て、地球外生命体ソティスの生物情報の解析を完成させたということだろうか。
しかし、フォドラ人の血を引いているとは思えないドゥドゥー(ダスカー人)が、ファーガス内に隠してあった紋章石を用いて自ら魔獣化し、「巌魔獣」となっているケースも見られる。

単純に、もしかすれば女神の眷属という人外(獣)の心臓は寄生生物であり、これは紋章の血液情報を持たないあらゆる生物を自ら(人外)の姿に変えて支配する、という構造であるのかもしれない。
或いは、ドゥドゥーというダスカー人自体が地域柄からフォドラ人との混血で、フォドラ人という地球外生命体の生物情報を宿していた存在なのかもしれないが……
ただ、例外らしきものもある。
マリアンヌの先祖であるモーリス(獣の紋章所持者)は盗賊軍団フォドラ十傑と同じ存在、つまり盗賊王ネメシスと共にザナド襲撃に関与しアガルタの民によって女神の眷属の血を受けたことで紋章を宿しているが、彼は自分の血に宿る獣の紋章と適合する紋章石が埋め込まれた英雄の遺産「ブルトガング」を持ちながらも魔獣化している。
英雄の遺産の「邪」に取り込まれて破壊の限りを尽くしたとされているが、これはレアが隠蔽し改竄によって世に広めたネメシスの偽りの伝承と同じである。
先述の「女神の眷属の心臓は寄生生物」という推測が正しいのであれば、その寄生生物の中にはブルトガングに埋め込まれている紋章石のように邪心を持っている個体もあるのではないか。
モーリス本人(魔獣)の会話を見ると「悪夢」「解放を望む」と述べているので、英雄の遺産の邪に呑まれるということ自体はモーリスのように実在しており、レアは歴史改竄のためにモーリスの末路を利用したという見方が正しいか。
紋章持ちさえも魔獣化する現象は恐らくモーリスの例が初と思われ、アガルタの民はこれを長い間研究して、先述の覇骸エーデルガルトとして完成させたとも考えられる。

金鹿の学級編のネメシスも「解放軍」と名乗っており、ネメシスやフォドラ十傑もまた、アガルタの民と同じく獣(女神の眷属)の支配からの解放を成し得ようとしていたと思われる。

遺産と紋章が適合しない場合
紋章を持たない者が英雄の遺産を所持した場合、血液内の紋章情報を参照することができないためか、英雄の遺産が輝くことは無い。
これはストーリー中のマイクランも同様だが、魔獣化する際に限り遺産(骨部分)と紋章石(心臓)が輝く。

また、血に宿る紋章と、使用している英雄の遺産の紋章石が適合しない場合、先述の通り魔獣化せず遺産を使うことはできる。
ただし、紋章石の適合反応は起こらないようで、紋章石は赤く発光しない。
紋章を得る紋章アイテムを持っていても紋章石はやはり反応しないので、どうやら英雄の遺産(紋章石)の所持者の血に、遺産と適合する紋章が宿っていないと適合反応が発生しない模様。

そして、紋章石と適合する紋章を宿す血の持ち主の場合、紋章石は発光し赤い光を放つようになる。


基本的にはこういった法則であるのだが、例外がある。
まず、金鹿の学級編最終話で戦うフォドラ十傑。
それぞれ紋章を宿しているが、英雄の遺産を模倣して作られた武具は、紋章との適合反応を示さず、武器も紋章石も発光していない。


一方、ネメシスの持つ天帝の闇剣は同じく英雄の遺産を模倣して作られた武具だが、フォドラ十傑のものと異なり適合反応を示している。

ネメシスの使う「天帝の闇剣」には、DLC組の長い歴史の中で失われた四使徒の紋章のうち「ノアの紋章(コンスタンツェ)」「ティモテの紋章(ハピ)」の紋章石が埋め込まれている。
ネメシスの体内に宿るのはソティスの血による「炎の紋章」であるが、何故かこの異なる2種の紋章石が埋め込まれた天帝の闇剣が、フォドラ十傑の武器とは違い適合反応を示している。

そして、エーデルガルト用に作られた紋章石改造武器に埋め込まれている紋章石はなんと「獣の紋章」であり、こちらに関しても、エーデルガルトが宿すのは「セイロスの紋章」「炎の紋章」の2つでありながら、アイムールに埋め込まれた獣の紋章石はネメシスの天帝の闇剣のように適合反応を示している。

何故なのかとなると、それは天帝の闇剣やアイムールに埋め込まれた紋章石が、アガルタの民が生み出した「人工紋章石」(人工の人外の心臓)だからなのではないか、ということが最有力として考えられる。
見た目はノア、ティモテ、獣の紋章石であるが、実際には炎の紋章やセイロスの紋章に適合させるために改造された人工紋章石として作られている、という形。
(アイムールは内部データとしてはセイロスの紋章に適合している場合に専用戦技「狂嵐」が使用可能。空竜の証でセイロスの紋章を得ている場合にもこの戦技が使える)
獣の紋章石に関してはブルトガングにも埋め込まれているので、この紋章石に関しては後にも触れるが、ソティスが作り上げザナドで暮らしていた女神の眷属(ナバテアの民)は、同じ紋章情報を持つものが複数存在していたのではないかということが考えられる。
(例として、ブルトガングに埋め込まれた紋章石=心臓の個体と、アイムールに使われている紋章石の個体)
一方、フォドラ十傑の英雄の遺産を模した武具に埋め込まれた紋章石は不完全なものであり、フォドラ人を魔獣にすることはできるものの、血に宿る紋章と適合するには至っていない段階のプロトタイプの人工紋章石だったと考えられる。
つまり、人工紋章石を作る意味とは何もアガルタ側の魔獣生成という戦力拡大に留まらず、最高傑作のエーデルガルトや切り札のネメシスに適合する紋章石搭載武器を作り上げる意味もあった、というより寧ろそちらが本命で人工紋章石研究の到達点だったのではないだろうか。
第1部最終戦の月でハンネマンが「帝国が聖墓の紋章石を回収した理由」として魔獣生成という答えに至っているが、それは一部正解に留まり恐らくミスリードだったのかもしれない。
それとは別に、フォドラ十傑やネメシスの英雄の遺産を模した武具は、見た目自体はオリジナルの英雄の遺産と同等なので、英雄の遺産が生物の死骸から作られていることを考えると、同じ紋章情報を持つ女神の眷属はザナドに複数存在していたという考えが一層強まる。
血の改造
エーデルガルトとリシテアはアガルタの民によって血の改造を受け、元々紋章を持っていた体にさらにもう1つの紋章を宿す形になっている。
その影響か、髪は白髪化し、プロトタイプだったリシテアは寿命が大きく削られる結果となる。エーデルガルトは最高傑作とされる。


ジェラルトに関してもシトリーと結ばれるより遥か前、元々紋章を持っていなかったが、レアによって救出された際に彼女の血を受け、セイロスの紋章を宿すと共に数年のタイムラグを経て、女神の眷属と同じような実質不老の体質となった。

元々紋章を持っていないユーリスやバルタザールは女神の眷属(四使徒のうちのオーバン、シュヴァリエ)の血を受けることでジェラルトと同じように後天的に紋章を宿しており、ユーリスに至っては主人公とのペアエンドで、女神の眷属と同じように実質不老だったとされる。
バルタザールに関してはどのペアエンドでも死亡するまでの過程が書かれていないので、明記こそされていないが恐らくユーリスと同じく実質不老と思われる。
これらの違いとして、エーデルガルトとリシテアに関しては、2つの紋章を宿すという前提の下で実験を行われている。
そもそも、1つの身体に2つの紋章を持つこと自体が本来はあり得ないため、これはアガルタの民による動物実験でのさらなる技術発展・追究の領域といえる。
ジェラルト、ユーリス、バルタザールに関しては元々紋章を持っていないため、エーデルガルトやリシテアのような危険性を伴うことは無かったのだろう。
元を辿ればフォドラ十傑やネメシスの時点で、紋章のない盗賊の彼らに女神や女神の眷属の血を与え紋章を宿させており、紋章の無い者に紋章を宿す血を投与することは太古より確立されている。


幾千年の時を経てもアガルタの民は女神の眷属やソティスを倒し自分達の大地を取り戻すため、常に技術発展に力を尽くしている。
その執念は凄まじい。
女神の眷属と紋章と十傑子孫らの関係性
現在の風花雪月の時間軸における生徒達の持つ紋章は、盗賊集団フォドラ十傑がアガルタの民により(恐らく亡骸等の情報は何も知らされずに)与えられた女神の眷属(ナバテアの民の亡骸)の血によるもの。
2周目以降の引継ぎデータで名声値と引き換えに入手できる「紋章アイテム」は、『〇竜の証』といった命名法則であり、〇に当てはまるものは紋章に対応した女神の眷属(ナバテアの民)の名称、或いは特徴を示しているようであり、これらの竜の遺伝子情報をフォドラ人が取り込んだ結果、十傑の子孫らや彼らが作る国の特徴もまた、その遺伝子情報にある程度左右されているような印象がある。
また、各紋章は「タロット(大アルカナ)」になぞらえている模様。

推測ではあるが、具体的には下記。
『万紫千紅』で現状公開されている範囲の紋章持ちも一応記載。
| 紋章証(竜名) | 紋章(タロット) | 宿すキャラ | 適合武器(戦技) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 無し (女神ソティス) | 炎 (世界) | ネメシス 主人公 エーデルガルト | 天帝の剣(破天) 天帝の覇剣(覇天) 天帝の闇剣(崩天) | 3人とも、自分の信念の下でフォドラを導くという目的を成就させようとしている。 恐らくだが3人とも世界に選ばれるべくして宿していると思われる |
| 空竜 | セイロス (女教皇) | 白きもの(※レア、セイロス) ジェラルト エーデルガルト | アイムール(狂嵐) セイロスの剣 セイロスの盾 | 優しさで人々を教化するが、己が目的や秘密を抱え心は孤独で空虚 |
| 風竜 | マクイル (魔術師) | 風を呼ぶもの(※マクイル) | ベガルタの剣 | 四聖人の一体。 鍛冶が好きだった模様。神聖武器を作り出したのも彼とされる。 鍛冶・発明で新たな時代の風を齎すか |
| 光竜 | セスリーン (恋愛) | フレン(※セスリーン) リンハルト | カトゥゲウスの杖 | 四聖人の一体。 アビスの隠蔽書物にセスリーンと愛を語るものがある。 支援会話でも色事に興味ありらしい。 四聖人の中では聖人、光の面が強い |
| 地竜 | キッホル (正義) | セテス(※キッホル) フェルディナント | アッサルの槍 オハンの盾 | 四聖人の一体。 両者とも、教団や貴族に対し公正を常に求め続けるが、偏向していることもある。大地のように固い意志を持つ |
| 水竜 | インデッハ (節制) | 動かさざる重きもの(※インデッハ) ベルナデッタ ハンネマン | 尽きざるもの | 四聖人の一体。 インデッハも引き籠りらしい。水に潜み節度を守っているイメージか |
| 氷竜 | オーバン (刑死者) | オーバン ユーリス <カイ> | ドローミの鎖環 | 四使徒の一体。 一見氷のように冷たい性格で投げやりなように見えるが、自分の目的のために忍耐を続けながら賢明に立ち回る |
| 雪竜 | シュヴァリエ (太陽) | シュヴァリエ バルタザール | ヴァジュラ(魔拳) | 四使徒の一体。 自身の両親の経緯や借金という吹雪のように厳しい境遇の身でありながら常に前向き。 |
| 萌竜 | ノア (法王) | ノア コンスタンツェ | 四使徒の一体。 花を咲かせるような奇抜な魔法を開花させるなど、発芽的要素が多い。ヌーヴェル家復興に執着する辺り伝統も重視していると窺える | |
| 闇竜 | ティモテ (星) | ティモテ ハピ | 四使徒の一体。 動物と触れ合えるという特異な能力から希望や失望を複雑に絡み合っている | |
| 惨竜 | ブレーダッド (剛毅) | ブレーダッド ディミトリ | アラドヴァル(無惨) | フォドラ十傑。 ファーガスの成り立ち、ルーグの時代から続く何も知らない状態への甘え、妄執、青獅子の未来など惨めな要素が目立つ。 ブレーダッド一族は代々肉体が強いらしい |
| 盾竜 | フラルダリウス (皇帝) | フラルダリウス フェリクス ロドリグ | アイギスの盾 モラルタの剣 | フォドラ十傑。 ブレーダッドを安定させる盾。フラルダリウスは女性だが責任感ある男性らしさが強かったのだろうか。 フェリクスを見れば分かるがファーガス組では一番マシ |
| 裂竜 | ゴーティエ (死神) | ゴーティエ シルヴァン | 破裂の槍(裂空) | フォドラ十傑。 女性を口説くなどで関係に亀裂を入れつつ別れたり新たな出会いがあるなど |
| 護竜 | ラミーヌ (審判) | ラミーヌ メルセデス イエリッツァ(エミール) <ディートリヒ> | ラファイルの宝珠 タスラムの弓 <アンスウェラー> | フォドラ十傑。 バルテルス家での別れ、その後に庇護欲を持つメルセデス、死神の人格を持ちながら姉メルセデスを護りたいイエリッツァ |
| 砕竜 | ドミニク (女帝) | ドミニク アネット | 打ち砕くもの(砕塵) | フォドラ十傑。 父ギルベルトとの家庭関係に挫折気味だが繁栄を齎し現実を砕きたいと願う |
| 炎竜 | ダフネル (戦車) | ダフネル イングリット | ルーン(震炎) | フォドラ十傑。 騎士としての道を一歩ずつ前進していくが、幼馴染のシルヴァンやフェリクスに対しては炎の如し。 ガラテア家もジュディットも短気気味 |
| 星竜 | リーガン (月) | リーガン クロード | フェイルノート(落星) | フォドラ十傑。 パルミラとフォドラのハーフという不安を抱きながら、教団の嘘を見抜きつつ野望が好転し新たな星となっていく |
| 劫竜 | ゴネリル (運命) | ゴネリル ヒルダ | フライクーゲル(劫火) | フォドラ十傑。 フォドラの喉元での対パルミラやクロードの存在などで常に運命が変動している。ゴネリル家の力で戦場は劫火の如し |
| 賢竜 | グロスタール (隠者) | グロスタール ローレンツ リシテア | テュルソスの杖 ウコンバサラの斧 | フォドラ十傑。 親帝国派のグロスタール家らしく陰湿で賢く慎重な面が強い |
| 雷竜 | カロン (塔) | カロン カトリーヌ リシテア | 雷霆(雷迅) | フォドラ十傑。 コーデリア家での出来事やガルグ=マクへの主人公の登場でレアが変化するなど、雷の衝撃の如く平穏が崩壊したり緊迫する |
| 嵐竜 | モーリス (悪魔) | モーリス マリアンヌ | ブルトガング(獣牙) | フォドラ十傑と同じ位置にいた者。 獣の紋章。 両者共に、嵐のように荒れる自分の中の悪魔ともいえる獣を恐れ人を避ける |
| 棘竜 | エルネスト (愚者) | エルネスト? アンナ | 良くも悪くも刺々しい商人という面が自由で落ち着きがない。 因みに本編でエルネストは語られていない |
傾向として、アドラステア帝国の生徒には聖人(セイロス、マクイル、セスリーン、キッホル、インデッハ)の子孫が多く、アガルタの民によって分裂していったファーガス神聖王国・レスター諸侯同盟には英雄の遺産と適合するフォドラ十傑の子孫が殆どを占めることが窺える。
というよりも、アガルタの民がファーガス神聖王国を独立させた時点で、アドラステア帝国に残った十傑の血を受け継ぐ家はメルセデス・イエリッツァ(エミール)の持つラミーヌの紋章である「バルテルス家」しか残っておらず、その他の十傑+獣の紋章(エドマンド家)は全てファーガスとして出ていってしまっている。
何故こうなっているのかとなると、このように仕向けたのは軍師パーンをはじめとしたアガルタの民であることから、聖人(純獣)に連なる者とフォドラ十傑(獣の血を移されたフォドラ人)に連なる者を分断することで、それぞれの血の情報を研究するためだったのではないかと考えられる。
現フォドラでは、アドラステア帝国では聖人セイロスに連なる者(フレスベルグ家)が血の実験を受け、ファーガスから分裂したレスター諸侯同盟ではフォドラ十傑に連なる者(カロンの血を継ぐコーデリア家)が実験を受けている。
残ったファーガス神聖王国にこういった表立った行為をしなかったのは、パーンがルーグを唆し独立させた時から一貫してファーガスを惨めな無知な傀儡とするためだろう。これはランベールやディミトリといった現ブレーダッドの代までずっと成功している。
各ルートの存在意義
ペアエンドは基本的には考慮しない。
数多分岐するエンドの中でそのピンポイント一つをとっても全体としての正史とは言えず、あまり意味がない。
因みに、ペアエンドを考慮すると国交を開くものが割と多いのでクロードの夢が別になくても良くなってしまう。
エーデルガルトルート
侵略というよりは解放者という見方の方が強い。
金鹿の学級編では同じく「解放軍」を名乗るネメシスがいるが、あちらとの違いはアガルタの民に抗うか否か、アガルタの民のために解放するのかフォドラ人の未来のためなのかの違いかだろう。
エーデルガルトの目標は下記の通り。
- 「紋章至上主義」という生まれながらの身分差別構造と、それによって生まれる腐敗した貴族制度(七貴族の変などが例)の撤廃
(「身分制社会」の破壊) - 偽りの女神を信仰させる宗教の教義(本物の女神ソティスは望んでいない内容)として紋章至上主義を説いて先述の貴族制度を敷き、各勢力の王政に関与し、各貴族に英雄の遺産を分配する「神権的かつ封建的な身分秩序構造」を作り上げている女神の眷属という獣によるレア率いるセイロス教団(主に教会の上層にあたる中央教会)の体制を破壊
(政教分離(現政教一致体制からの脱却)及び、帝国の「中央集権制」への移行(中央教会の神権的・封建的な身分秩序構造な階層社会からの脱却)) - 女神の眷属という人ならざる力を持つ獣がフォドラの中央から神権的・封建的な身分秩序構造な階層社会によってフォドラ全土を統治するのではなく、人の手と力で人の世界を作る。
即ち先述の通り、貴族や紋章という生まれによって決まる身分差別社会、及び政教一致の神権体制ではなく、実力を重視する近代的な中央集権社会の構築
(「能力主義」「近代的な国家官僚制」への移行。これは国家作りとなるので即ち「フォドラ統一」となる) - 地下都市シャンバラを拠点に活動し、現フォドラ人を滅ぼそうとするアガルタの民の殲滅
アドラステア帝国は、ソティスが新たに作り上げたフォドラ人の中では、レア(セイロス)やアガルタの民の関与もあってか最も戦争の意味とやり方を理解している勢力であると感じられる。


第1部時点でレア率いるセイロス教団(中央教会)の手法・統治に不満を持っているという者はそこそこいるので、別ルートでの戦争開始前に「理想の為に世界の半分を敵に回す」という表現は割と人口分布の面でも表現されていると思われる。
フォドラにはセイロス教(特に教団・中央教会の政教一致での信仰体制)の強い宗教観が根付いてしまっているため、教義という洗脳から解き放つには犠牲が伴う武力以外にはない、というのも非常に現実的で生々しい描写だと感じられる。(そもそも教会は異教徒の対話に応じる気がないので武力行使以外の選択肢はない)
他ルートと比較しても、戦争が最も早く終わる。似たような野望を抱えるクロードルートよりも圧倒的に早い。
逆に、ディミトリルートは妄執癖が全開の無駄な戦いの多さも相まって戦争終結までが最も長く、当然ながらそれに比例し犠牲も圧倒的に多い。
というよりも、教団が存在する限り紋章至上主義が敷かれ続けるので、生まれながらの身分差別構造による犠牲者は無限に発生し続けるが、教団を戦いで破壊すれば犠牲者は有限的に抑えられる。




また、主人公や生徒達は自分の意思でエーデルガルトに賛同したと公式的に述べられている。
(『新皇帝エーデルガルトによるセイロス教団への宣戦の際、主人公や黒鷲の学級の皆は彼女の考えに賛同。』)

第1部最終盤で戦争を始める際、ガルグ=マクに辿り着く2週間までの猶予の中で、セイロス教団(中央教会)から離反したい者は敵として認識しないという救済行動をとっており、また最終戦フェルディアでの戦いでもカトリーヌの言葉を振り切って王都に火を放って籠ったレアに対し降伏を要求しているので、一方的ではないことが分かる。



アドラステア帝国から代々伝わる歴史とアガルタの民から与えられている歴史があるとはいえ、エーデルガルトの語る言葉の中に細かな歴史の部分でちょくちょく正史と差異がある(ネメシスが盗賊であること、アドラステア帝国からファーガスが独立した経緯を知らない点など)のが気になるところではあるが、情報を知っているのは歴史を生き工作してきたアガルタの民と女神の眷属しかいないので、この辺りは仕方がない感じはする。

とはいえ、金鹿の学級編では卓上の鬼神の異名を持つクロードがあれこれ推測をするが殆ど外れで、正解は女神の眷属本人から最終決戦前に語られる始末で、青獅子の学級編に至ってはそもそも情報の欠片すら持たず知ろうともしないまま終わっている。
それらに比べれば、フォドラを女神の眷属(獣)から人の手に取り戻し、人が世界を作るという理想を掲げるうえでは、必要な情報(セイロス教団の存在と行い、女神の眷属等)は概ね確保したうえで戦場へ赴くことはできている。
身内が結束しているファーガス組と違って、七貴族の変を経ているので頼れる家が殆ど無く、ヒューベルト(ベストラ家はアテにならない)、イオニアス9世あたりだけでここまで情報を得て行動を出来ているスペックがヤバイ。
(ヒューベルトのベストラ家も七貴族の変に関わった家の一つで、ヒューベルトの父=ベストラ公もフェルディナントの父のエーギル公に負けず劣らずの中々に腐敗した貴族であったため、ヒューベルトは幼少期から家に背いて単身でエーデルガルトの腹心であり続け、戦争開始前に父を殺害している)


エーデルガルト自身を苦しめたアガルタの民と結託して計画を進めているが、この辺りも現実の戦争を生々しく投影していると感じられる。
エーデルガルトにとって倒すべきは、古の超技術を持つアガルタの民と、人成らざる化け物の力を持つ女神の眷属(セイロス教団=中央教会)の2点だが、この2つをアドラステア帝国単体で壊滅させることはどう考えてもまず不可能。
金鹿の学級編がレスターと教団を用いてシャンバラを壊滅に至らしめたように、アドラステア帝国ともう1つの勢力を以て、残りの1つを壊滅させることが得策となることは自明。
とした場合に、教団の教えを真摯に信仰するファーガスやレスター(親教団派)は端から候補から除外されるので、教団と組んでアガルタを先に倒すか、アガルタと組んで教団を先に倒すかに絞られる。
第1部時点ではミサイルが発射されていないためアガルタの本拠地であるシャンバラの場所を特定できない状態であることから、アガルタと組んで先にセイロス教団(中央教会)を倒す方が最も確実で現実的となる。
エーデルガルトルートでヒューベルトが語る通り、自分に改造を施し父をも苦しめたアガルタの民と結託すること自体は胸が張り裂けるほど苦しみで本心では結託は反対であるが、前述の通りなのか確実に勝利するためヒューベルトの説得により、しばしの間それに耐える選択をしている。
主人公もまたジェラルトの仇であることを認識したうえで行動している。これは先述の通り、主人公は自らの意思でその道を進むことを決めている。
現実の軍事においても、こういった「対立しているが共通の敵がいる場合には一時的に手を組む」ことは珍しいものでもない。




ここまで強く行動しながらもやはりエーデルガルト自身は不安や恐怖を抱いており、主人公に手を差しのべられたという精神的支えの度合いはかなり大きいのだろう。
他ルートを見ても、グロンダーズの会戦やアンヴァルでの戦いでは自分の夢を貫こうと固い意志を持っているが、やはり主人公に手を差し伸べてほしかったと述べている。




フォドラ統一後の対アガルタに関して、特に問題は無いと思われる。というよりも明確に討滅できたと語られている。
先生ルート・金鹿の学級編でヒューベルトがミサイルの発射座標からシャンバラの位置を割り出しているので、こちらのルートでも同様に突き止められると思われ、戦力においても史上最強と謳われるイエリッツァや化け物級のベルグリーズ伯がおり、その気になればレスター地方のホルストも呼び込めるので、どこからどう見ても負ける要素が微塵もない。
何だったら、生かしておいたクロードが恩返しでパルミラを援軍として呼び込んでくれてオーバーキルに持ち込める可能性さえもある。(ナデルがミサイルにビビり散らかして逃げる可能性もあるが)


ただ、実力主義のフォドラにしたとして、問題になってくるのはやはり対周辺国。
特にファーガス地方ではスレン族に対し、ゴーティエ家が破裂の槍の力を持って領地を守っているという面があるので、紋章・貴族・英雄の遺産以外の実力でこれまでのように対応するというのはかなり厳しい。
となれば、レスター地方のゴネリル家のホルスト(十傑バフ全開のネメシスと戦って取り敢えず生還できる)、アドラステア帝国のベルグリーズ伯のような化け物級を見出して起用する形になっていくのだろうか。或る意味では実力主義。
相手はフォドラ外の普通の人間なので、同じ紋章無しの人間で対応できないというわけもないだろうし、レスター地方では対パルミラにおいて紋章無しのホルストで対応できており、中央教会の説く紋章至上主義と中央教会の管理する英雄の遺産という前提があったからゴーティエ家はそれに囚われ、紋章無しの子を何代にも渡って冷遇し続けていたと考えられる。
その結果、紋章持ちのシルヴァンが産まれてきて最も冷めたい仕打ちを受け、好きでなりたいわけではなかった盗賊(ストーリー中で述べられている)に生き延びるために身を落とさざるを得なくなったマイクランという存在が生まれてしまったのだが。

しかし、紋章至上主義に囚われたゴーティエ家は、マイクランやそれ以前の紋章を持たない子を徹底的に冷遇していた。
また、実力主義に関しては我々の世界でも見られるが、実力のある者達が新たな支配構造を作り上げる可能性も懸念される。これが一番怖いが、ヒューベルトやフェルディナント、純粋なカスパルらがいるのであれば大方何とかなるのかもしれない。
エーデルガルトルート第2部でのエーデルガルトとのお茶会で「自分の子に皇位を継がせるつもりはなく、優秀な赤の他人に譲るのが理想」と世襲制を明確に否定しており、エーデルガルトとカスパルの支援会話でも世襲制は明確に否定しているので、国として世襲制になることはまず無い。





ペアエンドの話にはなるが、フェルディナントとエーデルガルトのペアエンドでは世襲制は破壊されたとある。
世襲制になってしまえば実力のないものが権力を持ってしまう形、つまりエーデルガルトの掲げる政策とは真逆になるのでそもそも世襲制はエーデルガルトやその後継者による治世では容認すらされないし、どちらかといえばそれは弱者に対する手厚い救済を謳うディミトリの体制だろう。
セイロス教に関して、ガルグ=マク修道院、士官学校、宗教自体は残っているが、レア=セイロスを倒すために戦争を戦い抜いたのでセイロス教の名は使えるとは思えず、再建の変革・過程で別の名や教義等になっているのだろう。(ソティス教?など)
そもそも、エーデルガルトが破壊すべきは人成らざるもの(女神の眷属)と、レアをはじめとしたそれらが作り上げ人々を苦しめる中央教会(教団)を主軸とする制度と主義及びそれらが掲げる偽りの女神であったので、人々が本当の女神ソティスに対する信仰を心の拠り所にすること自体は否定していない。
セイロス教自体が英雄の遺産などを以て各国の王位継承や政治に強く干渉する政教一致・神権的かつ封建的な身分秩序構造の体制であったため、これを変革するということは即ち政教分離及び中央集権制への移行になるといえる。

セイロス教に救われた人もいることに関しても、エーデルガルトは全てを否定するわけではなく、あくまで紋章至上主義を教義として敷いて生まれながらの身分差別構造を構築している教団(中央教会)の破壊を目的としているので、女神ソティスを信仰することで救済された者を否定しているわけではない。
そもそも、エーデルガルトは本来の女神ソティスの存在そのものは全く否定しておらず、否定対象となっているのはソティスの望んでいないことを宗教を利用して女神の応え(=偽りの女神)として信仰させ、ソティスが願っていないことをしている教団及びレア。
ディミトリルートの最終戦前のエーデルガルトとディミトリの密談でも、この辺りの読み取りを間違えてはいけないと思える。(エーデルガルトがディミトリに対し述べているのは、『レアが紋章至上主義を教義とし生まれながらの身分差別構造を作る教団が掲げる偽りの女神を信仰しても、”本物の女神ソティス”は応えてくれない』という意味)


そのうえで、教団が敷いている生まれながらの紋章の有無や家柄(血統)による身分制ではなく、各々が生涯において身につける実力によって出世が決まる新たな社会構造を作り、先述の通り治世が落ち着いたらエーデルガルト自身は皇帝の座を退くことで自らの権力基盤を削りつつ、自分の子でもない別の人間にその座を譲るとあるので、エーデルガルト自身は社会構造を変革し終えるまでの装置でしかない。
そしてそれらを以て世襲制を破壊するとしており、これらは自らの後継を固定する政策とは真逆(エーデルガルトは先述の通り、権力の集中を”固定しない”)であるため、エーデルガルトや特定の人物による独裁政治になることはあり得ない。
仮にエーデルガルトが独裁者になる気があるのであれば、レアのように永遠にトップの座に君臨し続け、自身の神格化を強要したり、血統(=紋章・身分)の正統性を強調するものだが、彼女は前述の通りそれら(教団の敷く体制)を否定している。
それに加え、このルートでは主人公が女神ソティスの力を失い且つ大司教の座に就かないという結末となるので、他ルートでのソティスの力によって永遠に近い命で教団で大司教として君臨し続ける結末の方が、或る種独裁の面があるといえる。
また、エーデルガルトの目指す社会構造が共産主義的と誤解されがちであるが、彼女は共産主義における「生産手段の共有」「私有財産の否定」「階級そのものの廃止」までを目指してはいない。つまり、共産主義のような「皆で共有する理想社会」ではない。
あくまで、教団が教義によって敷いていた神権的・封建的な身分秩序構造を破壊し、秩序は残しつつ、世襲を否定し能力主義に基づいた中央集権体制・近代的な国家官僚制に変換することが目的である。
これは国家を作り上げるという形になるので、それは即ち「フォドラ統一」となる。
最近は、本来存在していた女神ソティスが成し遂げるはずだった人類の成長をエーデルガルト(或いはヴィルヘルム後の皇帝たち)が実行した、という見解も個人的に生まれつつある。
つまり、アガルタの民に関して技術水準は我々の世界と同等レベルである一方、アガルタ文明の国家体制的なものはレアの作り上げていた社会構造と同等レベルでしかなかった、という形として捉えている。
(ティニスなどの神々の信仰に関する宗教対立が予想通りであれば、それはレアの教義体制とほぼ大差がないため)
それ故に、後述でも述べるが全ルートの中でも公式的には、フォドラの未来を捨てたディミトリルート及び先生ルートや近代国家レベルの体制になり切れないクロードルートではなく、近代国家の体制へと移行していくエーデルガルトルートが正史という雰囲気を出している可能性がある。
『無双 風花雪月』をまだプレイしていないし、『万紫千紅』の存在もあるので断言はできないが。


不満があるとすれば、アガルタの民との決着がつけられなかったこと。
エピローグで扱う程度に留まるのがただただ疑問。
「犠牲が少ない方法を選ぶ」を体現しているためか全ルート中で最も戦争が早く終わるとはいえ、やはり2部の計6話はゲームとしては短すぎる。
対シャンバラ編のエピソードを用意してほしく、イエリッツァをシャンバラで戦わせたい。あったらシャンバラ内部でネメシスやフォドラ十傑と戦ったりもしたのだろうか…。
それに加え、いくら英雄戦争でレアと共に戦い同じ女神の眷属であるとはいえ、セテスとフレンが帝国側につかなかったという点も腑に落ちない。
特にセテスに関しては、娘のフレン(帝都アンヴァルの生まれ)を救ったという恩を抜きにしても、物語開始早々からレアの行動には疑問を抱いており、かつ中央教会が教義によって敷いている紋章至上主義を批判し、先生ルートではレアとフォドラのどちらをとるかとなった際に「フォドラを選びレアを討つ」選択をしている、セテスが教団のトップに就くエンドでは教団の大幅な改革をしているにも拘わらず、それでも本ルートではレアの側についているのはやや不自然。
シナリオ的に考えれば恐らく、シナリオのゴールとしては「女神の眷属は残らず死滅させる」という目標があったからこのような形になっているのだと思われる。
とはいえ、公式的にはエーデルガルトルートが正史という扱いのようなので、全ルート中最も犠牲と期間が少ないエピソードの中で、最低限やりたいことはやっているという印象。
主題歌の「フレスベルグの少女」がその歌詞から明らかにエーデルガルトの道や想いを示していることからもそうなのだろう。
補完に関しては、エーデルガルトルートの「紅花」の『紅』文字が用いられている新作『万紫千紅』に期待したい。
先生ルート
級長が存在する他3ルートと異なり、フォドラ統一を果たしたものの限りなく「現状維持」。
そのうえ、勢力全てが無くなってしまったことで、フォドラの全てを女神の眷属(獣)率いるセイロス教会がソティス本人の望まぬ形で統治することになる。
フォドラの未来という観点では、全ルートの中でダントツで暗い。
何故こうなのかとなると、フォドラの事も知らない傭兵上がりの主人公が理想もなく「新生軍」を率いることになってしまったからではないだろうか。
他ルートの場合、エーデルガルト・ディミトリ・クロードはそれぞれの過去・生い立ちからフォドラに対し政治的問題を提唱し、それを基に独自の「夢」に向かって戦いに身を投じている。
しかし、主人公の場合はそれがない。
級長を失った本ルートでは、その拠り所がセイロス教会以外には存在しなくなってしまっている。
その結果、「夢」ではなく「セイロス教会」のために傀儡として動いているという形にしかなっていないのが、この先生ルート。
ジェラルトやソティスの「教団やレアには気を付けろ」という警告に背いた結果となる。


エーデルガルトの主張する腐敗した貴族制度や紋章至上主義、ディミトリの主張する弱者が虐げられる社会、クロードの主張する封鎖的なフォドラの体質。
これらのフォドラの未来には重要な要素にはいずれにも目を向けず、その場の敵を倒すだけで現状維持を貫いて終わる。
或る意味では、全ルートの中で最も「虚無」といえる。
セイロス教に関してはほぼ何も変わらない。
今まで通りソティス本人すら望んでいない偽りの女神を崇め、女神の眷属という獣の下僕としてフォドラ人が生き続けるだけとなる。
よりにもよって、金鹿の学級編と違ってレアが死亡していないのが、この先のフォドラを考えてもまたネックなところ。
青獅子の学級編
全ルートや全支援会話を経てDLCのアビスの書物を読み解くと、初プレイ時とは印象がガラリと変わる。
先述のアビスの書物の通り、ファーガス神聖王国という国自体が誕生する際から既に闇に蠢く者(アガルタの民)に関与されており、ロナート卿の件やダスカーの悲劇に関しても内乱・同士討ちによる戦力削減を狙ったアガルタの民の工作であるが、本ルートで彼らについて触れる展開は殆ど無い。一体何がしたかったのか…

そもそも、盗賊ブレーダッドの子孫であり帝国貴族のルーグがアガルタの民(十中八九、軍師パーン)の策でアドラステア帝国から独立宣言をさせられてファーガス神聖王国を築いた後、ファーガスにはアガルタの民に関する情報は殆ど残されておらず、先述のロナート卿の件やダスカーの悲劇においてもアガルタの民の痕跡を消されているので、ファーガス神聖王国はアガルタの民の情報を全く得ることができないまま、フォドラの歴史の一部や真相を知る者達の戦争に巻き込まれていく。
或る意味では、無知のルーグがアガルタの民の分断工作と戦火を加速度的に助長させたという形でもある。
こうなると、アッシュが憧れている獅子王ルーグに纏わる騎士道物語の評価も随分と変わってくるもので、この騎士道物語はアガルタの民(軍師パーン)がファーガスを骨抜きにするため、或いはルーグが旧ファーガスの暴挙と自身の盗賊としての本質を隠蔽するために作り上げた偽りの書物なのではないか、と考えられる。
言わずもがな独立当時も現在も一貫して「情弱」国であり、国家運営や戦争において情報とは何より重要なものであり知らぬこと自体が罪であるので、俯瞰して見た場合にこれほど惨めな国は他になく、ファーガスという土地そのもの貧困さや、王子も王子でアガルタの民の策に上手く嵌って士官学校入学以前から妄執と化していることから「滅びて当然の国」であり、本ルートでの結末は「生き残ったのが奇跡としか言いようがない」。


ダスカーの悲劇などアガルタの民が関与した出来事の被害者(フェリクス、イングリット、ドゥドゥー)がいながらも、青獅子編では相変わらず誰一人として「何も知ろうとしない」というファーガス特有の情弱気質、悪く言えば現実逃避癖がフォドラの「世界」の物語という面を薄くしている。
青獅子の学級編をプレイすると錯覚しがちだが、ダスカーの悲劇でダスター人に対する虐殺を行ったのはランベール率いるファーガス軍であり、この事件を策略的に引き起こしたのがアガルタの民なので、アドラステア帝国はこの事件に何一つ関与していない。
そのため、ダスカーの悲劇を引き合いに王国を見捨ててまで意味のない虐殺を繰り返し、執拗にお門違いのエーデルガルトの首を狙うディミトリの姿が、作中エピソードタイトルの通り「妄執の王子」となっている。
こうした封鎖的・情弱的な立場からファーガス組生徒を別学級へスカウトし、フォドラの歴史の真相を見せつつネメシスや白きものと対峙するという展開は、より見聞を広めさせ大きな成長に繋がるという印象がある。
特にフェリクスに関しては、軍師パーン(アガルタの民)がファーガスを骨抜きにするために広めた騎士思想を批判できるくらいにはファーガスの中では珍しく嗅覚が鋭いので、明らかに青獅子以外の学級にいた方がいい。






そういった面が強いことから、本ルートではフォドラの歴史や成り立ち、正体、そして未来に関してはほぼ度外視されており、重視・全振りされているのはファーガス内での現在の人との繋がり、人の成長に留まっている。
ただその人の繋がりにしても、エーデルガルトは七貴族の変などを経て頼れる身内など殆どいない中でフォドラの未来を案じて(恐らく初代皇帝ヴィルヘルムの代から代々継がれる教団に対する警告などを踏まえたうえで)行動を起こした一方、ディミトリに関してはフラルダリウス家やゴーティエ家などに手厚く守られていながら妄執と逃避を続けていたという点が「惨めさ」に拍車をかける。


他ルートではグロンダーズの会戦でエーデルガルトの首に固執して追う過程で敗れたり、タルティーン平原でエーデルガルトに討たれるなどの死に方をしているディミトリであるが、いずれも死の前後では自分の妄執を気にかけられていたり自問自答する面が多い。
とはいえ、ディミトリの支援会話を知ったうえで本ルートにおいて「絶対的に主人公が必要だったのか?」となると実際はそうではない。
他ルートでは共感や軍旗といった象徴として扱われる主人公には、
- 炎の紋章/炎の紋章石(本物の女神ソティスの象徴)を持つ
- カルト一神教のセイロス教(偽りの女神を信仰させる)を殆ど知らない
という要素があり、エーデルガルトルートやクロードルートではそれらを以て客観視点で現フォドラ(の歪さ)を見つめ、彼らと共に歩むという道を辿る。
エーデルガルトにとってはセイロス教を幼少から憎んでいるヒューベルトではなく、セイロス教を知らない純粋な目でフォドラを見ることができる主人公に手を差し伸べてもらう必要があり、クロードもまたセイロス教を知らず傭兵上がりでフォドラの殆どを知らない主人公と共にフォドラの歴史を読み取る相棒として存在していた。
しかし、本ルートにおける「ディミトリを導く」という目的においては、それらの要素は必要ない。
彼を寄り添って導くことが目的であるのならば本質的には「生存さえしていればロドリグでもいいのでは」という印象を抱いてしまう。
炎の紋章がなくても、セイロス教やフォドラのことを知っていてもそれは可能。
つまり、「ロドリグがいればそのまま立ち直っていたが、ロドリグがアクシデントで死亡したので依存先が彼から主人公へ変わった」ということになる。




そして、本ルートにおいて致命的に問題なのが、セイロス教が教義として掲げる紋章至上主義(とそれによって生まれた腐敗した貴族制度)により、王子ディミトリの求める「弱者が虐げられることのない世界」が否定されてしまっていること。
例えば、身内の青獅子の学級の中にも、生まれながらに紋章を持っているかどうかでその人間の役割・価値が決まってしまう身分差別制がセイロス教中央教会によって主導されているフォドラの中で、それらを持たざる者(ゴーティエ家のシルヴァンの兄・マイクラン、及びマイクラン以前の紋章を持たないゴーティエ家の貴族等)は生まれながらに地獄の苦痛を味わうことになり、例え持って生まれたとしても優劣をつけられ悲惨な運命を辿る可能性がある者(元バルテルス家のメルセデス(+イエリッツァ/エミール))等がいる。
特に、メルセデスがイエリッツァと再会し共に暮らすことができるようになるのは、地獄のような境遇に陥ったエミールを帝国の騎士として紋章という身分ではなく実力を見込んで登用したエーデルガルトの紅花ルートただ一つであった。


しかし、その「生まれながらの紋章の有無によって身分格差が決まってしまう差別体制」という原因を常に作っているセイロス教(中央教会)と繋がり続ける、つまり弱者や苦しみを生み出し続ける原因・構造が存在し続けている状態のままファーガス神聖王国がフォドラを統治した本ルートは、ディミトリが目指すべき世界とかなり矛盾している。
本当に世界を変えるつもりでいるのかどうかさえ疑問になってくる。
それを示唆しているのか、自身の野望の成就がいずれかのペアエンドで語られるエーデルガルトやクロードと異なり、青獅子の学級編でのディミトリにまつわるペアエンドにおいてはどの組み合わせにおいても、「弱者が虐げられる社会を変えた」と明確に語られることはない。




その他、ディミトリ自身もアガルタの民とそれに由来するフォドラの歴史に触れることが無いので、こういった面からもセイロス教中央教会の教義に束縛され自分の目指す世界の足枷となり原因となっている現実に疑問を感じることすらないのが、軍師パーンに良いように操られた先祖のルーグと同じく3勢力きっての傀儡といえる。
それに加え、戦争終結までの時間は最短のエーデルガルトルートとは対照的に、全ルートの中で最も長い。(エーデルガルトがフェルディアでレアを倒すまで6話。それに対し、ディミトリが帝国を倒すまでは10話。因みにクロードが帝国を倒すまで8話。)
ただ、クロードとは違い、主人公らと再会し立ち直るまでは国を棄ててエーデルガルトの首だけを追って虐殺を無駄に繰り広げていた面を考えれば、他全ルートと比較しても進軍経路は歪であるし犠牲者も最多だろう。


エーデルガルトが金鹿の学級編でクロードの野望には好意的に興味を示す一方、どのルートにおいてもディミトリの目指す世界に興味を示さないのは、ディミトリがダスカーの悲劇を抜きにしてもルーグの代から延々と続く妄執質を垣間見て、彼にはフォドラの未来を託すことができないと判断しているからだと考えられる。


実際に、アガルタの民という未曽有の脅威がダスカーの悲劇、ロナート卿の反乱等で幾度も暗躍しているのだが、ディミトリルートにおいては彼らの正体を掴むことなく、ひたすらお門違いのエーデルガルトを追ってかなりの戦力を使って倒しているだけで終わってしまっている。


また、アランデル公(タレス)をデアドラで倒しているとはいえ、アガルタの構成員の殆ど(ビアス、ピッタコス、キロンなども)が残っているはず。
帝国戦直後に本当の敵であるアガルタの民の襲撃が始まると思われるので、情報を碌に得ておらず帝国との戦いで消耗し尽くしたファーガス神聖王国がどこまで太刀打ちできるか。
このルートだとシャンバラからミサイルが発射されておらず、対アガルタにおいてかなりの能力を持つヒューベルトもシャンバラの座標を突き止めることがないまま死亡しているので、アガルタ側はシャンバラの座標を特定される恐れが殆ど無い状態で大量のミサイルを使用でき、ファーガスはその未曽有の大襲撃を受けている中で情報も知識もゼロの状態からシャンバラの位置を手探りで捜索することになるが、恐らくその過程でフォドラが滅びそう。
エーデルガルトルートと異なり、最強クラスのイエリッツァやベルグリーズ伯も死亡しているので戦力的にも乏しく、下手をすれば、ディミトリの代ではないにせよ全ルートの中で唯一アガルタの民が勝利し地上を獣の手から取り戻すという悲願を成し遂げることができるということも考えられてしまう。
DLCのアビスでのアガルタに関する補完やファーガスの成り立ちや、ディミトリがフォドラの未来を全く見ていないこと、そしてブレーダッドの紋章アイテムに「惨」の文字があてられているところ等を見ていると、寧ろそういう意図で話を作っている可能性もある。



セイロス教に関してはほぼ何も変わらない。
今まで通り中央教会の下でソティス本人すら望んでいないレアの掲げる偽りの女神を崇め、女神の眷属という獣の下僕としてフォドラ人が生き続けるだけであり、その状態の中でディミトリの論理を説いても、現実的には腐敗した貴族制度や紋章至上主義(身分制社会)が続くので弱者は虐げられる。
そもそものところ、「弱者が虐げられることのない世界」というものが、エーデルガルトの掲げる「中央教会の現体制を破壊し、生まれながらの紋章ではなく生まれた後に培われる実力によって決まる世界を作る」やクロードの「中央教会の現体制を破壊し、フォドラの内と外を隔てる壁を壊すことで種族間の隔たりを無くす」といった具体的な野望・夢と比較すると、あまりにも抽象的すぎるというところもある。
そして前述の通り、エーデルガルトやクロードと違ってそれが成就したと語られることが無い。
成長する過程の物語は非常に熱い展開なのだが、フォドラ全体と未来を見ると全ルートの中でも浅いものとなっている印象が強い。
セイロス教(中央教会)やアガルタという未来の障害を度外視すれば綺麗な物語なのだが、それらを避けて通れないフォドラ全体を俯瞰してフォドラの未来を考えるとなると話は大きく違ってくる。
金鹿の学級編
フォドラの内外を隔てる壁を破壊することでセイロス教の封鎖的な国交関係を改善し、所謂「多文化共生」を齎すことがクロードの夢。(自分の出自を徹底して隠しながらそれを謳うのもどうかと思うが…)
フォドラ統一後、エーデルガルトがフォドラ内部から変えていくのに対し、クロードは外から変えるという形。


これに関してはファンタジーだから上手くいくというものがあるが、現実問題となると、それぞれの国の文化や価値観を互いに譲歩し合って折り合いをつけるということはまず無理。
どの国でもそうだが、その国が成り立ってきた歴史や国家性から根付く文化や思想があり、それを外圧によって捻じ曲げるということは国家の否定・破壊に繋がるので、常に多文化が混ざり合うことで構成されてきた国以外では到底できず危険。


フォドラの場合はどうかというと、ソティスや女神の眷属、アガルタの民によって紋章を宿す生物や地球外生命体に連なる者が存在する国となっているので、フォドラの外の国々がそういった生物を同じ人間として見て受け入れるか、或いはアガルタの民と同じように全く別の生物・獣として見るかで、フォドラ人と周辺国人の価値観・やり取りは変わってくるだろうし、その中で生物としての優劣をつけるための戦争なども起こることは否定できない。
周辺国の認識次第では、かつてのソティスvsアガルタの民、女神の眷属&フォドラ人vsアガルタの民と全く同じ対立構造が生まれることになるかもしれないというのが、また人間らしいところだなと思う次第。


ただ、そこはファンタジー・架空の世界ということで、クロードの夢を実現するという展開になぞらえるならば、問題なく共有はできていくのだろうと思う。
また、そうした夢の為に、何も知らないなりに修道院やフォドラの歴史の謎についてしっかり踏み込みながらセイロス教に疑問を持ち、アンヴァル攻略後にヒューベルトの手紙を介してエーデルガルトの意図を理解し、フォドラの未来を案じるという点は大きく評価できる。

エーデルガルトの野望と似てはいるものの、クロードの夢は「国境の壁の破壊」「異文化融和」というものであり、エーデルガルトの「近代的な国家の形成」という具体策よりはかなり抽象的。
つまりクロードは、エーデルガルトのような政治の再設計ではなく、単純に世界観を開放することに重きを置いている。
エーデルガルトの目指す国家作りと同じく自身の夢を実現することで、レアの神権的かつ封建的な身分秩序構造体制は破壊される一方で、エーデルガルトとは違い、そうして新たに生まれる国家の骨格がどうなるかは明確に語られておらず漠然としている。
ここが、個人的にフォドラの未来を考え解放と統一を掲げるエーデルガルトとクロードの2つのルートを天秤にかけた場合、エーデルガルトルートの方が好感が持てる点となっている。
クロードがパルミラとのハーフなので展開上パルミラと深い交流を持つというのは仕方がないのかもしれないが、フォドラの喉元にちょくちょく入り込んできて喧嘩をふっかけ、シャンバラのミサイルを見たらビビってすぐ逃げるパルミラ(を率いる国王ナデル)に今のところ良い印象が全く出てこないので、個人的には無理にフォドラを開かず外交案件的に対処していった方がいいのではないかと感じる。

エーデルガルトルートではホルストに対パルミラを任せるようになっており、この国に対する関わり方の正解は恐らくそれだと思っている。
後は、アドラステア帝国で実質人質だったブリギットの姫・ペトラが死亡したので、従属させられていたアドラステア帝国の崩壊もあってブリギットは黙っていないだろうな、という印象。
これをどうやって納得させたのかは知りたい。
パルミラよりも先にフォドラを統一する理由とは、フォドラが周辺国に囲まれ中央に位置している国だからだろう。
外界から分裂している国に対しては、戦争を仕掛けるのであれば絶好の機会ではあるが、交友を求める場合となると敵となってくる者が多すぎる。
よって、先に中央に位置するフォドラをまとめ上げることで、少ない負担で交友を結ぶことができる。
とはいえ別ルートのクロードは、フォドラから出ていく(恐らくパルミラへ帰る)という結末になっており、フォドラではなくパルミラから先に変えてフォドラに再干渉しようとしている。
個人的にはその方が良いと思えたりする。


そうなることなく、フォドラを先に変える力を持つことができたのは主人公が金鹿の学級の担任になり、共にフォドラの歴史の闇を解明し続け、「きょうだい」と呼べるほどに信頼を築けてきたからだろう。




レスター諸侯同盟が反帝国・親帝国の2つの立場を取れる領なので、青獅子の学級編では王国側に味方をしていたが、本ルートではアンヴァル攻略後にエーデルガルトの心境を理解していたことから、状況さえ異なれば帝国側に味方し、エーデルガルトと共に『フォドラ解放という共通の夢』を叶えるべく共に結託し、フォドラの未来にとって障害となるセイロス教団やアガルタの民と戦う展開もあったのかもしれない。




セイロス教に関しては、レアが隠蔽していた歴史を打ち明けたうえで死亡していったため、教団の名は改められると思われる。
また級長であるクロードの夢の実現により中央教会主導の封鎖的な政策から脱却でき、周辺国との交流を深めていくことから、日本のような世界的にも珍しい多神教に変化していったのではないかと考えられる。
その多神教を周辺国が認めるかどうかはまた別の話だが…
ラスボス戦はどのルートよりも熱い。ネメシスにフォドラ十傑と大集合。


これらを見て分かること
いずれの問題も解決すべきものがあるが、必ず何か別の者が犠牲となる。
我々の世界でも誰かが幸せになれば別の誰かが不幸になるように、必ず犠牲が付き物。
ディミトリが「犠牲が生まれていいわけがない」と主張しているが、それは絵空事であり、何かを成すには必ず犠牲が生まれる。現に、歴史やフォドラに関して完全に無知といえるディミトリ自身がストーリー中(特に2部)の戦いやスレン族等に対し犠牲をやたら作っている。
エーデルガルトが「人や世界が前へ進む過程で置き去りにされる弱者は甘えているだけ」と主張しているが、その過程の中で人は立ち止まったり後悔したり、時には甘えて寄り添ってもらわなければいけない。エーデルガルトも、自分が戦争を起こす恐怖に対し主人公に寄り添ってもらっているし、白きもの討伐後のフォドラで宗教自体を残していることから、人は信仰か何かしらの形で心の拠り所が必要であることを自覚している。
クロードが「同じ人間だから分かり合える」と主張しているが、アガルタの民とソティスや我々の世界を見れば分かるが実際には分かり合えないことが殆どで、分かり合おうとする度に争いが起きる。
級長3ルートにはそれぞれの正義があり、それに伴う犠牲は必ず生じる。
フォドラの原住民であるアガルタの民もそれは同様。彼らには彼らの旧人類としての正義がある。
因みに、全ルートをプレイ(青獅子→エーデルガルトルート→先生ルート→金鹿)しDLCのアビスやストーリーも読み解いたうえで最も「マシ」と思うのは、個人的にはエーデルガルトルート。
アガルタの民から続く歴史を見ると、女神ソティスすら望んでいないことを(偽りの)女神の教義として敷くセイロス教団(中央教会)の体制構造は破壊し近代的な国家に移行すべきという結論には至るのでエーデルガルトルートか金鹿の学級編の2択になるわけだが、クロードの夢は政治体制の再設計よりも単純な世界の解放というイメージが強い(エーデルガルトほど明確ではない)ので、ということで。
最推しキャラはリシテアちゃん。次点でヒルダかフェリクス。
ペアエンドで好きなのは、
- ベルナデッタ & イエリッツァ
- メルセデス & イエリッツァ
- ヒルダ & カスパル
- フェルディナント & マリアンヌ
- フェリクス & アネット
- フェリクス & レオニー
- シルヴァン & イングリット
- クロード & イングリット
- ラファエル & フレン
- ベルナデッタ & ユーリス
辺り。
『万紫千紅』との関係
四使徒の血
DLCストーリーで登場した四使徒の紋章は、「長い歴史の中で失われた紋章」とされている。
四使徒(オーバン、シュヴァリエ、ノア、ティモテ)は四聖人と同じように女神の眷属(獣)であり聖人とされているが、四使徒の血脈は失われている。
だが、ユーリスやバルタザールはその支援会話で、四使徒の血を(知らずに)飲まされて紋章を宿したらしき経緯がある。
特にユーリスは男性主人公とのペアエンドで、女神に連なる者である主人公と同じように「容姿を保ち続けていた」とあるので、ジェラルトが女神の眷属であるレアに血を与えられ実質不老となっているような形になっているのだろう。




そもそもこの4つの紋章は、地球外生命体ソティスが自身の肉体を蘇らせるために作った「始原の宝杯」を起動させるカギとなっているようで、他の四聖人やフォドラ十傑の紋章とは重要度が異なる。
ソティス自身は死亡後は現世へ蘇ることを全く望んでいないと述べていることを見るに、生前のソティスが自分の目的を果たすにあたって万一の場合を考えて作ったものと考えるのが妥当だろう。
つまり、自分の目的を一応果たし死亡している現在のソティスは、宝杯の儀で復活することを欠片も望んでいないことになる。


「始原の宝杯」での肉体蘇生(宝杯の儀)は、アガルタの民のミサイルを寄せ付けないバリアのようなものを展開できる力がある聖墓が存在するガルグ=マクで行う必要がある。
レア(セイロス)は995年前(英雄戦争が終わった後のガルグ=マク設立と同時)に、この始原の宝杯と四使徒(本人?)を使ってソティスを蘇らせようとしたが、血が足りなかったことで失敗に終わり、始原の宝杯をガルグ=マク大修道院の谷底奥深くに封印したという。
アルファルドが紋章持ちの4人の血を丸ごと捧げようとしていたことから、紋章を持つ本人の全ての血、即ち4人の命を引き換えにすることでソティスは肉体を取り戻せると思われるが、四使徒は流石にこれにはビビったのだろうか。


こういった危険性が四使徒及びその血にあるため、四使徒はレア主導の宝杯の儀の失敗を経て、自分達の血(紋章情報)を歴史の中から消していったということが最有力として考えられる。
つまり四使徒のうちオーバンとシュヴァリエは、四聖人のように子孫を残していたのではなく、自分の血だけを残そうとして世から消え、その血を密かにフォドラ人に与えていったと考えられる。
こうすることで、例えノアやティモテの血を継ぐ子孫が見つかっても、残り2つの血が無いので宝杯の儀は執り行えないという形になる。
一応、ノアもティモテもある程度は隠すつもりはあったように思えるが。
レアには「四使徒の紋章が誰かに与えられることもなかった」と伝わっているが、実際には四使徒は自身の紋章をフォドラ人に与えているので、恐らくはレアのソティスへの異常な執着心と(偽りの女神を教義とする)教団の体制を見て、ジェラルトと同じように教団やレアから自分達と自身らの四使徒紋章を遠ざけ隠していたのではないか、というのが最も有力的に考えられる。


但し、レアや教団から逃れることはできてもアガルタの民には目を付けられていたようで、その内のハピはコルネリアによって、自身のティモテの紋章の力(動物と関わる能力)を実験・増幅され魔獣を呼び寄せる体質となっている。


因みに、DLCストーリー冒頭ではナレーションで、四使徒が宝杯の儀失敗の後に(レアや教団から身を隠すために?)赴いた先と思われる場所について触れられている。
- 一つは森へ、アドラステアの緑深き山麓に。
- 一つは海へ、フォドラの牙にその身を穿つ。
- 一つは山へ、喉元の険しい峰々に体を埋め。
- 一つは街へ、陽の当たらぬ場所で影となる。
分かりやすいものから考えると、険しい山はバルタザールの語る山の地「クパーラ」でシュヴァリエだろう。
また、フォドラの牙という場所はフォドラ西部であるため、そこからドローミの鎖環も存在していたとされるダグザに穿つ、つまり流れ着いたと考えられるので、恐らくはオーバン。
森に関しては、ティモテが自身の紋章(血)によって動物と触れ合うことができたとされるので恐らくそう。
残る街が消去法的にノアとなるが、これは恐らくアドラステア帝国であり、帝国ヌーヴェル家のコンスタンツェが「マクイルの紋章であると偽称していた」と述べているので光と影であるならこう。
そして、『万紫千紅』で登場するメインキャラクターの一人「カイ」は、その身にユーリスと同じ四使徒オーバンの「オーバンの紋章」を宿していることが明らかになっている。
となれば、ダグザの出身だろうか…?(『風花雪月』でダグザ出身のキャラクターにはシャミアがいる)


「ディートリヒ」という存在
カイとは別に、『万紫千紅』のメインキャラクターの一人「ディートリヒ」は、メルセデスやイエリッツァ(エミール)と同じくバルテルス家に代々継承されてきた盗賊集団フォドラ十傑の一角・ラミーヌの「ラミーヌの紋章」を持っていることが明らかになっている。


ディートリヒの容姿がメルセデスの巻き癖の髪、イエリッツァとメルセデスと同じ髪色、イエリッツァの固有スキルと同じ「殺意」という、2人の特徴を併せ持っていることから、ディートリヒは恐らく彼ら2人の先祖(ラミーヌの子孫)であると考えられる。



先述のアビスの書物にもある通り、英雄戦争にて盗賊王ネメシスが討たれた後、彼と共に在った盗賊集団フォドラ十傑は英雄の遺産を携え、セイロス(レア)が作り上げたセイロス教団によって捜索・殺害されたのだが、十傑の子孫はアドラステア帝国で保護され、英雄の遺産は教団が確保したという。
アビスの検閲書物ではダフネル(ジュディットやイングリットの先祖の盗賊)が既に殺されたとあり、彼らの子は帝国の保護下となった模様。
そのため、ラミーヌの子孫と思わしきディートリヒや、その他PVに登場した風花雪月の先祖らしきキャラクター達も、恐らくはアドラステア帝国で保護された十傑の子供達か末裔だろうと推測できる。


『風花雪月』では存在していなかった英雄の遺産「アンスウェラー」
風花雪月で登場した英雄の遺産は先述の紋章リストの通りだが、その中に『万紫千紅』でディートリヒが所有する英雄の遺産「アンスウェラー」(ディートリヒと適合反応を起こしているので、恐らくラミーヌの紋章適合武器)は存在しない。


失われた遺産「ドローミの鎖環」との関係性

オーバンの紋章に適合する「ドローミの鎖環」は「失われた遺産」とあるが、ユーリス&コンスタンツェの外伝でのゲルズ公曰く、これは厳密には「英雄の遺産」に分類されるとのこと。
つまり、フォドラ十傑が持つ英雄の遺産と同じく、アガルタの民によって女神の眷属の亡骸から作られた物体となる。




しかし、オーバンの紋章を宿す血を元々持っていた四使徒オーバンは、ユーリスの言葉通りであれば英雄戦争を終えた後のガルグ=マク設立とレアの宝杯の儀の時点では生存している。
フォドラ十傑やネメシスは英雄の遺産を持って英雄戦争に出陣している(=ザナドの民の虐殺を終え、アガルタの民が英雄の遺産と紋章血を十傑に与えた後)ため、食い違いが生じる。
この時系列の矛盾を解決するための推測としては、自分は遺産と紋章の適合の項で触れた通り、女神の眷属に関しては同じ紋章を宿す血を持つ個体が複数存在していたと考える。
例えばセスリーンの血を持つ個体はフレンだけでなく、フレンの母親もセスリーンと同じ血と紋章を持っている女神の眷属で、その他にもセスリーンの血を持つ竜が人の姿をしてザナドで暮らしていたという形で、ザナド虐殺を経て最後に残ったのがセスリーンの血を持つ者のうちではセスリーン(フレン)だけなので、セスリーンの紋章という名がついたというもの。
この考え方であれば、宝杯の儀に立ち会ったオーバン本人と、オーバンと同じ血液情報を持つ別の女神の眷属(ザナドで虐殺されている)が存在していたということになり、オーバンが英雄戦争後も生存していることと、オーバンの紋章石を持つドローミの鎖環が同時に存在していたということが成り立つ。
アンスウェラーに関しても、仮にラミーヌの紋章と適合する英雄の遺産ならば、ラファイルの宝珠に使われている心臓とは異なる個体(ラミーヌの紋章情報を持つ別の眷属個体)のものがアンスウェラーに使われている可能性がある。
また、アンスウェラーが『風花雪月』に登場しなかった理由としては、ドローミの鎖環と同じように長い歴史の中でフォドラから失われていったものだからではないかと考えられる。
ドローミの鎖環の場合はフォドラの外の国の「ダグザ」に伝わっていたものとなっていた。
アンスウェラーもまた、『風花雪月』時点ではフォドラの外のどこかにあるか、或いは壊れて無くなってしまっているのかもしれない。
アガルタの民以外によって英雄の遺産を模して作られた「ヴァジュラ」

ドローミの鎖環が英雄の遺産に分類される一方、「ヴァジュラ」はバルタザール曰く「英雄の遺産を模して作られた武具」だという。
金鹿の学級編最終戦でもフォドラ十傑が英雄の遺産を模して古の技術で作られた武器を所持しているが、あちらとは違いヴァジュラ(シュヴァリエの紋章石)はシュヴァリエの紋章の血には適合反応を示す。
フォドラは周辺国と比べると(レアのアガルタ文明隠蔽のせいで)文化・文明水準がかなり劣っていると明言されているので、アガルタの民が女神の眷属の亡骸から英雄の遺産が作れるように、周辺国もそれと同レベルのことができる技術を持っていると考えられる。
つまり、ヴァジュラはフォドラの外でアガルタ文明に匹敵する技術によって作られた英雄の遺産模倣武器であるのではないか。
誰が作ったのかとなると、バルタザールの語る山の地「クパーラ」の可能性が高い。
レア率いる宝杯の儀の後、四使徒は散り散りになっていったが、そのうちシュヴァリエに関してはこのクパーラに移っていったと思われるナレーションがDLCストーリーにある。

また、クパーラでは里を奪おうとする者と大きな抗争があり、戦いで傷ついた者には赤い酒(恐らくシュヴァリエの血)を与えられたといわれている。

これもヴァジュラ関連の話と考えるのであれば、
- ヴァジュラやそれを作る技術を持つ者が狙われて襲撃された
- 里同士の抗争に勝つためにヴァジュラを作った
のどちらかが考えられる。
ただ、英雄の遺産を模してヴァジュラを作ったという前提があるため、ヴァジュラに埋め込まれている紋章石はシュヴァリエであり、この紋章石はクパーラに逃げたシュヴァリエ本人のものか、それともクパーラが一から作ったもののどちらか、ということになる。
そして問題となるのがシュヴァリエの血を注ぐ経緯。
何故負傷した者にシュヴァリエの血が入った酒を飲ませているのかとなるが、フォドラの外の人間がアガルタの民に匹敵するくらいの技術力を持っていると推定するならば、これは人体実験の節がある。
これにはバルタザールが語るには成功した人間(=回復し紋章を宿せた)と、失敗して精神がおかしくなり行方を晦ませた人間の2パターンがあるという。


紋章を持たない生物に紋章情報を持つ血液を与える行為は、アガルタの民がフォドラ十傑やネメシスを作り上げる、或いはレアがジェラルトや枢機卿に施したものと概ね同じ。
獣自身であるレアは成功方法を知っている前提で行っていると思われ、アガルタの民に関してはクパーラと同じく恐らく初期段階では実験で失敗を繰り返していたのではないだろうか。
これを人体実験とした場合、クパーラの民はかつてアガルタの民が女神の眷属を虐殺したように、シュヴァリエを殺害してその亡骸を使ってヴァジュラを作り出した、という考えが出てくる。
また、ヴァジュラが英雄の遺産の模倣なので、シュヴァリエ殺害とヴァジュラ完成は英雄の遺産を知っているという前提となるため、クパーラの里に襲撃をかけたのは、第2のシャンバラのような拠点をフォドラの外(獣の支配がない場所)に求めたアガルタの民で、その攻めてきたアガルタの民が英雄の遺産(を模した武具)を持っていたために、それをヒントにヴァジュラを作って対抗した(故に英雄の遺産を模倣した武器)のではないかと考えられる。
そして、完成したヴァジュラの力を使うために、戦いに傷ついた者に「治療」の名目で人体実験を施し、四使徒(女神の眷属)の血の実験を行ったのでは、とも。
『風花雪月』の前なのか後なのか
『風花雪月』はルートやペアによってかなりエンドが分岐する。
アドラステア帝国やファーガス神聖王国のどちらかが消滅していたり、ソティスが誰と誰が結ばれてフォドラの未来に何を齎したのかなど、その分岐数は計り知れない。
つまり、『風花雪月』の後にするということはどれか3つのルートのエンドや多くのペアエンドを否定することになり、これは『風花雪月』プレイヤーに対して喜ばしい措置とはいえない。
また、エーデルガルトルートではソティスをペアエンドに選ばなかった場合はソティスは完全に消滅するはずなので、『万紫千紅』の聖墓の玉座に位置しているのがソティスであれば矛盾が生じる。
神威法王が幾千年の時を経て成長した『風花雪月』男性主人公のベレトという予想もあるが、では女性主人公ベレスの物語はどうなるのか、ということであり得なさそう。
となるならば、『万紫千紅』は『風花雪月』より前の時代の物語であると、自分は考えている。
舞台は恐らく古代のアドラステア帝国であり、帝都アンヴァル以外の都市に「ダグシオン」というものがあるのではないか。
根拠としては、『風花雪月』の主要キャラクター達の先祖、つまり各国のフォドラ人が集結している点にある。
アガルタの民によって分裂させられる前のフォドラはアドラステア帝国ただ一つであり、英雄戦争が終わった後はフォドラ十傑の子孫らがアドラステア帝国で保護されていたため、恐らく舞台の時系列としてはこのタイミングなのではないか。
アンスウェラーが「英雄の遺産」と表記されている点からも、やはりネメシスが英雄戦争にて討たれた後の時系列と考えられる。(ネメシス一派の盗賊集団フォドラ十傑が英雄戦争で使っていた英雄の遺産は、戦後に彼らを追って討伐した教団が回収している)
緑色の髪とエルフ耳という容姿から女神の眷属らしき「神威法王」がいるが、恐らく英雄戦争をレアやセテス、フレン、その他聖人らと共に戦い抜いた女神の眷属であり、レアが作ったアドラステア帝国で、レアの命なのか、それともレアに背く形なのかは分からないが、何かを目論んでいると思われる。
少なくとも『風花雪月』時点では彼は存在していないので、『万紫千紅』の時系列の中で命を落としたと考えられる。
また、神威法王が女神の眷属として持つ紋章は、
- 『風花雪月』に登場していない紋章だが受け継がれることがないまま無くなっていった
- 『風花雪月』に登場している紋章のうちどれかだった
の2点が考えられるが、巷では神威法王の装飾がブレーダッドの紋章に酷似しているという見方がある。
この仮説に沿う場合、英雄戦争にブレーダッド(ブレーダッドの紋章とアラドヴァル持ち)が出陣していたことを考えると、先述の考察通り、神威法王はブレーダッドやアラドヴァルに用いられたブレーダッドの紋章情報を持つ死亡済みの眷属とは別個体のものであると考えられる。
となれば、ブレーダッドの子孫(帝国貴族ルーグ辺り)への復讐か、自分達の同胞の犠牲によって生まれた十傑の子孫やそれを(紋章至上主義確立のために)帝国に保護したレア(=空竜セイロス)への反逆か…?
ここにアガルタの民も参戦し、『風花雪月』では謎のまま、或いはDLCのアビスの書籍で断片的にしか語られていない、アドラステア帝国の初代皇帝ヴィルヘルムの代~軍師パーンによるファーガス独立の期間を描写し、主にエーデルガルトルートに関する補完を成すのではないかと、自分は考えている。
タイトルの『万紫千紅』も、紫はダークマター技術?を使うアガルタの民、紅は紅花の名と同じアドラステア帝国を意味しているとも考えている。
アビスの隠蔽書籍で明らかになった、無能のルーグを唆してアドラステア帝国からファーガスを独立させ、騎士道精神で骨抜きに仕向けたアガルタの民説が濃厚な軍師パーン辺りも出てくると面白そうではある。
ただ、地球外生命体と思われるソティスが『風花雪月』よりも大人びた姿で登場している。

『風花雪月』のオープニングの姿のソティスは『万紫千紅』のものよりもさらに大人のような感じなので、時系列を経る毎に幼少化しているのではないか、という考えを抱いている。
これに関して、
- アガルタの民を洪水で一掃した時と、『万紫千紅』での何かしらの出来事のそれぞれで大きな力を使い、それによって力を失いその度に幼くなっており、『風花雪月』エーデルガルトルートで白きものを討った際には全ての力を失って消滅した
- ネメシスによって亡骸を奪われて以降、時間を経る毎に自然に幼少化している
の2点が現状考えられる。
聖墓の玉座に関しては『風花雪月』より明らかに新しいものなので、ソティスの精神世界における聖墓は時間を経る毎に劣化しているのではないかとも考えている。

